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愛妻語録  作者: keikato
159/719

159 まちがって

 洗面所から妻の異様な声が聞こえた。

 ウエッー。

 オエッー。

 なにやら苦しげな声で、食べたものを吐いているようである。

 オレは急いで洗面所に走った。

 妻は洗面台に顔を伏せていた。

「だいじょうぶか?」

 顔を上げた妻は涙目になってはいるが、べつに嘔吐はしてないようであった。

「いったいどうしたんや?」

「これよ」

 妻が手にある歯ブラシを見せる。

「のどを突いたんか?」


 妻いわく。

「ううん。まちがってあんたの歯ブラシを口に入れてしもうたんよ」


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