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炎帝+氷結=バトルウォー①

バトルウォーの説明など入れていくうちに長くなってしまいました。


たぶん三話ぐらいになるかと。

太陽が真上に昇り、魔都キリマンを暑く照らす。気温は三十五度を超え暑さに弱い種族には地獄のような熱気が渦巻いている。


それでも、多くの魔族達がゲームの為に廃墟となっている区画に、なだれ込んで行く。


   9:00  あと一時間後にバトルウォーが始まろうとしていた。


---バトルウォー特別司会室---


   9:30


『さー皆さんお待たせしました!炎帝ガリウスVS氷結の魔女レイファーのバトルウォーが始まります!! 最初にフィールドに現れたのは、炎魔王軍、炎帝の息子、炎の貴公子アポロス・ゴルドワだー! 赤い髪をオールバックにきめ、細身ながら引き締まった褐色の肌。端整ながらワイルドな顔つきは大勢の女性ファンから黄色い声援を送られています! いつものように炎魔王軍の真っ赤な軍服を着込み、これまた真っ赤なマントと赤尽くし。しかし、それが似合っているのが炎の貴公子足る由縁か!! おっと?アポロス戦闘者の肩に一匹の子犬がくっついているぞ!! あの子犬にどんな能力があるのか楽しみです』


……期待されても……


『そして次にフィールドに現れたのは、氷結の魔女こと魔王レイファーだー! 豪奢な紫の髪を腰まで流し黒のナイトドレス姿は多くの男性を虜にして放さない。まさに魔性の女! しかし、その姿に惑わされてはいけない。その魔力は全てを凍らす極寒の息吹! 彼女の前で凍りつかない者はいったいどれほど居るというのでしょう! おっと? なにやら新しい情報がはいって……は? 垂れ魔おっぱい? ……なにこれ……ええと、どうやら新しい二つ名がつけられていた模様ですが、これ以上は私の口からはもういえません』


……あれぇ?なんだろう【第六感】がギュンギュン警報をならしてるんだけど……


『次に紹介する選手は皆さんお待ちかね、炎魔王軍のアイドル、フレイア・ゴルドワ嬢だー! そのコケティッシュな笑顔と十六歳とは思えないプロポーションで多くの若者を魅了する。まさにバトルウォーにに咲いた一輪の赤い花。今も多くのファンが観戦席に詰め掛けています。そして……え? ぷるるんおっぱい姫? ……いったい今回のバトルウォーはどうなっているのでしょうか。これ以上は私の生命に関わりそうなので次に行きたいと思います』


ひぃぃぃぃぃ、殺気が、殺気がふくれあがってるぅぅぅぅ!!


その他の戦闘者の紹介も全て終わり最後に出てきたのは炎帝ガリウス。


『そして最後に現れたのは、炎魔王、炎帝ガリウスだーー! 身長三メートルの巨体に白い髪と髭を伸ばし、筋骨隆々の肉体美、その見た目はまるでオーガのようにも見えます。しかしっその実力は月とすっぽん。炎魔王が本気になれば、この魔都キリマンですら一日で廃墟となってしまうでしょう。魔王のなかでも最高の攻撃力は伊達ではありません!』


いやいやいや、一日で廃墟にするとか規格外すぎるだろう……


『フィールドプレイヤーチーム、別名ユニットが次々と魔法陣で転送されていきます。フィールドに残ったのはマスターである炎帝と氷結の魔女の二チームのみ。さあ、あと五分でゲームが開始されます、実況は私ミミサ・ファレンがお送りしますニャン☆』



        ◆ ◆ ◆ ◆



---ユニット待機室


「あと五分か……親父のやつ、ちゃんと分かっとるんやろうな……」


アポロスの呟きにミザリーさんが不吉な事を言う。


「ガリウス様が素直に忠告を聞くとは思えません」


顔しかめて開始を待つアポロス……そして、ゲームが始まった。




        ◆ ◆ ◆ ◆



『今、ゲームが始まりました!炎帝ガリウス十ポイントを使い二つのユニットを召還します。そして、そのまま真っ直ぐ廃墟の大通りを魔王レイファーが居るマジックストーンに走らせる! できた自軍マスを炎帝も突っ込んでいくぞ!これはいつもと同じ炎帝自ら突っ込む突進戦術(かんがえなし)だー!』


