街角探偵物語
日が傾き始め、緩やかなその光はゆっくりと町を侵食していく。
俺は一通りの仕事を終えて事務所に戻った。一階建てのそれは日当たりが悪くて湿っぽい上にかび臭い。
コンクリ剥き出しの壁は圧迫感があり、少々薄気味悪く感じる。
扉も窓も建て付けが悪すぎるし、隙間風はびゅうびゅうなってる。更には雨漏りまで確認済みときた。
だが憤りはしない。事務所など所詮飾りでしかないのだから。何事も格好よく生きたいからな。
よく響く廊下を音をたてずに静かに歩き、突き当たりの扉に手をやる。
ドアノブに手をかけると、きちんと鍵が掛かっていることが判る。
俺は薄っぺらい金属板一枚の扉を三回、二回に分けて叩く。
「山」
向こう側から低い声が返ってきた。
「川、だ」
俺は答える。古く錆び付いた鍵が、音を立てて開く。
周りだけ伺い、俺は事務所の中へ入った。
狭い部屋だ。扉から左のみに窓が一つだけあり、それを挟む壁に本棚が並ぶ。
あとは俺のデスクと椅子、仕事用具が入った箱に、漫画のキャラクターのポスターが貼ってあるのみだ。
このポスターはさっき俺を迎えた助手であり、相方の趣味だ。
長身で厳ついアレックスは、見た目に似合わぬ可愛い趣向をしていて、なんと少女漫画の大ファンなのだ。で、これは毎月買っている雑誌の付録らしい。
どうしてもというので俺は折れたっていうわけさ。
「アレックス、今日も仕事はばっちりさ」
おっと、俺の仕事を話してなかったな。俺は探偵をやっている。とはいえそんな簡単に重大な事件が起こる訳がなく、人の素行調査や紛失物の捜索なんかがメインだ。
「聞いてくれよ、今日は久々に面白い仕事だったぜ?」
こうしてアレックスがここで待っていてくれたときは、必ず俺は"今日の出来事"を話して聞かせるようにしている。
たまにアレックスを連れ調査に向かうこともあるが、基本的に彼は俺の不在時の留守番役だ。
彼はまだ現役の学生で時間が限られるってのもあるけどな。
俺?俺か?これでもエレメンタリースクールに通っていた時は既にハイスクールのテストすら受けられるぐらいで…って話が逸れたな。この話はよそう。
こんな飽きるような仕事に文句も言わずにこなし続ける彼の忍耐強さには脱帽だ。
「聞かせろ。確か今日のは行方不明の弟捜しと」
「浮気調査になくした本の捜索、あとペット捜しもあったが、こっちはたいしたことなかったな」
俺はデスクチェアにどっかり座り、冷えたペットボトルのコーラをぐっと飲む。
そうしておもむろに口を開いた。
せっかくの物語だ、名前を付けてやろうじゃないか。
そうだな。
―ドルに足りない物語、なんて洒落てるだろう?
