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モンスターズ・バトル&ゲーム  作者: まるいもの
1章 プロローグ
10/36

覚悟+信頼=絆

ラストのゴブリン戦を改正しました。


少しでも臨場感がでていればいいのですが……

『みなさんこんにちわー、今日もここポルトランの街でバトルコロシアムが始まるよー!』


ウオオオオオオオオオ!!


『さあ、今日の第一試合はスケルトンナイト&マスターゴリアスVSオーク&マスターシギンの組み合わせだー!!』


ウオオオオオオオオオ!!


『司会は、みんなのアイドルミミカ・フレンチがつとめるにゃん☆』


ミーミーカちゃーん!!!


 


《凄いテンションだな》


「うむーバトル&ゲームは人気があるのじゃー」


「唯一魔法ビジョンによる定期的放送がされておりますからの、さらにギャンブルなど大衆が喜ぶ要素がてんこ盛りなのですぞ」


俺は今アーズマースにきてから初めて城からでて街に来ている。ここまで来た道や街の作りは中世ヨーロッパお思わせるのだが偶に魔法を利用したハイテク技術があるのには驚いてしまう。


ポルトランの街は結構大きく、人口は五千人ほどいるみたいだ。そして街の中心にバトルコロシアム用の円形の闘技場が建っていた。


「姫様の試合は特別マッチなので一番最後ですの」


《特別マッチ?》


「そうですの、バトルコロシアムやバトルティックスにはランクがありまして、D~Aの四つに分かれておりますの。試合に勝てば報酬とポイントが入り、ポイントの合計が一定以上になりますと上のランクに上がりますの」


「今回わらわ達がするのは、ランク外の何かを賭けての試合なのじゃ」


《だから特別マッチと言う訳か》


ウオオオオオオオオオオオ!!!


「第一試合が終わったみたいじゃのー」


《ううっ緊張してきたな、ちょっとトイレに言ってくる》


「スライムがトイレにいってどうするのじゃ……」


《気持ちの問題なんだよ》



        ◆ ◆ ◆ ◆



暫く移動してトイレを見つけたが入るのはやめた。匍匐全身しながらあの汚い床を進めるかい?スライムになるということはそういうことだ。


「ケロッケロッケロッ、今日は頼みますよコソンさん?」


「オレ、スライムコロス、マオウノムスメモラウヤクソク、ワスレルナ」


ん?あれはカエルに……もしかして試合相手のゴブリンか?


「ケロッケロッケロッ、解っております、マーセリア様が試合に負ければ残るのは一億ディナールの借金だけですからねー。その後はコソンさんに差し上げますよ」


「マオウノムスメ、コドモウマス、イッパイ」


なっなんだと、試合に負けちまったらマリアの奴はゴブリンに連れて行かれるのか!


考えてみれば試合に勝たなければ借金は無くならないんだ、当然その後は……




「おーこんな所にいたのかや?あまりに遅いので様子をみに来てやったのじゃー感謝するが良いぞ」


マリアがどうだと言わんばかりに胸をそらしている。


長い銀髪を今日は青いリボンでツインテールにしていて、青色のぺチワンピースにハーフパンツ足は黒のブーツを履いており全体的に青でそろえている。どうも俺に合わせたみたいだ。


「ん?どうしやのじゃ?」


《いや……マリアは今日も可愛いなって思って》


「んにゃっ!?なっなにを言っておるのじゃ……すっスライムにいわれてもあまり嬉しくないのじゃー」


そう言って真っ赤になって俺を踏んずけてくる。照れ隠しに踏むのはやめろ癖になったらどうするんだ。


《マリア、絶対に勝つぞ》


「む、当たり前なのじゃーわらわの従者が負けるはず無いのじゃ!」


覚悟は決まった……負けそうになったらギブアップも有りかなーなんて少しでもへタレた俺が馬鹿だった。



      ◆◆◆◆◆◆◆◆




『第十試合も終了し、ランク戦も全て終わりましたが、今日はもう一試合特別マッチが残っております。何と、あの魔王アデーレ様の持ち城だったベアーチェ城を賭けた世紀の一戦なのだー!』


ウオオオオオオオオオ!!!


