出会った日
こんにちは。朝霧千景です。初めましての人は初めまして。前作を読んでくださった方は今回もありがとうございます。今回は連載させていただきます。最後まで付き合ってくださると嬉しいです。よろしくお願いします
「君はなんで生きてるの?」
僕は、彼女の質問に軽薄な答えをしてしまっていたのかもしれない。
僕は、今まで、普通の暮らしをしていた。
家族と楽しく過ごし、いじめもなく、たまに喧嘩はあるけどそれは青春のひとつで、勉強はそこそこしたし、部活もしていた。
そんな中、僕の両親は交通事故で亡くなった。
それは、あまりにも突然で、悲しみに暮れる時間なんてなかった。あまりにも一瞬で、何があったのか、心の整理ができなかった。
泣きたかった。でも、男の僕は泣くわけにはいかない。周りから大丈夫?辛いね。って何度も声を掛けられた。でも僕は笑顔を取り繕って
「大丈夫!心配しないで!」
そんな嘘の言葉を並べていた。
両親以外身内のいない僕であったし、
まだ15歳という身だった。だから孤児院に預けられた。
環境がガラリと変わる。
施設に入ると、寂しい目。人を信じなくなってしまった目。全身包帯の子供や、無理に笑っている女の子。僕も、あんな風に笑っていたのかな。
施設の説明を受けた。
だけど僕は殆ど聞かなかった。
説明を終えた後、知らない大人に会釈をし、部屋を出た。
その時、
彼女に出会ったんだ
綺麗な長くて黒い髪の毛。白い透きとおった肌。
ほのかに、ピンクの頬。
周りの人とは違う。
名前も知らない彼女に一目惚れをした。
ナンパとかじゃないけど、僕は彼女に話しかけたんだ。
「ねぇ、君。」
彼女はふわりとこちらを向く。首を傾げて、言葉を発さない。
「名前……教えて貰ってもいい?」
彼女は、冷たく僕を見る。
小さな声で、でも凛としてて芯の通った声で答えた
「泉 凛花」
彼女は名前だけ答えて、背を向ける。
後ろから僕は叫ぶ。
「僕は、原井 修也!」
一瞬彼女はこちらを向き口を開いた。
だが、首を振り歩き出した。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。アドバイス等あればお教えください。
次回も見てくださると嬉しい限りです。
ではまた。