俺はまず浮気調査の依頼を受けることにした。
大きな家だった。きっと医者や弁護士の家なのだろうと俺は一人考えた。
色白で垂れ目、そばかすだらけの顔を赤くした少年は大層興奮気味な様子で俺にまくし立てる。
「だからアリィは酷いんですよ!!なんで僕が、僕が居るのにそんな風にひょいひょい別の男についていくなんて出来るんだ!!」
始めはよくわからなかったが、何度か聞き直して理解した。
どうやら数ヶ月前から付き合っていた彼女の様子が最近変だという。
ろくにデートも行かず、こそこそ何処かへ向かっているという。
それも多分、別の男の元へ。
一度彼は彼女がその男と何やら親密に話しているところを目撃したことがあるそうだ。
男の特徴は、黒い髪に黒い肌、鼻筋は通っているがかなり痩せぎすで小柄らしい。
彼女の情報はきちんと写真も手渡してくれた。
綺麗なプラチナブロンドに、ガラス球のような大きな青い瞳。なかなか綺麗な子だ。
俺はそれだけの情報を手に、きっちりと契約を受けた。
そして小走りに次の依頼主を尋ねる。
弟が行方不明だというその女性は、短い黒髪を揺らして酷く心配そうな面持ちで俺の質問に答える。
きっと心配で心配で仕方がないのだろう。
「その日、何か不自然なことはありましたか?」
「……そうね、一度だけ帰ってきたのよ。けれどすぐにどこかへ飛び出して……それきり戻ってこないのよ。
もう三日になるわ。学校には顔を出していたみたいだけれど……」
「それは先生に聞いたのですか?」
「ええ、そうよ」
「……わかりました」
そうして俺は席を立つ。
少年の特徴は、黒髪に黒い肌、そして小柄。
余りにも似通っていることから、この少年が浮気相手である可能性が浮上した。
女の見送りを受けながら、俺はそのまま次の依頼主の元を尋ねた。
次の依頼主は、最初の少年より更に幼い子供だった。
頬を膨らませて、仏頂面だ。話を聞けば本をなくしたらしい。
「そりゃ去年オウムのベルは死んじゃったけどさぁ、でも僕鳥好きなんだよ。それなのに酷いよね」
彼も感情の赴くままに喋るタイプだ……というか、この年の子なんてそんなもんだ。
長く続く愚痴を合間を縫って、俺はしっかり質問をしていく。
これ以上機嫌を損ねぬよう気を遣いながら。いつ癇癪を起こしたって判らないからな。
どうやら鳥の図鑑を紛失したそうだ。ひょっとしたら盗まれたのかもしれない、と言っていた。
そうしてもう一件、気の良さそうな兄さんから話を聞いて、全契約は終了だ。
さて。まずは一番気になる行方不明の弟探しから始めることにしようか。
ただし、かなり情報は少ない。仕方ないので彼の通うスクールの人間から話を聞くことにしよう。
俺は校門に張り付き、終業のベルが鳴るのをを待つ。
ぞろぞろと出てくる子供達に、話を伺っていく。人の波が収まったところで、学校内の居残りをするクラスメイト達にも話を聞いてみた。
だが、結果はゼロに等しい。とりあえず元気に学校へは来ていること、そんなに家に戻っていないなんて知らなかったこと、それくらいだ。
まさかこんなところで頓挫するとは思わなかった。
この年頃の子供なんて、家では話していなくても、学校というコミュニティでなら、なんてこともたくさんあると思ったのだが。
あてが外れた。何てことだ。
仕方なく俺は町での聞き込みを開始した。しかし学校で得られなかった情報がこんなところで得られるはずもなく。
やはり捜査に進展は見られなかった。
同時に浮気調査の方も開始することにした。幸いこっちの少女は弟君よりも年が高く、多く授業を取っているのでもう少し後でも構わないはず。
俺はすぐ隣の学校へと向かい、聞き込み調査を開始した。
「ああ、アリィ?優しいからね、また何か足突っ込んでんじゃない?罪よねぇ〜」