『両戦闘者の簡易ステータスがきました、これを参考にして皆賭けるんだよー』


--------------------

【ゴブリン】

【Lv9】

【HP108】

【MP 0 】

【攻撃力53】

【防御力42】

【魔法力 0】

--------------------


   VS


--------------------

【ブルースライム】

【Lv1】

【HP32】

【MP45】

【攻撃力18】

【防御力24】

【魔法力 7】

--------------------


『なんと、ゴブリンVSブルースライムの対戦なのだっ……スライムって……』


一瞬の静寂……大爆笑がコロシアムを駆け巡る。


「うぬぬぬ、ばっ馬鹿にされているのじゃ、むきぃぃぃぃぃ」


『オッズが出ましたー ゴブリン1・05倍スライム120倍でーす、賭けになってなーい』


「むぐぐぐぐ悔しいのじゃー悔しいのじゃー、シュンはわらわの従者なのじゃ馬鹿にするななのじゃー」


「姫様ー落ち着いてくだされー勝てば宜しいのですぞー」


《そうだ、勝てばいいんだ俺を信じろ、腹はくくった》


「むっむう、じゃが負けそうになったら……」


《だめだ絶対ギブアップするなよ?したら許さないからな》


「なっ、わらわが主なのじゃぞ、ううう約束じゃ絶対勝つのじゃぞ」


《おう、任せとけ》


『それでは時間になりましたー、両戦闘者の入場ですっ』


よしっいくか……もう逃げる事はできない、勝つしか道はない!



      ◆◆◆◆◆◆◆◆



------六時間前


「情報によりますと不細工はゴブリンLv9と簡易契約を結んで試合にでるみたいですね」


《ゴブリンっていったら、雑魚モンスターの定番だな》


「スライムはさらにゴミですが?」


《ですよねー、ちくしょー》


「姫様は何か作戦は考えておられますか?」


「うにょ?さっ作戦?」


ああ……なにも考えて無いな。


「へっぽこは放っておいて、不細工は小物です、おそらくカードも無難な物しか選ばないでしょう」


「へっへっぽこいうなー、ひゃうっ」


ベアーチェさんのひと睨みで竦み上がるへっぽこ魔王(自称)


《作戦かーやっぱりカードの使い方が鍵かなー》


「まともにやってはスライムが勝つことは難しいですね」


「わらわは派手なのがいいのじゃ、全能力補助カードでぶっとばすのじゃ!」


「百点中三点です、能力的に低いスライムがいくらパワーアップしても、猫に小判ですね」


つまり無駄だと……さっきからグサグサささります(泣)


「でっでわどうすればいいのじゃ」


「……私の予測では不細工は攻撃補助1P速度補助3P回復の雫6Pで来ると思います。格下相手には無難な選択ですが、だからこそ有効ですね」


《攻撃とスピードで相手を圧倒して、なにか危なくなったら回復か・・・》


「貴方ならどうしますか?スライム」


《俺なら……》



      ◆◆◆◆◆◆◆◆



ゴブリン&マスターケロッグVSブルースライム&マスターマーセリア


『さー試合が始まりました、おおっとーマスターケロッグいきなり攻撃補助&速度補助カードだー、一気に試合を決めるつもりかっ!!』


ぬあ、ベアーチェさんの予想通りのカード、しかも使うタイミングもドンピシャ。


(不細工は小物ゆえ、早く結果が欲しいと考えるでしょう。先ずは最初の攻防をしのぎなさい)


新しく覚えた魔法、フレイムランスは詠唱も書かなければいけないので16文字、2発撃つとして32MPは残さないとだめだ。つまり13MPしかスキルに使えない。


ゴブリンが突っ込んできた!


っとやばい【ステップ】で横に避ける。


『おおっとこのスライム、意外と動きが早いぞっ。ゴブリンの繰り出す棍棒をことごとく避けていく』


避けてるだけじゃそのうち捕まる【ステップ】×2で横に避け直ぐに体当たりを食らわす。


『更には素早く横に避けたと思えば、体当たりで反撃もしています、スライムといえば鈍足が当たり前、確かに偶に素早く動く時があるがこのスライムの動きは異常だー』


もう直ぐ二分、使えるMPは六か……なっあぶな。ビュンっと言う音が直ぐ脇を通過する。


ゴブリンが棍棒を投げつけてきた、意表を突かれて動きが止まってしまう。そこにゴブリンの足が!


