chapter 13 共闘宣言
見た目は人間とあまり変わらないが、魔人の特徴である血色の悪さと人間には無い瞳の形は見る人が見ると違いは明らかだった。
「魔人か!?」
シャーリーは剣を引き抜こうとするも荒くれ者の斧に防がれてしまう。
「そう熱くなるなって。言っただろ、下僕だってな」
「族長!!」
「シャーリー殿よ、慌てるでない。この者達が嘘を言っているなら、もう既に攻勢に出ている。魔人とそれを引き連れているならば、ここを落とすことなど容易いであろう」
「さすがだ。蛮族を束ねるだけはあるな。
……だが、その蛮族もオレの目には余程の強さを感じるがね」
「我らとてこの国次第では滅ぼされかねるのでな、強くなければならないということよ」
「なら、共闘出来るってわけだ。握手はキライかい?」
スルトは共に国を相手取ることを確信し手を差し伸べた。
「我らラファーにはそのような仕来りは無いが、共にする証として歩みよろう」
「ありがとうよ。さぁ、シャーリーも」
「私は……」
「ムリにとは言わねぇよ。蛮族の力を借りることが目的だったからな」
「私達は強くない。訓練を受けた兵士も中にはいるが、大多数が己の意志で立ち上がった者達なのだ。それでも力になれるのか……」
「だったら訓練させればイイじゃねぇか。オレやラファーの者達が教えてやるさ。全線に出るのは力のあるもの、それ以外は後方支援を教えてやればイイ。
何も難しいことじゃない、すぐに戦いに出るって話でもないしな」
「……そうか。ならば、後は私が皆を納得させれば良いのだな?」
「そういうこった。難しく考えることはないさ」
「分かった、こちらからもお願い致そう」
シャーリーは手を出しスルトと握手を交わした。そこでスルトはニヤリと笑みを浮かべて手を話そうとはしなかった。
「どうした?」
「これでオレらも仲間ってことだろ? ともなれば、ここが寝床ってことでイイよな?」
「あ、ああ、構わないが」
「ほらな、言っただろ? 野宿するより森に入った方がイイってよ」
手を離さないままリリアに振り向くと、リリアは苦笑いを浮かべた。
「成り行きというか、たまたまそうなっただけじゃない」
「そうか?」
「ラファーが一方的に攻撃してきたら無理だったじゃない」
「そうなったらねじ伏せるだけだろ。どのみち協力してもらうつもりだったんだからな」
「呆れた。何でも力で解決しようとしたり行き当たりばったり」
「初めから話で解決するつもりだっての。ただ話が通じなかったらってことだけさ」
「それよりも鳴子に引っ掛からなかったらどうしたのよ」
「まあ、場所も分からねぇからな、野宿だったろうな」
「ほらみなさい」
「オレは可能性に賭けただけさ。絶対に野宿よりはイイだろ?」
「全く……。シャーリーさん、こんなやつですけどよろしくお願いしますね。それと早く着替えたいのですが、濡れてしまったので」
「あ、ああ、そうね。それだったら部屋が出来るまでは私のところへいらして下さい。案内します」
「ありがとうございます」
そうしてスルト達はシャーリーの寝床へと案内され、そこで与えられた部屋で休むことになった。




