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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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四十五話

船着場


愛理達はサビシート島回りを終え、島の船着場に戻って来ていた、四つ目の町は高級住宅街の町、五つ目は農業の町だった。


「さて、船着場に戻って来た訳だけどどうする?早速、ブラックウルフェンのアジトに乗り込む?」


トバッハの町で愛理がブラックウルフェンの構成員から得た情報は二つ、南からの航路なら小型飛空艇ならば監視の目を避けて島に侵入できる事、二つ目は情報が欲しいのならば、最深部の幹部の部屋に向かえば情報端末がある事だ。


「ええ、それがこの島に来た目的の一つでもあるしね」


「アジトに大勢で行くのは駄目だろうな、そしてうちの飛空艇は四人乗りだ、二人残らないといけねぇ、チーム編成をしようぜ」


ブラックウルフェンのアジトに侵入する事に決めた愛理達は、小型飛空艇でアジトに侵入する人員の選別に取り掛かった。




ブラックウルフェンアジト近く、無人島


ここはブラックウルフェンのアジトの近くの無人島、そこにメサイヤが大きく口を開けた洞窟の中に停まっていた。


「頑張ってくださいねー!」


蒼狐は小型飛空艇でアジトに向かう、愛理達に手を振る。


「・・・」


選抜の結果残留が決まったケーニはメサイヤの上に座り、離れて行く愛理達を拗ねた顔で見送っていた。




小型飛空艇は前方に見えるブラックウルフェンのアジトに向けて雲の中に隠れつつ接近して行く、南側の監視は薄いらしいが、念には念を入れて安全策を取ったのだ。


「後十分で到着ですね」


小型飛空艇を操縦する愛理にラフォリアが話しかけて来た。


「だね、もしかしたらこっちと一緒で小型飛空艇でパトロールしてる人達がいるかもしれないから気を付けなきゃ」


ブラックウルフェンのアジト、もしかすれば愛理達と同じく小型飛空艇でパトロールをしている者もいるかもしれない、注意が必要だ。


「と言うわけで、どうかな?ホワイトローズ」


愛理はレーダー代わりのホワイトローズに周囲の様子はどうかと聞く、愛理の言葉を聞いたホワイトローズは早速サーチを開始した。


(な、なんでこの機体にもレーダーあるのにホワイトローズを使うのかしら?ホワイトローズのサーチを使うと、私の聖力が消費されるんですけど!?)


明日奈はわざわざホワイトローズのサーチを使う愛理に脳内でツッコミを入れていた。


「敵機の機影は無しです」


「そっかぁ、よかったぁ」


サーチをした結果機影を確認出来なかったホワイトローズは愛理に敵機は無しと伝える、愛理はそれを聞いて安心する。


「どうした?」


愛理に聖力を勝手に使われ微妙な表情を見せる明日奈にレベンが話しかけるが、明日奈はナンデモナイと言ってから、操縦に集中する。



ブラックウルフェンのアジト、南


敵機に遭遇する事なく愛理達は安全にアジトの南側に到着した、この島の外見はただの山であり、山の内部にアジトを作っているようだ、愛理達が上陸した場所の西側にはドアが見える、あそこから侵入出来そうだ。


「少し待てよ、ハッ!」


レベンが小型飛空艇に迷彩効果のある魔法をかける、この魔法の効果は三時間、その為、愛理達は小型飛空艇が発見されて侵入者がいる事が気付かれない為にも、三時間の間にアジトの最深部に辿り着きこの場所に帰ってくる必要がある。