痛烈な蹴りの一撃が俺の体を弾き飛ばす。


『ああっとー、ゴブリンのキックがスライムにヒットしたー、この試合初めてのアタックはやはりゴブリンでしたっ』


ゴブリンのキックで十二ダメージくらっちまった。


《ぐあっ、痛ー》


「シュンーとまるで無いー来ておるぞーよーけーるーのーじゃー!!」


おおっとあぶねー【ステップ】で咄嗟によける。 あと五MP


『ここで二分が経過ー補助の効果がきれたようです、スライムは意外と粘っていい試合をしているぞー』


ここだ!【ステップ】×四、俺はステップを繰り返し左右にフェイントを入れる。ゴブリンはそのスピードについてこれていない【ジャンプ】


《今だ!》


俺の合図にマリアが応える!


「OKなのじゃー」


【ジャベリン】×二


『始原の炎よ槍となれ』【フレイムランス】もう一発【フライムランス】


俺の考えた作戦、それは有無を言わさぬ最大攻撃での一撃。はるか格下の俺たちが勝つにはこれに賭けるしかないっ!


これでMPはすっからかんだ、倒れろ!


俺とマリアの合わせて四本の槍がゴブリンを捉えた!


『ああっとこれはーなっなんとスライムが魔法をつかったー!マスターのジャベリンとあわさって4本の槍がゴブリンに襲い掛かるー!これは決まったかっ!』


マリアのカードで作り出した魔力の槍がゴブリンの体に刺さる。


そして、俺の作り出した炎の槍が止めとばかりにゴブリンに襲い掛かった。だが……


『グガアァァァァァァァ』


あまりの痛みに吼えるゴブリン。しかし止めを刺すことができなかった。


「にょわー、まだ立っておるのじゃー」


全身を傷だらけにしながらそれでもゴブリンはまだ立っていた。ここで一気に決めないと負けてしまう。


《くそー足りなかったか、マリア攻撃補助だ! 回復される前に倒すしかない!》


「わっ分かったのじゃ」


マリアの【攻撃補助】が発動する。


マリアの補助カードで俺の攻撃力が上乗せされた。これで倒してみせる!


『ゴブリンはまだ立っています、だがもうボロボロだー、マスターケロッグあわててカードを使おうとするがマスターマーセリアのほうが一歩はやいぞっ』


《倒れろー!!》


体当たり、体当たり、体当たり、体当り。


四発の体当たりを食らわせる、だが・・・


『グギァァァァァァ』


ケロッグの【癒しの雫】が発動してしまった。


『マスターマーセリアの方が一歩早かったが、スライムでは倒しきれなかったー』


「あっあぶなかったケロッ、しかしこれで私のかちですねー」


ゴブリンのHPが回復していく……くそースライムじゃゴブリンに勝てないのかっ。


HPを回復したゴブリンの攻撃が襲ってくる。


『ヨクモヤッテクレタナ!』


怒りに染まった顔を醜く歪ませ、ゴブリンが激しく腕や足を振り回してくる。


基本的な身体能力では勝てない。ゴブリンの攻撃でじりじりとダメージが蓄積されていく。


はぁはぁっもうボロボロだ、攻撃の手段も無い……残りHPは1、後一撃で俺は死んでしまう。


心の真から恐怖が沸き上がる……トラックに轢かれたのとは訳が違う……あの時は訳が分からず死んでしまった、だけど今は。


「もっもういいのじゃ、わらわはギ……」


俺の思考にカエルとゴブリンのやり取りが蘇る、ここで負けたらもう取り戻せない。マリアの生意気なドヤ顔も、泣き顔も、笑顔も、夢も全部なくなってしまう!!


《まだだっまだ戦える!絶対に勝つ!だから諦めるな!》


ゴブリンの攻撃を紙一重でかわし腕や足に一撃を加える。


「でっでも、もう無理じゃ、このままではシュンが死んでしまうのじゃー」


《俺は負けない》

  もう今にも負けそうなくせに

        「しっしかし……」  

  

  ゴブリンの足が直ぐ横に振り下ろされる。


       《絶対に勝つ》

          勝つ方法なんて何処にも無いのに

               「シュン」


      飛び上がり俺めがけて襲い掛かる。


               《だから諦めるな》

                   俺自身諦めそうなのに

                     「わらわは……」

 

          じわじわと右に右にと追い込まれていく。


                        《俺を信じろ!》  

                            信じて何がある?だけど……


「ぐしゅっ、分かったのじゃシュンを信じる、だから、だから勝って!」


ゴブリンにコロシアムの端に追い詰められる。誰もが勝負がついたと思っただろう。


だけど、俺とマリアだけは信じていた、マリアは俺が勝つと、俺はマリアが信じてくれていると。


お互いの信じる心が繋ぐ一本のパス。


『こっこれはー、なんとマスターマーセリアとスライムに一本のパスがつながった!まさかこんな絶体絶命のピンチでマスタースキルが発動するのかー!』


【魔力譲渡】マスタースキル発動


ゴブリンのパンチが目の前にまで迫っている……俺は感じるままに動いた!


