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モンスターズ・バトル&ゲーム  作者: まるいもの
3章 タクティクス編
34/36

ヘッポコ+ヘッポコ=世界は広い

『みなさんこんにちはー、今日もここポルトランでバトルコロシアムが始まるよー!』


ウオオオオオオオオオ!!


『さぁ今日の第一試合はホブゴブリン&マスターゴリアスVSハイコボルト&マスターシギンの因縁の対決だー!』


ウオオオオオオオオオ!!


『司会は、みんなのアイドルミミカ・フレンチがつとめるニャン☆』


ミーミーカーちゃーん!!!





《相変わらずの熱気だなー》


「はははっ、なかなかいい感じじゃねーか」


《リサ、今日はがんばれよ》


「おう、まかせとけ」


ゲームまで時間はあるが今はマナナではなくリサが表にでている。マナナは争いごとに向いていない、いきなりリサに変わったら今度はマリアが混乱してしまうからな。


「むぅ、本当に髪の色も性格も変わってしまったのじゃ」


「よろしく頼むぜ、ちびっこ」


そう言ってマリアの煌めく銀髪をくしゃりとかき混ぜる。


「ふっふん、ゲームでは手を抜かぬから安心するのじゃ」


そういって顔を赤くし、気持ちよさそうにしている。


マリアって頭をなでられるのが好きだからな……それだけで陥落してね?


「お手軽ですねー、私もあとでなでなでしときましょう」


俺たちがそうやって良い意味でリラックスしていると、ソレはやってきた。


                           『ぉーほほほほっ』


《ん?何か聞こえないか?》


                 『おーほほほほほほっ』


「たしかに笑い声のようなものがきこえますねー」


         『おーほほほほほほほほほっ』


「にょわ、この声はまさか!」


「おーほほほほほほほほほほっ」


なんというか、ここまで濃いキャラクターも居ないぞっというほどの少女が現れた。


腰まである金髪をクルクルカールにし、端整な花で例えるなら薔薇の蕾か? 大輪になると思わせる顔立ちに右手を口元にそえ、おほおほと高笑いしている。

全身ゴシックロリーターな服装をしていて、これぞザッ・お嬢様(色物系の)といわんばかりだ。


「久しぶりでございますわね、マリアさん。おーほほほほほっ」


知り合いか?


「おっおぬしは……えーと エリ……えりー?エリドイボ!」


「エリザベスですわよっ! エリしかあってませんわよ!!」


《マリアに記憶力を期待するほうがまちがってるぞー》


「にゅふふ、褒めるでない」


そろそろこのへっぽこをどうにかしないといけないよな。


「なぁシュン、あたしおーほほほって笑うやつ始めてみたよ。いるもんだな、世の中広いぜ」


リサのいうとおりだ世の中広い。歳はマリアと同じぐらいかな?


「何しにきたのじゃ? 裏切り者の娘のくせに」


「あら、ここに来る用事なんて一つしかありませんことよ?」


ということはバトルコロシアムに出るのか、おそらくマスターとしてだな。


「おほほほ、紹介いたしますわ、でてきなさいグラーズ!」


   …………


「グラーズ?ちょっとグラーズどこにいますの?」


「どこにいるのじゃ?」


あ~あ、マリアにまで呆れられてるぞ……


「ぐッグラーズでてきなさい、どっどこにいますの?グラーズ!」


居るもんなんだな、マリアに負けず劣らずのへっぽこが……


「ぐっグラーズぅぅぅぅ、ぐしゅっ」


「お主も相変わらずじゃのー」


                     「ぅぅぅぅせっかくひさしぶりにあえたのにぃぃぃ」


「んむ? なにかいったかや?」


さっきまでの威勢はどこかにいって今は半べそを掻いている。なんだか和むな、そう思ったとき。


《呼んだか主》


通路の曲がり角から一匹の魔狼がのっそりと現れた。


「ぐっグラーズ!わっわたくしが呼んだら直ぐに来なさいとあれほどいったでしょっ」


《主よ、我にも生理現象というものがあるのだ》


トイレにいってたのね。


《なかなかの大物だったので直ぐに動けなかったのだ》


おっきい方かよっ。


「まっまぁいいですわ、この子が今日私とゲームにでるグラーズですわ」


そういってちらりと俺を見る。むむっどういう意味だ?


