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3/12

3:金で買ったヒロイン

初投稿です!



「くっ、ゲオルギス帝国のクズどもめ……!」


 オークション会場の舞台奥にて。

 二本角を生やした銀髪の美少女・カグヤは、帝国への怒りを募らせていた。

 

 ――『ゲオルギス帝国』。それは純正の人間たちだけで構成された一大国家だ。


 彼らは魔物の血が混じった人種『獣人』『翼人』『竜人』などを総じて差別し、その者たちの国へと侵略をかけてきた歴史を持つ。

 カグヤの故郷『マガテラス』も、帝国によって滅ぼされてしまったのだった。


「私は屈しないぞ……。たとえどんな目に合おうと、いつか復讐してみせる……!」


 マガテラスの姫君・カグヤは憎悪に燃え上がる。

 あられもない姿で檻に閉じ込められている彼女だが、心は決して折れていなかった。

 

 たとえこの先、どのような下衆に買い取られ、清き身を汚されることになっても。

 それでも魂だけは屈しないと、銀髪の姫君は決意を滾らせるのだった。


 そんな時だ。


「おっ、おい、目玉商品のカグヤを運び込め! 値段は……一億でいいっ! あの坊ちゃんなら買ってくれるぞッ!」


 オークション主の興奮の声が響く。

 すぐさま仮面の男たちが駆けてくるや、カグヤのことを引っ張っていく。


「くっ、離せゴミども!」


 罵声を放つ彼女だが、男たちは何も言い返さなかった。

 まるで何かに困惑していて、それどころじゃないといった様子だ。


「む……?」


 先ほどのオークション主といい、一体何があったのか。

 やがて司会者と客たちの姿が見える、舞台袖まで来ると……。

 

 

「異国の女戦士たちだと? よし、8000万ゴールドでまとめて買おう」


「おぉー--------っとッ、少年のお客様がまたまたデカい値を出したぁー---っ! さぁ、他に張り合える人はいないか!? いないかぁ!? 

 いないなら……ここで決着です!!! またしても彼に商品を奪われたぁあああー------!」



 狂乱する司会者と、絶叫を上げる客たちの姿が目に入った。

  

『またかぁぁあああああー--------!』


 地団太を踏む仮面の客たち。

 そんな中、少年と思しき一人の者だけが、凛とその場に立っていた。

 彼はいかにも高そうな黒革のサイフを取り出し、ひっくり返すと、


「さぁ、まだまだ金は山ほどあるぞ。さっさと商品を出すがいい」


 ――次の瞬間、山のような金貨がサイフからジャラジャラと溢れ出した。

 その圧倒的な光景に、客たちが悲鳴のような声を上げる。


「クソッ、アイツまだアレだけの金貨を!?」

「あのサイフ、容量を無視して仕舞えるアイテム『マジックボックス』の類か……! あれだけの質量を収めれるなんて、国宝級の代物じゃないか……!?」

「なんだあの少年はっ、どこの大臣の息子なんだ!?」


 下劣なる客たちが――その正体は名だたる貴族である彼らが、たった一人の少年に気圧されていた。

 まさに彼の独擅場だ。あれだけの金貨をブチ撒けておきながら、まるで平然としている彼を前に、誰もが唖然とする。

 一体あの少年は何なのだと、カグヤもまた瞠目した。


「司会者よ。次を出せと言ったはずだが?」


「ハッ、ハィイイッ! えっーでは次の商品は、極東の『鬼族』の姫君、カグヤ・マガテラスになります! お値段は一億ゴールドからでぇ……!」


 完全に腰が引けた様子の司会者。彼に対して、仮面の少年は言い放つ。



「三億出そう。彼女の命は、俺のモノだ」









ヒ ロ イ ン を 金 で 買 う 主 人 公 。



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― 新着の感想 ―
[一言] ゲスだああああああああッ!
[一言] 底辺領主みたいになりそうだw
[一言] 下種な展開だけにならなければ良いなと思う。
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