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愛妻語録  作者: keikato
162/719

162 よかったに

「夢にキム〇クが出たんよ、あのキム〇クが」

 妻が嬉々として話す。

 いい婆さんが何をいまさらと聞いていると、最後にこうのたまう。

「あのまま夢がさめんで、ずっとキム〇クと一緒だったらよかったに」

 妻の話を聞いて、オレも夕べ見た夢のことを思い出した。

「オレも変な夢を見たんやけど」

「どんな?」

「大きなカマキリみたいな宇宙人に追われてな、ソイツから必死になって逃げる夢や」


 妻いわく。

「その宇宙人に、あんた連れていかれたらよかったに」


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