短編、明日奈のラスボス戦
時は150年ほど前、明日奈の三代目の孫が産まれた頃、多重世界に再び闇の者ゲルドジークが現れた、蒼と白金の勇者明日奈はワールドセイバーと協力しゲルドジークの部下を打ち破り、ゲルドジークとこれから対峙する所だ。
自身の最強の姿であるレーヴァモードに変身した明日奈の隣には、親友であり明日奈と似たような能力を使えるインフェルノモードに変身したメリアがいる、友人達が次々と亡くなって行く中、同じ神であるメリアは150年前と変わらない姿で長い時が経っても生きており、明日奈の心の支えとなっていた。
「それにしても闇って奴は本当にキリがないね、明日奈、倒しても倒しても出て来るんだもん」
「そうね、でもね?キリがなかったとしても、生きている限り闇を倒し続けるのが多分私の役目、ふふふ、望む所よ」
勇気に満ちた表情で明日奈はそう言うとメリアに拳を差し出す、それを見たメリアは相変わらずだなと溜息を吐いてから、拳を合わせる。
「さぁ行くわよ、メリア、さっさと倒して帰りましょう」
「うん、明日奈」
剣を抜いた明日奈とメリアはゲルドジークと戦う為に、目の前にある大きな扉を開けて、部屋の中に入った。
部屋の中には大きな椅子に座った龍人であるゲルドジークが居る、彼は明日奈とメリアを見ると立ち上がり武器を抜いた。
「良くぞここまで来た、蒼と白金の勇者とその仲間よ、ここまで来れた褒美に俺様が直々に相手をしてやろう!」
誇り高く明日奈とメリアを相手にしてやると言ったゲルドジークは剣を振り上げ振り下ろす、すると無数の斬撃が宙に形成され、明日奈とメリアを襲った。
「メリア、そこからブラスターモードで援護してよ、私が突っ込む」
「分かった、任せて」
飛んで来る斬撃を見た明日奈はメリアに援護を頼む、メリアはそれに頷き魔剣ベリクリオスをブラスターモードに変形させるとブラスターを放った。
『ふふん、どうです?私の攻撃力』
「あーそうだねー凄いねー」
魔剣ベリクリオスの中身である、アリーシャは自身の攻撃力を誇る、メリアはそれを棒読みで褒める、そんな1人と1本を見てクスリと笑ってから明日奈は、レーヴァローズに声をかける。
「モード、ツインセイバー」
『Yes、ツインセイバーモード』
明日奈は自身の最速の姿であるツインセイバーモードに変身し、ゲルドジークに向けて空を駆ける。
「くっ!」
ゲルドジークは明日奈の突進攻撃を横に大きく動く事でなんとか躱し、真後ろからメリアのブラスターが迫っているのを横目で見たゲルドジークは振り返りつつ剣を振るい、ブラスターを弾く。
「レーヴァブレイド」
ブラスターを弾いたばかりのゲルドジークの真後ろに迫った明日奈は、蒼く光る斬撃レーヴァブレイドを放つ、真後ろからそれを喰らったゲルドジークは吹き飛び壁に激突する。
「レーヴァローズ、左の武器をソードからブラスターに変更、レーヴァインフィニティ発動」
『Yes、マスターの左手の武装をソードからブラスターに変更、加速用レーヴァブラスターチャージ開始』
明日奈がチャージをし始めたのを見たメリアは武器をソードに変更し、ゲルドジークに詰め寄り斬り合う。
「やぁぁ!」
ゲルドジークの剣をパリィしたメリアはタックルをし、ゲルドジークを上に向けて蹴り飛ばした。
「今だよ!明日奈!」
「ええ!レーヴァインフィニティ!」
左手のブラスターからはレーヴァブラスターが発射される、それにより猛烈な加速力を得た明日奈は文字通り蒼と白金の閃光となりゲルドジークに迫る。
「くっそ!」
ゲルドジークは吹き飛ばされつつも明日奈に魔弾を飛ばすが、明日奈の動きが速すぎて当たっても弾かれる、そして・・・
「ぐぉぉぉ!?」
レーヴァローズの切っ先がゲルドジークの腹に命中し、レーヴァインフィニティを発動した明日奈はそのままゲルドジーク共々城の天井を突き破り、空に飛び出した。
「レーヴァローズ!フルバーストモード!」
『Yes!』
空高くに向けてゲルドジークを吹き飛ばした明日奈はレーヴァローズにフルバーストモードをコールする、それに答えたレーヴァローズは六つの砲門を備えた姿、フルバーストモードに変形した。
「レーヴァブラスターヘキサ、フルバースト!」
『発射!』
ドッ!と言う音と共にレーヴァブラスターヘキサフルバーストがゲルドジークに向けて放たれる、大きなダメージを喰らい最早身動きの取れないゲルドジークは、成す術もなくブラスターを喰らい消滅した。
「ふぅ・・・終わったわね」
『Yes、メリアの元に行きましょう』
「ええ」
ゲルドジークを仕留めた明日奈はメリアの元に向かう、そして2人で勝利を喜び合った後、2人の帰りを待つワールドセイバーの元へと戻ったのであった。
「ってワケよ、愛理」
「へー」
編み物を編む愛理に明日奈は見事なドヤ顔を浮かべつつ昔話を話して聞かせていた、愛理は余りにもスケールの大きな話に理解が追い付かず、へーとしか言わない。
この後も作業を続ける愛理の眠気を防止する為、明日奈は昔話を若干大げさにして愛理に聞かせるのだった。




