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プロローグ
妖精。
御伽噺などの出る小さくて輝く、可愛い女の子の姿をしているファンタジー世界の生き物。背中には四枚の半透明な羽がある。そして妖精が持っている輝く粉は癒しの効果もあるという。
誰もが知っていて、誰でも説明できる要請の特性。
しかし、実際妖精にあったことがあるかと真面目に人に聞くのは子供かもしくはその子供を相手するワンワンくらいいだろう。普通の大人が妖精とか何とか言っても絶対いい目では見られない。
俺もそうだった。妖精はただの想像の中の存在。ピーターパンのサポートメカそれ以上でも以下でもないと信じていた。
が。俺は出会ってしまったのだ。本物の妖精に。
…そんな目で見ないで欲しい。俺も今だ何が何か分かってない状態なのだ。
そう、話はとある春に始まったのである。