「なんか動物を拾ったって嬉しそうに話してたわよ。本当に嬉しそうにね」
「あ、それ。でも確かあの子寮暮らしで飼えないんでしょう?それでどこか別の場所で飼ってるとか…。」
「別の場所、それって一体…」
俺は口を挟む。
「あ、でもそういえば逢引してるのよ!年下と!」
「そういえば皆見たって言ってるわよね。どうしたのかしら。あの子確か彼氏いたわよね」
「彼氏じゃなくて?」
「だって彼ってあのヘレンでしょう?違う違う。もっと小さくて、色の黒い子らしいわよ」
「あぁ、グリーンフォール公園でよく見るのよ、確か」
「グリーンフォール……そうか、助かりました、ありがとう」
俺は正直女同士の会話の雰囲気についていけず、そそくさとその場を立ち去った。
そしてこれはかなりの手柄だ。グリーンフォール公園。
今日はそこで張り込むことにしよう。
夕方に差し掛かろうとしている公園は、少し閑散としている。
人の数はまばらだ。俺はゆっくりと公園を歩き、男女が共に会う約束を取り付けそうな場所を探した。
緑の多い茂る遊歩道を突き進むと、奥に丸い噴水があった。その横にはベンチが置いてあり、ここなら雰囲気もあるし、らしいかもしれない。
俺はそこから目を離さないよう、また歩く。目指すは中央に聳える見晴らしの塔だ。
あそこから双眼鏡を使えば公園全体を見渡せるはず。
階段を登り、俺は双眼鏡を取り出した。ぐるりと公園内を覗いてみる。
男女カップルらしき人間は確かにいるのだが、ターゲットの特徴とは似ても似つかない。
何度も何度も覗き続けていると、そのうちにあの噴水で女らしき人間を捉えた。
綺麗なプラチナブロンドを持つ白い女性。確か名前はアリィ。俺は思わず写真と見比べた。
間違いない。俺はすぐさま双眼鏡をポケットに入れると、俺は彼女の後を付けることにした。
アリィは少し回りを警戒するようにしながら遊歩道を歩いていく。俺の予感は外れた。てっきり噴水で待ち合わせをしているものだと思っていたからだ。
そして公園の広場を越えた、誰も気がつかないような鬱蒼と草木の多い茂る一帯に彼女は入っていく。緑の中に、隠されるように白い物置が見えた。
アリィはまた回りを伺って、そのまま物置の中へと消えていった。
俺はすぐに物置の裏側に回り、聞き耳を立てる。
「…来てくれたんだ」
「はい、今日のご飯に着替えよ」
「ありがとうアリィ」
「クッキーの様子は?」
「……うん、あんまり良くないかな。あともう少しなんだけど……」
「……今度はちゃんとした鳥の本、探してこようか?」
鳥の本。俺はここで気がついた。あの鳥の図鑑を持っていったのは彼らだったのだ。
「あると助かる…。でもそれより、あとお金が……」
「ああ、病院行って来たの?」
「そう。でも薬が結構高くてさ。小遣いじゃ足りないんだよ……。あと少し……だけど……」
「……そう」
「まさかこんなの売る訳にも行かないし」
「ええ。勝手に借りたんだもの。返さなくちゃ」
「……どうせ野鳥なんだから、自然に帰してやりなさいって医者は言うけどさ。こいつをこのままにしておけばどうなるか判るのに……」
「…私、ヘレンに聞いてみるわ。確かヘレンの親、獣医さんだったはずだから」
「うん、頼むよ。このままじゃ心配で学校も行けなくなりそうだよ」
「もう鳴く力もないのね……」
「そうなんだ」
「私、ちょっと行って来る!」
俺はそのまま浮気調査の依頼主の元へと大至急走った。
そしてまた庭に張り込み、聞き耳を立てた。
「ヘレン!どうしたらいいの?お願い!このままじゃあの鳥さん死んじゃうわ!!」
「あ、ああ、それなら大丈夫!その、えっと、あ、アルコールには消毒の効果があるだろう?だから飲ませてやればいいんだ」
「本当?……判ったわ。パパのお酒貰ってくる」
足音が響く。非常に慌てている様子だ。
