4:カグヤ「経済壊れる!!!!!」
あとがきのポイントうんたら文章を毎回そこらへんの小説からコピペしてるのがバレたので初投稿です。
オークションが終わった後の路地裏にて。
亜人種の姫やら、メイドやら、女戦士団やらを買い占めた俺は、呆然とする彼女たちへと宣言する。
「よし解散だ。全員好きにしていいぞ」
『えっっっ!?』
一斉に驚く女性たち。何かおかしいことを言ったか?
「他の悪党どもと一緒にするな。俺は、お前たちを助けるために買い取ったのだ」
『っっっ!』
全員が目を見開いた。俺が言ったことが理解できない様子だ。
そんな中、角を生やした銀髪の少女・カグヤが俺に詰め寄ってきた。
「助けるために、だとっ!? 信じられるか、そんな話! 見ず知らずの私たちを救うために、何億も金を出すなど……!」
「ふむ。それならこうしようか」
俺は懐から紙の束を出した。
彼女たちの『奴隷契約書』だ。呪いによってカグヤたちと繋がっており、契約書を持った相手には逆らえないようになっているのだ。
ソレを俺は躊躇することなく、ビリビリに破いてブチ撒けた。
「これで信用してくれるか?」
「なっ、貴様……!」
絶句するカグヤと亜人種たち。
契約書の紙片が散る中、彼女たちへと言い放つ。
「俺こそは、未来の英雄アシュリー・ベルベット! 『悪』を許さぬ光の使徒だッ!
お前たちを助けたことは、それが正義だと思ってのこと。さぁ亜人種たちよ、お前たちの望む未来を目指すがいいッ!」
『ッ――!』
その瞬間、懐疑的だった女性たちの視線が変わった。
誰もが口々に、「お前たちの望む未来を目指せって……」「それって、つまり……!」「この人はそういう目的で……!」と、信頼の眼差しに変わっていく。
うんうん。みんな女の子だから、服屋さんになりたいとかケーキ屋さんになりたいとか、そういう夢があるよね。
そういうのを好きに目指していいよってことだよ。優しい英雄、アシュリーくんが応援します。
「貴様は……いや、アナタは、アシュリー殿と言ったな」
カグヤが口調を改めて話しかけてくる。どうやら俺の英雄オーラがわかったようだ。
「アナタは純正の人間、このゲオルギス帝国の者だろう。それなのに、こんなことをして本当にいいのか?」
こんなこと? あぁ、違法なのに奴隷を買っちゃったことか。
いやね~英雄だし俺ってば愛国心の塊だからね、本当なら法は破りたくなかったよ。
でも変態野郎のところにこの人たちが行くことになるのはもっと嫌だからね。ここは俺が買ってあげるほうが正義だと思ったわけですよ。
だからこう答えます。
「多少の躊躇いはあった。間違いなく祖国を裏切る行為だ。その自覚はある。――だが」
俺は言葉を切ると、カグヤの肩を掴んで言い放つ。
「俺は、自分の正義を信じている。この行動が、光ある未来を齎すのだと……ッ!」
「っ……!」
瞠目するカグヤと、背後に立つ亜人種たち。
彼女たちは姿勢を改めると、一斉に、
『アシュリー殿。アナタに付いていかせてください……!』
決意に満ちた表情で、俺へとそう言い放つのだった。
あ、みんな家とかないもんね。
オッケー、サイフパワーで用意しちゃうぜ。
◆ ◇ ◆
「俺は、自分の正義を信じている。この行動が、光ある未来を齎すのだと……ッ!」
「っ……!」
その瞬間、カグヤは強く確信した。
――ああ。この人は本気で、自分の国を潰すつもりなのだと……!
そうとしか考えられない。
なにせカグヤを含めた亜人種たちは、このゲオルギス帝国に故郷を焼かれ、奴隷に堕とされた身だ。
誰もがこの邪悪な国を破壊したいと思っていた。
そんな自分たちを救い出し、『お前たちの望む未来を目指すがいい』と言い放つなど……!
(間違いない。アシュリー殿は、己が祖国を破壊するつもりだ。それこそが、多くの者にとっての幸せになると信じて……)
仮面を外した今の彼は、凛々しいだけのただの少年だ。
十代も半ばのそんな彼が、なんて重い判断をしたのか……。
その決意を感じ取ったカグヤと亜人種たちは、完全に彼に敬服していた。
どうかアナタの反逆の道にお供させてほしいと、頭を下げる。
――それに対しアシュリーは、凛とした表情で頷いた。
「いいだろう。今日中に屋敷を借りることにする。当面はそこを拠点としようか」
「屋敷を借りるって……っ!?」
事も無げに何を言うのかと、カグヤたちは困惑した。
そういえば、彼の資金力はどうなっているのか。
アシュリーにどのような経緯があり、反逆のためにどれほど準備をしてきたか知らないが、彼の資金力は異常だ。
あのオークションに出されていた奴隷を全員買い占めた時点で、あまりにもおかしすぎるとは思っていた。
「あの、アシュリー殿」
それゆえに、カグヤは率直に問うことにした。
「アシュリー殿は、一体どれほどの金を持っているんだ……?」
そう問いかけた彼女に、少年は黒革のサイフを取り出した。
彼はそれをひっくり返すと、
「あぁ、このアイテムのおかげでな。金を無限に出せるんだよ」
言葉と共に、大量の金貨が溢れ出した――!
その光景と、『無限に金を出せる』というサイフを見て、カグヤたちは戦慄する。
(む、無限に金を出せるって、その金を使い続けたら、この帝国は経済崩壊するんじゃ……ッ!?)
経済学を学んだ者なら誰でもわかることだ。
金とは、有限だからこそ価値があるのだ。それなのにニセ札の乱造じみた事が起こったら、間違いなく国は終わる。
そんな行為を平然とするアシュリーを前に――カグヤたちは、ニィッと笑った……!
(素晴らしいッ! 量産した金で私たち反逆者を集め、同時に帝国のほうは弱らせていく! なんて苛烈なる策なんだッ!)
大国であるゲオルギス帝国を潰すには、何十年もかかるかもしれないと思っていた。
だがカグヤたちは考えを改める。アシュリーの策を使えば、数年とかからずに国を潰せると!
「あぁっ、アシュリー殿! 全てを焼くような炎の正義の持ち主よ! 私たちはアナタに出会えてよかった!」
「フッ、そうか。嬉しいことを言ってくれるな」
薄暗い闇の中、カグヤたちは彼へと忠誠を誓う。
この恐ろしくも誇らしき反逆の英雄と一緒なら、必ずこの国を破壊できると信じて……!
なお。
(みんなすごく上機嫌だなぁ。屋敷に住めるって知ったのが、そんなに嬉しいのかな?)
アシュリーはのほほんとした気分で、そんなことを考えていた。
断言しよう、彼はアホである。考えが足りないお人よし馬鹿野郎である。
カグヤたち『帝国に恨みを持つ者たち』を解放したのはただの善意であり、それで彼女たちが復讐に動くことなどまったく考えていなかった。
そして、溢れ出した金を使い続ければ経済崩壊することも、まっっっっったく一切気付いていなかった……!
(よーし。明日こそは自分の装備を買ったり、みんなの服を買い揃えたりしよっと! 英雄アシュリーの冒険は、ここからだ!)
そんなのんきなことを考えながら、彼は反逆者たちを引き連れていくのだった……!
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