徹夜新宿物語
宝石りゅうせいぐん!の原作です...
「カバーがおっせえよ雑魚!!」
「ゲームやめろや、センスねえよカス!!!!」
様々な罵詈雑言が飛び交う中、俺は吐いた。
「ヴぉええええ!!!」
「おい〇〇〇!!話聞けや...!!」
「〇〇〇くん大丈夫ですか...?」
「ううう.....」
俺の名前は中の人K、現在不登校の中学生だ。
周りがロボットに見えたり、登校中に髪が崩れるのを嫌って、学校に行くのはやめたんだ。
悲しいかって?
別にそんなことはない。本来授業のある時間にゲームをやり、飯を貪り、フレンドに暴言を吐かれる日々。最高じゃないか...!!自分が生きてきた15年間の人生の中で最も刺激的な日々を過ごしていると実感できる。一つ不満があるとすれば、親や友達との人間関係が悪化したことくらいだが....
㌰
チャット
【@中の人K宛 おーいKゲームしようぜ!!】
【@中の人k宛 Kさん!今度オフ会しましょう!】
「きたきた、みんな早起きだな!」
そう、俺には友達がいる。世間一般には、学校や職場、実際に会って知り合った人たちのことを”リア友”と呼ぶらしいが、俺の中で本当のリアルなフレンドはこいつらだ。人間関係で困るくらいなら、こいつらといたほうがいい。
「さて、ゲームすっか!」
俺はデスクトップにある”ゲーム”を2回クリックする。
ズーン...
低い重低音とともに、メニュー画面へ突入する。
「なんでこうなちゃったんだろうな...」
無意識に呟いた言葉が何となく胸に刺さる。
親の顔より見たその画面に少し嗚咽をもらしながら、いつもの”場所”に行く。
ピロン
「おせーぞK!、先に始めちゃったわ!」
「おれ、この後高校あるんだけど...もう寝ていいですか?」
「それでいいんですか???大船さん?????」
「それは甘えだべwwww」
いつもの光景が繰り広げられている。
これが俺の”場所”だ。
「わりーBOT打ちしながらまってるわ」
「それは甘えだべwwww」
と、若干なまってるニンジンが煽ってくる。
「まって、ほんとねむい..」
と、身バレしてる大船は限界を迎えている。
「学校なんか行くもんじゃねえんだよ!!!なぁぜにがめ!!??」
よくわからないことを言うデブ。
「うるせえよカス....」
「あーーうるせえええ!!BOT打ち集中できねえわ!!」
「ヘッショ一発〇ね!!!!」
「補強100枚足りねえわ!!!」
こんな現実よりも騒がしい日常が細い銅線を伝って、俺の耳へと流れ込んでくる。
とても素敵な日常だった。
そう、あの時までは....
「さぁ”下げラン”を始めようか...!」