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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
三章、エルフの国と空の王国と三尾
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一話

トバッハ自警団


目を覚ました愛理は自警団の建物の内部を歩く、通路を歩いていると自警団員達が手を振ってくれる、愛理は嬉しそうに手を振り返しつつ仲間を探す。


仲間を探して愛理は一階の食堂に入る、すると蒼狐が食堂の中心にある机の上に乗り芸を披露していた、その近くには仲間達、他の自警団員達は蒼狐の芸を見て楽しそうに笑っている。


「あぁ愛理か、目が覚めたのか」


(キャー!)


夢かもと思っているが結局レベンのコトを意識しまくりな愛理は脳内で恥ずかしがった悲鳴をあげると、レベンから慌てて離れラフォリアの元に行き腕に抱き着く。


「ど、どうしたのだ?」


「乙女心って奴よ、そうかもうそんな歳か、お婆ちゃん困っちゃうわねー」


「はっ?」


「ん?」


明日奈の言ってる意味が理解出来なかったレベンは首を傾げつつ、愛理に近付く。


「どうしたのだ?愛理、私は何かしたか?」


近付くとシャー!と威嚇してくる愛理に怯まずレベンは彼女に自分が何かしたか聞く。


「な、何でもないもん、暫く放っておいて」


レベンの言葉を聞いてシャーと威嚇するのをやめた愛理は、頬を赤くしてそっぽを向き暫く放っておいて欲しいと言うとそれ以上は何も言わない、そんな愛理を見てラフォリアがニヤニヤしているが、愛理は無視する。


「そうか?」(分からん・・・)


レベンは女性の乙女心脳内で難解さに頭を悩ませつつ、ニヤニヤと席への帰りを待っていたケーニの元に向かった。




これは愛理の仲間の男達の会話の一部始終である。


「レベンさんよぉ〜、良かったなあんな可愛い子が脈ありだぜ?羨ましいよ」


「なんの脈があるのだ?」


「・・・」






トバッハ自警団、中庭


愛理とラフォリアはまだまだ芸をやっている蒼狐と、何やら男同士の会話を始めたケーニとレベン、ホワイトローズと楽しげに話している明日奈を置いて、トバッハ自警団の中庭にやって来た。


「愛理とラフォリアじゃない!ほらこっち来なさい!」


中庭にやって来ると何故かここにいるレイリとミイが楽しげに話をしている所で、ミイは愛理とラフォリアの姿を見付けるとこっちに来なさいと呼ぶ、呼ばれた二人は他にする事もないので素直に二人の元に向かう。


