大災厄7
2人が頷くのを見ると、2つの剣はそれぞれ、金銀に輝き始め、交じり合い、太陽のような白い光になると、それはソロ達を包んだ。
陽だまりの中にいるような、優しい温かさが肌から全身に広がると、ソロはゆっくりと眩しさに伏せた目を開いた。
アルスも目を開くと、視界を覆っていた白い景色が霧のように晴れて行き、鮮明になっていく。
「ここは……」
そこは、どこかの城内――廊下だった。しかし、アルス達以外に色は無く、今にもぼんやりと溶けていってしまいそうな景色だ。
濃い色の絨毯が直線の廊下に沿って伸び、巨大なガラス窓からは白い大きな光の柱が差し込んでいる。
朝のような、穏やかで晴れ晴れとした雰囲気だ。
挨拶を交わしながら右往左往する兵士や侍女たちは、ソロ達に気が付いていないようだった。兵士の1人がソロの体を透けたように通り抜けると、
"ここは、今から17年前のアルフォリア。この地が見て来た記憶の世界です"
女性の声が聞こえると、「17年前だと?」とアルスは顔を上げた。
「じゃあ、ボクは0歳……って、ちょうど生まれたか生まれてないかくらい?」
ソロとアルスが顔を合わせると、今度はアルスの聖剣の声が答えた。
"その通りだ、そして――"
突如として穏やかであった城の雰囲気は一変した。
兵士や侍女たちの表情は、朝の穏やかな顔から「何事か」というような顔に代わり、全ての音が静寂へと一瞬にして還った。
しかし、ただ一つの音、赤子の鳴き声が城内に響き渡っていた。
「お生まれになったよ!!」
廊下の端の扉が勢いよく開き、ふくよかな体躯の女性が声を上げると、静寂は歓喜の声が断ち切った。
まるで、そよ風のように景色が動き、扉を越え、階段を上がり、そこは、瞬く間に王室に変わった。
ベッドで温容な女性が抱きかかえている赤子の顔を、立派な冠を被った強くも優しい顔立ちの男が喜ばしそうに覗いていた。
「おめでとうございます! 可愛らしい花のような女の子でございます」
王妃の世話役の女性が言うと、王は「うむ」と頷き、赤子を嬉々して腕に抱いた。
そして、男の声が先程の話に言葉を繋げた。
"そして――ソロ、そなたが生まれた日だ"




