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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
四章、十二宮の勇者の覚醒
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四話

魔法訓練所


朝目覚め、仲間に挨拶をしてから朝食を取った愛理は、再び魔法訓練所にいた、この日で勇者として覚醒するつもりである。


「双子座のジェミニ、契約するためには遊んであげれば良いみたい、うーん、何をして遊んであげよっかなぁ」


愛理はジェミニ取った契約する為の遊び道具を、鞄の中から探す、するとトランプを見つけた。


「よし、これだ!、来て!ジェミニ!」


愛理はジェミニを召喚する。


「はーい!」


「きたよー!」


双子の兄妹が現れる、男の子の方が赤毛、女の子の方が青毛をしている。


「初めまして、ジェミニ、それじゃ早速遊ぼっか」


愛理は現れたジェミニ達と視線を合わせるように屈むとトランプを見せて、遊ぼうと誘う。


「「うん!」」


ジェミニ達は嬉しそうに愛理との遊びを受けた。




愛理とジェミニ達のババ抜き勝負は白熱した、残るカードは愛理が一枚でジェミニ妹が二枚、愛理がジョーカーを引けば負けだ。


「うぅー」


ジェミニ妹はどうしても勝ちたいらしい、恐らくはジョーカーだと思われるカードを少し上にずらしている。


(ふふっ、仕方ないなぁ)


愛理はそれを見て負けてあげる事にするどう、少し上にずれているカードを引いた、するとやはりジョーカーのカードだった。


「ありゃりゃ負けちゃったぁ、強いね、二人とも」


「えへへ!そうだよ!僕達は!」


「強いの!」


愛理に勝利したジェミニ達は喜ぶ。


「ねっ?私と契約してくれる?」


愛理は嬉しそうな彼等を見て優しく微笑みながら、契約をしてくれないかと聞いてみる。


「うん!」


「良いよ!」


「楽しかったから!」


ジェミニ達は愛理の頼みを交互に声を出しながら受け入れた、契約をしてくれるようだ。


「ありがと」




「蠍座のスコーピオ、彼は女の子のキスを好む、頬にキスをしてあげましょう、・・・」


愛理が本を読み終わるとスコーピオが既にいた、物凄く期待した様子で、チラチラとこちらを見て来ていた、彼の姿は人型の姿に蠍の尻尾が生えている。


「・・・」


その期待した顔がムカついたが、契約の為だ、愛理は頬にキスをする、その後すぐに頬を引っ張ってやった。


「契約してくれるよねー」


「は、はい」


愛理はスコーピオと契約した。




「魚座のピスケス、一緒に泳いであげましょう、彼女は泳ぐのが好きなのです、ララフィアさん、泳げるところある?」


「はい、王族用のプールが」


「分かった、行こう」


愛理は一泳ぎする為、王族用のプールに向かった。




王族用プール


王族用プールに来るとラフォリア達が、泳いでいた。


「よう、愛理、契約の方はどうだ?」


「後二体だよ」


「もう少しですね、愛理ちゃん、頑張って下さい」


「うん」


ケーニ、蒼狐との会話を終えた、レベンに水着姿を見られ頬を赤く染めている愛理は、ピスケスを召喚する。


「来て!ピスケス!」


「ららら〜、ピスケス、ですわ〜」


愛理の呼び出しに応じピスケスが現れる、彼女は大きな鯨の姿をしている筈だが、空気を読んだのか、イルカサイズで現れた。


「さぁ〜、泳ぎましょ〜」


「うん」


ピスケスに泳ぎに誘われた愛理は恥ずかしさを誤魔化すかのように水の中に飛び込む、そしてピスケスとの泳ぎを楽しみ、彼女との契約を結んだ。




王族用のプールで愛理は最後の精霊、サジタリウスの本を開く、本を開く事が出来る者しか契約が出来ない黄道十二門の精霊との、最後の契約の試練だ。


「サジタリウスは弓矢の扱いに長ける、彼に的の中心を一度で射抜く様を見せよ、さすれば契約は成される、か・・・」


弓矢との記述を見た愛理は少し困る、弓矢は白花と練習した事がある、しかし愛理は剣の技術を高める事を優先した為、少し練習をしているとは言え、素人同然だ、そんな愛理が的を一度で射ぬけるのだろうか?。


「愛理、安心して下さい、私がサポートします、私ならほぼ素人のあなたでも、私の正確な計算により、的の中心に矢を当てさせる事が可能です」


「・・・ううん、私一人でやる」


「・・・、分かりました」


愛理は服を着替えてから、ララフィアに聞いた弓矢の練習所に向かう、仲間達もついて行く。



弓矢の練習所


既にサジタリウスは現れている、狩人のような格好をした彼は静かな性格のようで何も言わず頷く、それを見た手に弓を持った愛理は矢をつがえ弓を引く。


(あの的に当たる、私なら出来る)


愛理は自分に言葉を言い聞かせながら、弦を引く、しっかりと的の中心を見据え、無心となり集中をする。


「凄く集中しています」


「はい」


(どうか、愛理に奇跡を・・・)


愛理とホワイトローズは天に祈る、素人である愛理が矢を的の中心に当てる事が出来ますように、と。


(行け!)


愛理は弦を離す、すると矢は空気を斬り的に向かい・・・。


(嘘・・・)


的の端に命中した、愛理は最後の最後で、黄道十二門の精霊との契約を失敗してしまった。


「・・・」


最後の試練を失敗してしまったショックで愛理は地面に両手を着き、涙を流す、サジタリウスは黙って愛理に近付くと愛理の胸の辺りに手を当てた。


「お前の勇気、見せてもらった、慣れない弓でも恐れず、試練に向き合ったお前は認めるに値する」


サジタリウスの言葉を聞いた愛理は顔を上げる、するとサジタリウスは頷き、愛理の胸元に手を伸ばす、愛理も彼のこと胸元に手を合わせた。


「ありがとう、サジタリウス、私を認めてくれて」


「・・・」


愛理とサジタリウスは互いに魔力を送り合い、契約を結ぶ。


この瞬間、愛理は全ての精霊との契約を結んだ、これで勇者の力が目覚める筈だ。


「ッ!」


愛理が体に変化がないかと見渡していると、右手に十二宮のマークが現れ、金色の光を放つ、光は愛理を覆い、愛理を包み隠した。


『始まる、勇者の覚醒が・・・』

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