「マリアさんの魔狼は小さいですのね。おーほほほほほっ」


確かにグラーズはでかい、全長三メートルぐらいか? 俺の倍はあるぞ。


「なっなんじゃとー、体の大きさなぞが全てではないのじゃ。シュンは体は小さくとも、なんと魔法が使えるのじゃー! どんがらがっしゃーん」


マリアがまるで落雷のような擬音を口にして両手を広げる。


「ぬぅわんですってー!!」


エリザベスが劇画のような顔をして驚く。


何この子達、実は仲がよくないか?


「ふっふっふっ負けませんわよ! グラーズは私が乗ってもダイジョーブーなんですのよ」


トゥと叫んでから、無駄に高い身体能力で飛び上がり三回転してグラーズの背に降り立つ。


あ、グラーズさん物凄く迷惑そうな顔してるよ。


「にょわー、負けぬのじゃー」


とぅと叫びながら飛んできたので叩き落とした。


「にょわっ」べちゃっとつぶれるマリア。


「おーほほほほほっ、私の勝ちですわ。おーほほほほっ」


「しゅっシュン酷いのじゃ、エギゲスダに負けてしまったではないか」


《もうエしか合ってないぞ……》


「おーほほほほほっ気持ちいいですわー」


「むぎぎぎぃぃぃぃ」


ちびっ子二人がバカをしていると、通路の奥から真っ赤な髪をした黒い軍服姿の美女が、カツンカツンと足音を立ててこちらに近づいてくる。


「こんな所にいたか、エリザベス」


「あらルッカさん、今マリアさんと一勝負して勝ったところですわ」


何時の間に勝負をしてたんだ?


「そうか、ちなみにゲームは時間切れで不戦敗になったぞ」


「え?」


「あまりに遅いからエリザベスは不戦敗になった」


「えええぇぇぇぇ?」


《ふむ、つまり我も不戦敗になったということか。主よ、この責任は取って貰うぞ》


ひょいと首を後ろに曲げ、エリザベスの襟を持ち上げ連れ去っていくグラーズ。


「ちょっと、グラーズさんおよしになって。おっお仕置きはいやあぁぁぁぁぁぁ」


悲痛な声を響かせて退場していくエリザベスとグラーズ。


「うちのバカが迷惑をかけた。では、次はタクティクスで会おう」


そう言ってルッカと呼ばれた美女も通路の奥へと姿を消した。


「世の中は広いなーシュン」


《だなーリサ》


「そろそろ時間ですよ」


我関せずとばかりに離れていたミカエラがリサたちの出番を教えてくれる。


《それじゃー三人ともがんばれよー》


「任せとけ」


「まぁぼちぼちとがんばります」


「むぅぅシュン。今度からわらわがジャンプしたら乗りやすいようにしゃがむのじゃ」


とりあえずマリアはもう一度頭をはたいておいた。



        ◆ ◆ ◆ ◆


翌日。


ゲームは二人ともあっさり勝ち、これでタクティクスのメンバーが決まった。


「それでは、三日後のタクティクスは【クイーン】をマナナ【プリンセス】をミフィー【マジシャン】をミカエラ【ナイト】をリッジ【スカウト】を犬で行く事にします」


「むぅ、シュンがキングではだめなのかや?」


「キングやクイーンはメンバーの内一番実力のあるものか、耐久力のある人がするものなのよマリアちゃん」


ミフィーが優しくマリアにレクチャーをする。


「シュンがマジックストーン探しであたいが敵の撃破、ミフィーとミカエラはサポートだ、覚えとけよ」


「リッジにいわれんでもわかっておるのじゃ!」


リッジが喋ると途端に反抗しだすな……


「あのお二人はなんだか仲があまり宜しくありませんねー」


ミカエラが俺にだけ聞こえるような小声で喋りかけてくる。


《そうなんだよなー、このままで行ってゲームに支障がでないか心配だな》


初めてのタクティクスまで後二日しかないのに、こんなバラバラの状態で勝てるのだろうか。


とにかく、今はこの状態で切り抜けるしかない。



おほおほおほ。

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