「ありがと、さっ行こっか」


敵のアジトに侵入する為、黒い服を身に纏った愛理達は、ドアに近付きドアをゆっくりと開けて内部に侵入した。




ブラックウルフェンアジト


アジトに侵入すると左右に通路が分かれていた。


「ホワイトローズ、このアジトの内部構造をサーチ、道案内をお願い」


「了解」


アジト内部で迷えば敵に見つかる可能性が増える、明日奈はそれを防ぐ為、ホワイトローズにサーチをさせて内部構造を割り出させ、最深部までの道案内をさせる。


「サーチ完了、まずは右に進んで下さい」


サーチを完了した、ホワイトローズは右に進めと言う、耳の良い愛理と明日奈を先頭にした四人は足音を立てないようにしつつ素早く移動する。


通路を進んでいるといくつかの部屋が目に入る、気になった愛理はホワイトローズに確認して敵がいない事を確認してから扉を開ける。


「・・・武器だ」


部屋の内部には大量の銃や爆弾が保管されていた、これだけの武器を集めて彼等は何と戦うつもりなのか、謎である。


「帰り、隙があれば燃やしてやりましょう、さっ行くわよ」


「はい」


武器保管庫を後にした愛理達は再び長い通路を進む、すると曲がり角に行き当たり人の声が聞こえて来た、愛理はそおっと曲がり角の先を覗く。


「もうすぐ、サビシートに攻撃を仕掛けるんだってな」


「みたいだな、楽しみだぜ」


曲がり角の先にいる男達の話によるとブラックウルフェンはサビシート島に攻撃を仕掛けるつもりのようだ。


「お婆ちゃん・・・」


「ええ・・・サビシートに戻ったら軍や同盟にこの事を伝えなきゃね」


先程のような大量の武器を持つブラックウルフェンだ、襲撃を喰らえばサビシート島はかなりの被害を受けてしまうだろう、それを防ぐ為にも軍や同盟に彼等のしようとしている事を伝え、迎撃準備をしておく必要がある。


「ブラックウルフェンのサビシート島への襲撃、確かに大変な事態だが、先ずは我々の目的を果たそう、スリープ」


曲がり角から杖だけを出したレベンは二人の男に眠りの魔法をかける、すると二人はあっという間に眠り地面に倒れる、眠った二人を愛理とラフォリアが近くの部屋に投げ入れた。


「オッケー、行くわよ」


先に進む為の障害を消した四人は再び静かに通路を進んで行く。




地下二階


階段を見つけた愛理達は地下二階に降りた、どうやらここは巨大な食堂があるようで、ブラックウルフェンの構成員達が集まり食事をしていた、食事の様子を見ていると中々豪勢な食事を取っているようだ。


「美味しそうとか思ったでしょ、お婆ちゃん、駄目だよ」


「分かってるわよぉ」


お腹を空かせた明日奈が突拍子もない行動をする前に愛理が釘を刺す、孫に釘を刺された明日奈はそっぽを向き拗ねる。


「そんな事よりもどうします?進めるルートがないです・・・」


愛理達は現在巨大な食堂の物陰からこの場所の様子を見ているのだが、どこを見ても構成員に見つからず先に進めそうなルートがない。


「見ろ、天井にパイプがある、あれを伝えば先に行けるのではないか?」


レベンが先に指差す天井にはパイプがある、確かにあれを伝えば先に進めそうだが、パイプの入り口は一番人が多い場所にあるようだ、これも駄目だろう。


「駄目ね、パイプの入り口の近くに人が沢山いて、近付けそうにないわ」


「ふぅむ・・・」


「来て、レオ」


レオならばどうにか出来るのではないかと考えた愛理はレオを召喚する。


「どうした?愛理」


「ここからあの人達にバレずに先に進む方法ってないかな?」


「ふん、簡単だ」


愛理に先に進む方法はないかと聞かれたレオはニヤリと笑うと、愛理達に手をかざす、そして光が愛理達を覆った。


「何をしたの?」


「特殊なシールドを貼り、奴等からはお前達を見ても何も見えないようにした、これで先に進める筈だ、しかし効果は三分、一日に使用可能な回数は二回、急げ」


レオが使った魔法はその名の通りシールドだ、外から見れば誰もいないようにしか見えない効果を持つ。


「分かった!見えないけど行くよ!みんな!」


三分しか効果がないと聞いた愛理達は構成員達が座る机と机の間を出来るだけ急ぎ進んで行く、多少の音は気にしない、このフロアの騒音で掻き消されているからだ。


「抜けましたぁ・・・」


食堂を抜け階段を降りた先の誰も居ない部屋に入ったラフォリアはホッと息を吐く、そうしていると見えなくなっていた、他の仲間達も現れた。


「やったねぇ、でも緊張したぁ」


なんとか食堂を抜け切り気が抜けた愛理は地面に尻を付けてはぁーと息を吐いた。


「まだ時間はあるわ、少しだけ休みましょう」


「うむ」


ここまで来るのに経過した時間は十五分、まだまだ時間がある、愛理達は五分ほど休んでから、最下層地下六階に向けて再び進み始めるのであった。

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