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悪魔と楽しく過ごす夜

作者: 高野もり





 なんで私には幼馴染がいないんだろう。


「僕、幼馴染ね!」


 ありもしない過去を懐かしげにおしゃべりしてきた。



 

 なんで私に兄弟がいないんだろう。


「僕、お兄ちゃんね!」


 膝の上に乗せられてお菓子沢山食べさせてくれた。




 なんで私にお母さんがいないんだろう。


「僕、お母さんね!」


 ママと呼べ。と命令された。そして乳を飲め。と命令された。どっちも断った。




 なんで私に彼氏がいないんだろう。


「僕、彼氏ね!」


 手をずっとにぎにぎされた。これは悪くない。




 なんで私はペット持ってないんだろう。


「僕、ペットね!」


 動物の中で何が一番好き? と聞かれたから素直に豚と答えた。豚鼻にしてぶひぶひ言いまくってきたからさすがにこれには引いた。




 気付いたことがある。私には幼馴染も兄弟もお母さんもいないけど、かわいい使い魔がいる。私の心の中を勝手に見て、役にたとうと必死に頑張る使い魔。


 今日もゆっくり夕方に起きて、夜に散歩に出掛け、すれ違う人々の関係性を羨む。そして私が明け方に眠るまで、私が望んだことを叶えようと使い魔は試行錯誤をし続ける。




 別にそんなことしなくてもそこにいるだけで嬉しいのに。


「僕も楽しいからいいの」


 ……あっそ。



 そして今日も。隠しきれない私の寂しさを埋めようとわちゃわちゃしてくる。


 ありがとう。


「こちらこそ、僕のご主人様でいてくれてありがと!」


 二人でニヒヒと笑いあい、遊び、暖をとるように身を寄せ合って眠りにつく。


 ああ、やっぱり。この時が1番幸せで、心が満たされる。


 きっと今の私の気持ちも読まれてるんだろうな。ふとそう思い彼のことが気になって、眠ろうと閉じていた目を開いた。すると彼の目も開いていて。


「僕も同じ気持ち」


 ゆっくり動いた口と安心させるかのように微笑む瞳。穏やかに今日も幕が閉じた。





初の投稿なのでどんなもんか試してる部分があります。少ない文字数でしたが、読んでくれた方ありがとうございます。

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