【ステップ】


ゴブリンの脇に素早くステップで避ける。


何処からともなく魔力が体に流れ込んでくる、分かる、これはマリアだ。この10日間ずっと一緒に行動してきた。この感覚はマリアと触れ合っている時に感じた温かさだ。


【ステップ】×十


『おおーこれは凄い、スライムがコロシアムを縦横無尽に動き回っているぞっ』


ゴブリンが俺の動きにまったくついてこれない。尽きない魔力で動き回る、ゴブリンの後ろを取った!


『スライムが後ろをとった瞬間大ジャンプだー!』


ゴブリンはまだ気づいていない、くらえええええ!!


【フレイムランス】

   【フレイムランス】

      【フレイムランス】

         【フレイムランス】


燃え盛る炎の槍が四本、狙うは真下にいるゴブリン!


四本の炎の槍が棒立ちになっているゴブリンに降り注ぐ!


炎の槍がゴブリンの腹に、肩に胸に突き刺さり燃え広がる。


『グギャァァァァァァァ!』


燃え尽き崩れ落ちるゴブリン。


『決まったー! なんという大・逆・転・劇! 誰が想像したでしょうかこの結果を、逆転につぐ逆転劇にコロシアムは興奮の渦にまきこまれています!!』


勝った……のか……俺は……


「やったのじゃ、勝ったのじゃー、シュンわらわは信じておったぞー」


そういってコロシアムの中に飛び降りてくるマリア。


勝ったんだな……勝った!


《勝ったああああああ!》


泣きながら俺に飛びつくマリア、俺はというとあまりにもダメージが大きくて動く事もできなかった。


ただ勝利の余韻に浸り、意識が闇の中へと引っ張り込まれるのだった。




---マスター専用通路---


「くそっくそっ、まさかスライムごときに負けるだなんて。だけどまだ諦めるには早いケロ。あんなに騙しやすい獲物は早々いないケロ、正体を隠せば……」


「そういう訳にもいけません」


「だっ誰だケロッ」


マスター専用通路は闇討ちなどの可能性も考慮して、魔法での厳重なセキュリティーが惹かれている。そこにマスター以外の人物がいた。


「おっお前は、マーセリア様のメイドではないか、どうやってここに……」


「ケロッグ様、見事な噛ませ犬役ご苦労様でした。これでマリア様も少しは成長する事ができました」


「なっなんのことケロッ」


「あんな契約書が本当に有効だと思っていたのですか?少々マリア様を追い詰める材料が無いかと思っていたところに、丁度良いタイミングで貴方が現れたので、有効利用させてもらいました」


「んなっ、契約は世界への制約ケロッたがえることはできないケロッ」


ボンッ!何かが破裂する音が通路に響く。


「表があれば裏も有ります、あんな詐欺紛いのことをすれば殺されても文句は言えませんよ?そんな契約は死ねば意味がありません……もう聞こえてませんね」


次の日マスター専用通路には、頭のないケロッグ商人と思わしき死体が見つかった。


専用通路はその日、魔法セキュリティーの見直しがされる事となる。




      ◆◆◆◆◆◆◆◆




「帰ったのじゃー」


《つっ疲れた~》


俺とマリアは疲労困憊っという体で、通路にだらしなく座り込む。俺はべチャーと潰れた。


「お帰りなさいませ、食事はどう致しますか?」


「きょっ今日はつかれて食欲がわかないのじゃー」


《同じくー》


「姫様それはぶべらっ」「分かりました、それでは食事は明日に回しますね」


鳥の頭をわし掴みにして黙らせる。


「……」


《ぐが~ぐぉーぴゅるるるる~》


どうやら落ち着いたら寝てしまったようですね、このままでは風邪を引いてしまいますが、まあいいでしょう。


疲れて潰れたスライムと、そのスライムを枕代わりして眠るマリア。


スライムの表情は分からないが、マリアの寝顔はとても幸せそうだった。

         




これで1章というかプロローグが終わりです



これからキャラ(主に女性)を増やしていって面白くできるようにしていきます。


感想などなどおまちしております。

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