「ガハハハハハッ、レイファー! 今日こそはこそこそと逃げ回らずに正々堂々と勝負をうけやがれ!」


無茶苦茶なことを笑いながら言い放つ炎帝、全身から赤い焔を噴出しながら瓦礫を吹き飛ばしていく。


『ずんずん進んでいく炎帝! しかし、これでは先の二戦と同じ目にあうのではないでしょうか。なにか作戦があ……るわけありません。だからこその炎帝です!』


気だるけな雰囲気を漂わせながらレイファーがユニットを召還する。


「あいかわらずの突進馬鹿ね……召還……【ポーン】の足止めをしなさい」


『おおっと、もう直ぐ届くという所で魔王レイファーも二つのユニットを出し炎帝のポーンユニットと戦闘に入りました。これで炎帝は元の道に戻るしか有りません。』



---ユニット待機室


「だーーまたか、あの糞親父! いい加減脳筋にもほどがあるで!」


《どういうことか分からない。あのまま突っ込めないのか?》


血走った目をギロリとこちらに向けて、一度目を閉じ、ふぅと息を吐く。


「シュンはルール知らんかったな。少しレクチャーしたる」


そういって、簡単にルールを教えてくれる。


「まずはチームにポイントがあって、ポイントがたまるまでは召還できへんことは教えたな?チームは別名ユニットと言われとる、次にユニットには役割があるんや」


敵軍又はフリーのマスを自軍のマスにする事ができる『侵略』


隣接している、ポイントを増やす事ができるマジックストーンを手に入れる為の『制圧』


隣接しているマスの敵ユニットを倒して、相手ユニットのポイント分こちらのポイントに加算する事ができる『撃破』


ポイントを消費する事で、特殊なカードを使う事ができる『カード』


マジックストーンのあるマスに居る時に、ポイントを消費する事で、ユニットを召還する『召還』


「この5つのスキルを使い分けるのがユニットの役割や」


【ポーン】『侵略』『制圧』


【ナイト】『侵略』『撃破』 


【ルーク】『制圧』『撃破』 


【ロード】『侵略』『撃破』『カード』 


【マスター】『制圧』『撃破』『カード』『召還』


「マスターは最初からフィールドにおるんやが、自軍マスは最初のマジックストーンの一マスしかないんや。せやから戦闘ではなく、侵略と制圧目的の【ポーン】をEクラス五人のユニットで、五ポイント消費して、まずは自軍マスとマジックストーンの確保に動かすのが定石や」


そう言って、いきなり「うがー」と唸り髪を掻き毟りだす。


「せやのにあの馬鹿親父は! いっつもいっつも敵マスターに突っ込みよる。マスターさえ倒せば召還ができへんからぐっと勝ちを引き寄せれるけど、そんなあほな事受けて立つんは馬鹿親父と剣魔王の二人ぐらいや!」


あーうん、たしかにそんなの受けないな……


そういっている間に戦況はだんだんと不利になって行く。




        ◆ ◆ ◆ ◆



『時間は十五分が経過しております、残り時間はあと一時間四十五分、まだまだ勝負は分かりません。おっと魔王レイファーが更に【ポーン】三ユニットをだしマジックストーンを捜す模様です。対する炎帝はまだ自軍マジックストーンに戻れて居ません。速く戻り遅れを取り戻したい所です』


「お前達、私の期待に応えなさい」


レイファーがそう言うと全身から魔力がゆらゆらと周りを包み込む。


【氷結の魅了】スキル発動


先ほど召還された三ユニット十五匹のスノードッグは、だらしなく舌を垂れ至福の表情を作る。


氷結の魅了……氷属性のモンスターを有無を言わさず魅了するレイファーのユニークスキル。


魅了されたモンスター達は、自身の限界を超えてレイファーのために全てを投げ出す。


自身の限界を超えて走るスノードッグ達は、数分で五キロを走破し三つのマジックストーンを制圧した。


しかし、限界をはるかに超えた動きの代償は彼らの命で支払われる。


『あーとっ、素晴らしいスピードで三つのマジックストーンを制圧した【ポーン】三ユニットが全てロスト(死亡)してしまった! 半年前から魔王レイファーの戦術が大きく変わりましたが、一番変わったのはユニットを使い捨てにする事でしょう。しかし、それが勝利に繋がっているのは間違いありません!』


「ふふふふ、行きなさいそして私に勝利を捧げなさい」


レイファーはさらに【ポーン】を三ユニット召還し着実にマジックストーンを制圧していく。多くの命を捨て駒にして。



        ◆ ◆ ◆ ◆



ゲーム開始から四十分。


「殿下! 魔方陣が発動しました!」


ミザリーさんが画面を見ていたアポロスに召還されたことを伝える。


「やっとかっあの糞親父!」


二十ポイントを消費してアポロスチームが召還される。


アポロスがA、ミザリーが上級火炎精霊でA、俺がE、他にナンナという名前の中級火精霊がC、チチルアという名前の下級火精霊がDで十六ポイント。【ロード】の役職が四ポイント加算され合計二十ポイントだ。


ちなみに【ポーン】は加算ゼロ、【ナイト】【ルーク】は加算二ポイントだ。


「いくで、フィールドに着いたらまずは状況把握、それからレイファーを探す……もうレイファーを抑えるしかわいらに勝ちはない。せめて戦闘に引きずり込んでこのあとなにもできへん様にするでっ!」


「「「了解」」」《おっおう》


……もしかして魔王レイファー対魔王の息子アポロスの対決に巻き込まれるの?


俺の運はどこまで落ちていくのだろう……そう嘆かずには居られない瞬だった。 


遥か雲の上の戦闘に巻き込まれそうな主人公。


どこまでも堕ちて行きます。

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