「おはよミイちゃん、足大丈夫?」


「へっちゃらよー、魔法で治してもらったからねー」


愛理に足の事を心配されたミイは、ほれほれ問題ないだろう?と言った感じでぴょんぴょんジャンプする、どうやら魔弾で撃たれた足は完治しているようだ。


「よかった、それなら大丈夫だね、それで?二人ともなんの話をしてたの?」


ミイの怪我が完治していた事にホッと息を吐いた愛理は、二人がなんの話をしていたのか聞く。


「いやー、この町さぁ、苦労していたせいか知らないがねぇ、良い男が多いんだよ、だからちょっくらそう言う話に明るそうなこの子に話を聞いていたのさ」


どうやらミイは肉食女子レイリにこの町の男についての情報を聞かれていたらしい、レイリはその中に良い情報があれば、ハンティング、しに行くのだろう。


「まぁ実はあんたの所のレベンって男も狙ってるんだけ・・・」


レイリがレベンの事を口にする、それを途中まで聞いた愛理は何故か居ても立ってもいられなくなり口を開き。


「駄目だよ!」


と口にして愛理は思う、何故自分はこんな事を口走ったのかと。


「はー、驚いた、あんたがそこまで声を出して言うのならあいつは狙わないよ」


「本当ですよ、レベンさんは私達の仲間なんですから冗談でもそんな事言わないで下さい」


自分が何故あんな事を言ったのかと考え込みフリーズしている愛理に代わり、ラフォリアがレイリとの応対をする。


「でもさっきの反応・・・あんたあの人の事の事好きなの?」


愛理の反応を見て自分より歳下の少女の乙女心に気付いたミイが、愛理に質問した。


「な、なななな!何を言ってるのかな!ミイちゃん!」


ミイの言葉を聞いてフリーズから復帰した愛理は、尻尾の毛を全て逆立て慌てまくる。


「あーら、その反応そう言う事ぉ?あなたも可愛い顔して隅に置けない子ねぇ」


顔を真っ赤にした愛理の反応を見てこれはと思ったミイは、まくし立てて見る。


「すすすす、隅に置けないってなんのことかな!れ、レバンさんと私は普通の仲間だよ!」


「名前間違ってますよ愛理・・・」


「・・・」


すると愛理はミイが思った通りの反応をし、焦り過ぎてレベンの名前を間違った、それをラフォリアが間違ってると伝えると、愛理は顔を真っ赤にし、俯いた。


「それで?どうなんだい?おねーさんに話してみな?」


状況を楽しむレイリは愛理に実の所どう思ってるのか聞く。


「分かんないよ、私がこうなったのは夢かもしれない事が原因だもん、だからもうちょっと考えたいんだもん」


顔を真っ赤にした愛理は頬をプクーと膨らませつつそっぽを向き、今の自分の思いを彼女達に伝えた。


「そう・・・ならゆっくり考えなさい、焦ることはないわ、悩んで悩んで結果を出すの、そうすれば良い結果が待っているはずよ」


愛理の思いを聞き、ミイは大人の女性としての言葉を愛理に聞かせた、それを聞いた愛理は小さく頷いた。


「さて、愛理はこれでおしまい、ラフォリア、あんたはどうなんだい?」


愛理から標的をラフォリアに移したレイリは彼女は意中の者がいるのか聞いた。


「私は・・・」


レイリの話を聞いたラフォリアは少し悩む、すると何故かケーニの顔が浮かび、愛理の顔も浮かんだが、愛理に対しての自分の気持ちは友として彼女のことが大好きだ、と言う気持ちだ、なんだか友として愛理の事が大好きだ、と言う気持ちの中に別の意味の大好きだ、と言う気持ちもある気がするが考えない事にする。


「今はいませんね」


思考を止めたラフォリアは見事な鉄仮面っぷりで今はいないと二人に伝える。


「そう、面白くないわね」


「ねー」


ラフォリアの言葉を聞いて明らかに、二人の歳下の少女の色恋沙汰を聞いて楽しんでいる、女二人は残念そうな顔をする、どうやらもう少し楽しむつもりだったらしい。


「さてと、それじゃあおねーさん達がまだまだ子お子様なあなた達が聞いたこともないような話を、聞かせてあげましょう!」


「おー!良いね!なんでも話してやるから楽しみにしてな!愛理!ラフォリア!」


この後愛理とラフォリアは普段聞けない大人の女性の濃い話を、興味津々に聞き漁った。



トバッハ自警団、廊下


「あっレベンさん」


二人の悪い女と話をした事で、愛理はレベンを前にしても落ち着いて話しかける事が出来た。


「うむ、愛理か、先程は何か調子が悪かったのか?大丈夫か?」


愛理に声をかけられたレベンは愛理に調子は大丈夫かと聞いた。


「大丈夫だよ、心配させてごめんね?」


愛理は首を傾げて微笑むと大丈夫だと彼に伝える。


「そうか、なら安心だ」


愛理の言葉を聞いて安心したレベンは、ホッと安心し、肩を叩く。


「・・・、それでさレベンさん、私いつか聞いたあなたの国に行ってみたいんだ、この島からどの方向に行けば着くのか教えて?」


レベンに肩を叩かれ少し頬を染め固まりつつも愛理は言葉を捻り出した。


「む?我が国に行きたいのか?良いぞ!教えてやろう!」


愛理が自分の国に行きたいと聞いて嬉しいのだろう、レベンは嬉々として愛理にこの島から彼の国への航路を詳細に伝えるのであった。

愛理の悩みが一つ増える回でした。

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