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第四十四章 Gランクを指導するGランク

第四十四章 Gランクを指導するGランク


松井塾長たちが、Gランクの冒険者になってからちょうど一年がたった日の出来事である。というかいい加減この男は、昇級審査で上に上がれと思う今日このごろではありますが・・・


受付嬢「松井さん。本日は昇級審査があります。」


松井塾長「そうですか。」


受付嬢「昇級審査はすぐに終わりますのでぜひ参加していただきたいのですが!」


松井塾長「本日の依頼でこれをお願いします。」


まぁ、いつもこんな感じである。


そんな感じでいつもの依頼を終えて冒険者ギルドでジールと夜の食事を取ろうとしている時である。


受付嬢「あのー松井さん。」


松井塾長「はい。何でしょうか?」


受付嬢「あのー松井さんのところに弟子になりたいと申している人々が集結しているのですが、お会いしていただけますか?」


松井塾長「断っといて。」


受付嬢「・・・。」


松井塾長「何?」


受付嬢「そのー冒険者の方々は、そのー並々ならない感じでお会いしたいとおっしゃっているみたいでして・・・」


弟子志望者「松井さん。我々三〇人。命をかけて松井さんのために戦います。どうぞ。我々を弟子にしていただけないでしょうか?よろしくおねがいします。」


松井塾長「・・・何で?」


弟子志望者「松井さんは、自ら勇者として各地をまわりこの世界を平和にしてくださいました。」


松井塾長「(誰と間違っているんだ?)」お前である。


弟子志望者「そして、その功績をありながら、その討伐資金を得た松井さんは、その全額を孤児院に寄付されたと聞きます。」


弟子志望者「我々が今、こうして生きていられるのも全て松井さんのおかげでございます。我々は、松井さんの足手まといにならないように日々孤児院で修練を積んでまいりました。そして、魔法・武器の使用そして、戦いの訓練をつけてきたつもりです。どうか・・・我々の願いを聞き届けてください。」


松井塾長「すまん。何の話をしているんだ?マジでわからん。」


全員「・・・・・・。」


松井塾長「まず、自ら勇者として各地をまわりこの世界を平和にした?いつ?」


ジール「(カクカクシカジカカクカク・シカジカ!)」


松井塾長「あーそう言えばそんな事もあったな。」


全員沈黙の状態になっている。


松井塾長「それは、いいとして、その討伐資金を孤児院に寄付した?一体何の話をしているんだ?」


弟子志望者「いや、新聞でも書かれていますがこのようになっているじゃないですか?」


新聞記事:勇者松井報酬を受け取らず!


〇〇年○月○日 松井塾長が、勇者として成果を上げた。しかし、松井塾長は、その報酬に関して一切の金銭を受け取らず、ただ一言。


松井塾長「そんな金はいらん。世の中に困っている人はたくさんいる。できれば子どもたちのために、そしてこの国の将来のため、この世界の将来のために使ってあげてほしい。」とのお言葉に感動した、バル国王の提案で、各地の孤児院に対しての金銭の寄付が行われた。


尚、各地域の孤児院は慢性的な資金不足に悩んでおり、子どもたちへの食生活もままならなかったことから、この資金の影響で助かる子どもたちは多いものと考える。


新聞記者感想:松井さんは、今までいた歴史的勇者のどの勇者よりも素晴らしい人物であると言えるでしょう。まず、第一に、魔王を倒したり、魔王軍を倒したりなど成果を上げるものが多かったのは事実ですが、勇者としての行動・立ち振る舞いまでに優れているだけではなく、魔王の軍を倒すということだけにとどまらず、現在の社会情勢においての問題点を隈なく発見し、その状況においても的確な指示をだし、自らの資材を惜しげもなく出せる。そう多くいらっしゃる人材ではないということは、この一点を持っても十分である。


また、第二に、子どもたちや次世代の将来世代のことまで考えての行動。言うは易く行うは難しであるが、最も、戦争及び貧困において犠牲となるのは、子どもたちである。しかし、力のあるものは得てして、その力があるがゆえにそういったことにまで想いが至らないことである。


第三に、これは、我々新聞記者が独自に得た情報ではあるが、松井氏は、自らの名前で寄附することを拒んだという。それを、エドガー国王とバル国王の一存で、松井氏の名前で寄附するということになったとのことである。恐らく、松井氏が、自分の功績を知られたくない・もしくは、そういった功績を語りたくないという謙虚なお方であることが原因かと考えられるものである。


まさに稀代の勇者であるということは、ここの読者の皆さんにお伝えしたいところであります。


ジール「(逆の意味で捏造されている。)」


松井塾長「(まいどまいど、一体どっからが本当なんだよ。というか、どこに真実があるのかがわからない。が、とりあえず、今思い出したぜーーー。そういやそんな事もあったわ。)」


松井塾長「(だが、こいつら全員にめんどくさいから帰れっていうのも違うんだよな・・・。)」


松井塾長「わかった。受けよう。俺の弟子ということで登録していていいよ。」


というわけで、30人ほどの弟子たちができた松井塾長なわけである。


デニスくんは、基礎魔法を教える。デニスくんは、銃の狙撃方法を教える。松井塾長は、根本的な体術と基本的なお仕事を教えるなどの作業をどんどん続けていくわけだが・・・


あっという間に、彼らは、松井塾長よりも活躍するのだった。しかし、それは、このお話とは別の話である。


毎日が充実的に過ごしている異世界ライフであるが、そんな彼らにとんでもない危機が迫っているとは、このときはまだ誰も知らなかった。



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