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行き違う思い

切るタイミングがうまくいかず、今回は短いです・・。

「せっかくの週末なのにお前の顔見てたら今日のゲロ吐きそうな練習思い出した。お前こそデート?

早く行けよ」


「ひど!私は友達とおしゃれにディナーですから。」


「俺こそ友達と久しぶりの再会なんだよ。じゃあな」


「はいはい、お邪魔しました。ライラさん、それじゃあ。」


ライラはルークにしかめっ面をして見せると、すぐにライラに笑顔を向けて立ち去った。

長い赤髪を揺らす彼女は、後ろ姿さえも美しい。



さっきまでの幸せが嘘のように気持ちが沈み込んでいく。

「友達」だとルークは言った。

ライラもポーラに自己紹介するときにそのように言った。それしか言いようはなかったから。

しかし、ルークのそれは同じ単語でも全く別物のように思えた。

そう思い込んでしまうほど、ルークとポーラはかなり良い関係を築いているように見えた。

仲の良かったライラにもルークはあそこまで砕けた口調になったことはなかったし、ポーラに対しては破顔するような笑顔を積極的に見せていた。ライラが好きなあの笑顔を。


「ライラ?どうした?酔った?」


ルークに心配そうに話しかけられ、ライラは自分が俯いていたことに気付いた。


「ごめん、ちょっと考え事してただけ!ていうか、ジンジャーエールしか飲んでないんだから酔うわけないし」


「ははっ、そりゃそうか。」


無理やり笑顔を貼り付け、ルークに向き直る。


「ポーラさんも第二師団なんだ。女性騎士、かっこいいね!すごい美人だし。」


「あぁ、第二師団は女性の登用を積極的に進めてるからな。街では女性が巻き込まれる事件も多いし、そういったときはやっぱり俺らよりもポーラみたいな女性騎士の方が精神的に安心させてあげられるから。」


「そうだね。うん、そう思う。ポーラさんもルークと同じように訓練とかするんだよね?何か、あんなにキレイだしスラっとしてるからイメージつかなくて」


「するよ。男との体力差は考慮されてメニューは軽減されてるけど、それでも女性には相当きついと思うよ。それにスラっとしてるように見えるだろうけど、服の下の筋肉は結構すごいぞ。あいつこれからの季節はいつも嫌がるんだ。真夏は薄着になるから筋肉隠せないって」


ビールジョッキを片手にルークはククっと笑う。

ライラにはとてもじゃないが笑えない。


(服の下の筋肉なんて。どうしてそんなことルークが知っているの?騎士団にいれば普通に知りうることなの?それとも、その他の理由が何かあるの?)


明るく振舞おうと意識していたのに、どんどん顔が強張るのを止められない。


「同期も最初はもっといたんだけど、もう残ってるのは俺とポーラだけ。2人で何とか励まし合いながら頑張ってるんだ」


(私には入り込めない2人の世界が既にあるってこと?)


「あいつ、あんな見た目だから気取ってるように見られること多いけど、サバサバしてて付き合いやすい奴だよ。ライラも気にいると思う。今度は3人でまた飲みにでも行かない?」


(私に彼女を紹介してどうするつもりなの。やめてよ・・もう・・)


「やめて」


「・・え?」


ルークが目を丸くして驚いたようにこちらを見ていた。

ライラもハッとする。

やってしまった。こうならないように何とか自分を抑えていたのに。


「えと・・そういうのはいいよ。ポーラさんだって別に私と仲良くしたいとか思ってるわけじゃないと思うし。私はルークとこうして話したかっただけだから。」


もう、笑顔を作れている自信はなかった。

無理やり横に引っ張った口角が震える。


「あの、ルークごめん。何か私・・何だか少し体調が優れないみたい。先に帰る。」


「えっそうなの?大丈夫か?俺送っていくから!」


「ううん、いいの。お手洗いにも寄りたいし、一人で帰らせて。」


「いや、でも・・」


「大丈夫だから。」


ルークの申し出をぴしゃりと撥ねつけ、ライラは一度も後ろを振り返らずに店を後にした。

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