「あ、ちょ、アリィ!!!」
扉が開き、閉まる音がして、アリィは凄い勢いで飛び出していったようだ。
暫く音が消えていたが、ヘレンが父親を呼ぶ声がした。
「パパ、パパ!」
「どうした、ヘレン」
その声音は少し疲れていて、今日も仕事をしていた様子だ。
「頼むよ!アリィがまた鳥を連れてきても絶対に診療しちゃダメだからね!!」
「……しかしなぁ、私もああも苦しんでいる動物を診ないなんて……」
「お願いパパ!アリィが全部悪いんだよ、頼む!!」
そこまでを聞き、俺はそこから離れて歩き出した。
この問題の全ての元凶は、このヘレン少年にあったのだ。
俺が推測するに、ヘレン少年はアリィが浮気、というより野鳥に構っていることを知っていたのだろう。
それだけでなく、その野鳥を育てるのにもう一人少年がいることも、既に判っていた。
そうしてその二人を繋ぐ野鳥を"無くさせる"ことを思いついた。都合のいいことに家は立派な獣医なのだ。
しかも病院と家は別なので、ヘレンがアリィと親を合わせたことが無ければ、きっとヘレンとの関係性は気付かれないだろう。
獣医という立場を利用して動物の命を握ったが、なかなか二人は諦めなかった。
だから俺に依頼をし、二人をまた別の角度から引き離そうとしたのだろう。
全く、なんと小心者で狡猾な少年だろう。
俺はこの捻じ曲がった恋心を解き解してやろうと決心した。それが俺の仕事だからだ。
それに、このままだと野鳥の命が危ない。鳥はアルコール耐性がほぼ皆無なのだ。
俺は全速力で走り出した。
アリィは酒を取りに家に戻るだろう。
俺はアリィを追って…いや、彼女より先に走った。彼女の家は把握済みだ。
近道のルートも把握している。
彼女よりも俺のスピードの方が断然速いのだ。
だが、それでも時間が足りない。俺は道端に置いてあった消火器の安全装置を抜き、レバーを引くと、その場に投げ捨てた。
心の中でそっと謝りながら、白い粉を噴出し続ける消火器を後ろに見て、また真っ直ぐ走る。
後ろから悲鳴のような声が聞こえてきたが、俺は全く意に関せず走った。
小洒落た家を見つけた。ここがアリィの家だ。俺は窓から覗き、家に誰もいないことを確認すると、台所の出窓から忍び込む。
そして家に置いてある酒瓶の、既に封の開いているものだけを取り出してほんの少しだけ中が残るようにぶちまける。少し匂いが必要だと思ったからだ。
白ワインや色付ガラスの瓶ならば、そのまま水を入れる。
透明なガラスのウィスキーなどは半分ほど水を入れ、その上からまた調味料を入れて色をつけ、蓋を閉めておしまいだ。
中身がたくさんあるものは申し訳ないが一旦俺が頂いていく。そのときだ。
「ただいまー!!」
声が聞こえてきた。俺は慌てて窓から飛び出す。余り時間が無かったため、窓を開け放してしまったが仕方ない。
軒下に酒瓶を隠すと、俺はその場から逃走を試みた。
「あれ?窓なんで開いてるんだろ…」
これでとりあえずあの鳥は一命を取り留めたはずだ。
さて、俺の本格的な仕事はここからだ。
もう一度俺はヘレンの家へ戻った。呼び鈴を鳴らし、暫く待つ。
するとヘレンがやってきて俺を家へと招きいれた。
「やぁ、どうでした、アリィの様子は」
「……あれは浮気をしていますね」
「やっぱり!」
「しかし、黒い小柄の少年ではありませんでしたよ」
「え、ええ!?どういうことです!?」
「鳥に浮気をしているんです」
ヘレンは開いた口が塞がらない、といった様子だった。
愕然とした表情を浮かべて、何を考えているのだ、と目で訴えかけていた。
「…ヘレンさん。判っているでしょう。このままではいつまで経っても彼女は戻りません。
何故か。極普通の感覚です。死にそうな小鳥を放っておくわけにはいかない。そんな優しさから来る、極普通の。
