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愛妻語録  作者: keikato
182/719

182 杏仁豆腐

 コタツで目を覚ますと、妻がスプーンを手になにやら食っていた。

 透明のカップに白いゼリーが見える。

「なにを食ってるんか?」

「ミカン入り杏仁豆腐」

「うまそうやな」

「スーパーに並んでるのを見たら、食べたくなって買ったんよ」

「オレのは?」

「ない、ひとつしか買わんかったけん」

「気のきかんヤツやな」

「そんなに食べたいの?」

「あたりまえや。あれば食うに決まってるやないか」


 妻いわく。

「あんた、どうする? 冷蔵庫に木綿豆腐ならあるけど」


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