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愛妻語録  作者: keikato
132/719

132 ドラ焼き

 残った最後のドラ焼きの一つ。

 トイレに立つ前、それを確実に確保するため一口かじっておいた。

 ところがトイレからもどってみると、妻がその大半を食ってしまっていた。

「それって、かじったあとがあったやろ」

「じゃあ、返すわ」

 妻が食べ残した部分をさし出す。

 オレがかじっていたところを反対側にして、三日月の形として上手に食べ残している。

「そこまで食うなら、みんな食ってしまえばいいやないか」


 妻いわく。

「だって、ここはあんたの分やけん」






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