貴方も一緒に小鳥を助けてあげなければ、彼女はずっとあそこで逢引、という名の看病を続けるでしょう。」
「でもアリィは僕なんかよりずっとあの鳥のほうが大事なんだ……」
「鳥に嫉妬してどうするんですか。もっと堂々としなさい。貴方が彼氏なんでしょう」
「……うぅ…」
「きっかけを与えます。そこからは貴方の自由です。さぁ、頑張ってください」
そう言って俺は、ドル紙幣を一枚、手渡した。
次に俺は、またあの隠れ家へと向かった。
そして今度は扉をノックした。すると声が返ってきた。
「な、なんのようだ!?」
「いえ、少し仕事が入りましてね。中に入れてもらいたいのですが。」
「仕事?」
「ええ、本を探して欲しいとの仕事です。」
「ほ、本!?」
「まさか」
それを聞いて覚悟を決めたのか、アリィ少女が扉を開き、俺を入れた。
中は暗いが、懐中電灯で明かりを作り、そこで生活しているようだった。
元々用具倉庫だったらしく、白い粉や錆びた草刈り機などが長らく放置されたまま、のようだ。
外から見たよりも中は広いようだ。少年は下に布を引き、胡坐をかいて座っていた。
その横に、小さなダンボール箱に入った小鳥がいる。
それを覗き込むようにして、アリィが酒瓶を片手に不安げな表情を浮かべていた。
「……あの、これ、かな?」
おずおずと、少年が図鑑にしては薄っぺらい本を差し出した。
なるほど子供向けの、簡素な図鑑らしい。俺は受け取った。
「ああはい、これです。ありがとう。協力に感謝します。
よかったらこれを受け取ってください」
俺は懐からまた1ドル紙幣を取り出し、差し出したままの少年の手にぐっと押し付ける。
少年はまた驚きで目を見開いていた。
「そんな、ま、まさか……」
「よ、よかった、これで薬買ってあげられるわよ、きっと!」
「それじゃ、失礼しました」
俺は静かにその場を後にした。
その後、なんと俺の元に2ドルが戻ってきた。
アリィ少女が謝礼の手紙を持って来てくれた。
手紙によると、反省したヘレン少年が薬代を全額自費で持ってくれたお陰で、アリィも少年も負担がゼロで済んだらしい。
そう、渡した2ドルは薬の費用に当たればいいと思ったのだが、俺の杞憂だったようだ。
その翌日…つまり今日だな。今日に見つかった本を返し、ペット探しを行い、俺の今回の任務は完了したってわけだ。
「ほう、芋づる式だったわけか。すごいな」
長らく無言で聞いていたアレックスがやっと口を開いた。
元々余り喋らない奴だからな、これが当たり前だ。お陰で大柄な体に余計威圧感を背負っている。
全く、これで小学生だっていうんだから、詐欺だよな。
ま、俺も人のことは言えないんだけど。言っとくけど俺は背は高くない。
むしろ背の順はいつだって一番前だった。だったってのはあんまり学校が面白くないからやめちまったんだ。
こうやって自由気儘に探偵業もどきをしている方が気楽でいいさ。楽しいし。
「ああ、お陰で楽は楽だったよ。気は使ったけどな」
「で、報酬はいくらだったんだ?」
「報酬?そんなのコーラとキャンディで十分さ。」
「ふぅ、全く安い男だぜ。じゃぁ俺、明日のエレメンタリースクールの準備があるから帰るぞ」
「判った。俺も少し記録残したら帰るよ。ママの美味しいハンバーグが待ってるからな」
アレックスはあの長身に似合わない黄色い鞄を肩から提げて部屋から出て行った。
全く子供は辛い。大人の都合や時間に合わせて生活するしかないんだからな。
でもしょうがないよな。子供なんだから。
ノートブックを取り出して、今日と昨日の話を簡単にまとめると、またノートをデスクの引き出しに戻した。
そして俺もまた黒い鞄を背負うと、扉を閉めた。
この事務所が大人の誰にも見つからないことを祈って。
俺の探偵事務所は、子供による、子供のための探偵事務所なのだから。