表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金色の九尾lll  作者: ブレイブ
オマケと九尾
422/422

想い

オマケ編最終話となります。


魔界


今日も忙しく働く愛理の元に一人の少女がやって来た、その名は久城灯理、愛理の娘だ。


「どうしたの?」


愛理は部屋に入って来た娘に近付きその頬に右手を優しく触れさせる、灯理はその手に嬉しそうに頬を寄せると、決意を込めた目で母の目を見る。


「ママあのね?、これから私と戦って欲しいの、そして今の私の全てを見て欲しい」


沢山の冒険をし経験を積んだ灯理はその成果を母に見せる為、母に戦いを挑んだ、いつかリーフィアと語った目標を果たしに来たのだ。


「良いよ、ただし手は抜かない」


「うん!」


愛理と灯理は部屋の外に出る、そして広い平原の真ん中に立つと、剣を構え向かい合う。


「行くよ!、ママ!」


「かかってこーい!」


九尾となり旅立った時より遥かにその力を増している灯理は一瞬にして愛理に迫ると、下から剣を振り上げた、愛理は灯理の攻撃を剣で受け止める。


「この一撃だけで分かる、強くなったね、灯理」


「えへへ、色々頑張ったもん!、でもね!私にはまだまだ上があるよ!」


「それはママだって同じさ!」


愛理の剣を払い懐に入り込んだ灯理は愛理の顔にアッパーを放つ、愛理はその一撃を左手で受け止めると、灯理に向けて蹴りを放つ。


「ううっ!」


愛理に蹴り飛ばされた灯理は尻尾を地面に突き刺す事ですぐに姿勢を整えると、魔力で作ったビットを飛ばす。


(これは・・・!)


愛理に迫ったビットは爆発し、爆発をまともに喰らった愛理は後方にへと吹き飛ばされた、灯理は吹き飛んだ愛理に追い付くと踵落としで地面に愛理を突き通した。


「イテテ・・・、やるねぇ灯理」


「まぁね、強くなりすぎちゃったかな?」


「調子に乗らない」


「なら私が調子に乗らないようにしてみなよ」


「おー、生意気言ったなぁ?、ママもっと本気出しちゃうぞー!」


そう言って愛理はゼロフォームに変身する、それを見て灯理は来た!と身構える、そして同時に嬉しそうに微笑んだ、ゼロフォームに変身したと言う事は愛理は本当に本気になったと言う事、それは即ち自分は母が本気を出すほどに強くなれたと言う事だ、灯理はそれが嬉しくて微笑んだ。



愛理は娘との戦いの中で娘の想いを理解して行く、それは自分の想いに応えてくれた母への感謝の気持ち、実力を思う存分発揮し母に全てを見せる事が出来る喜び、そして愛理を必ず越えてみせると言う強い意志、その全てが合わさり灯理は実力以上の力を発揮し、愛理と戦う。


「ホーリー!」


「ソード!」


母と娘、両者が戦いの決着に選んだ技は同じ技であった、光の斬撃は同時にぶつかり合い、周囲に閃光が走る。




閃光が収まり両者の姿が見えた、この戦いの勝者は・・・?。


「よく頑張ったね、灯理、私の負けだ」


灯理であった、負けを宣言した数秒後に愛理の手から離れたエクスカリバーが天から落ちて来て地面に刺さる。


「ほんと?、私、本当にママに勝ったの?」


「うん」


「・・・、やったぁ!」


初めての母に対しての勝利、今までの努力の結果が報われた事を喜ぶ灯理は全身でその喜びを露わにした。


「ふふふ、でも次は負けないよ?、分かってるよね?」


「分かってますとも!、でも次も私が勝つもんねー」


「言ったなぁ?」


「言ったよぉー?」


互いを挑発し合い目を合わせ合う親子、まるで子供のようなやり取りがおかしくなり、どちらが先か笑い始めた。


「あはは!、はぁーあ、笑った笑った、それでは灯理、私からもあなたに想いを伝えたいと思います」


「なぁに?」


「あなたは私の自慢の娘だよ、産まれて来てくれて、ありがとう」


娘に想いを伝えた愛理は、娘に近付くとギュッと抱きしめる。


「うん、私も言うね?、産んでくれて、そして育ててくれて、もう一つ、私の目標でいてくれてありがとう、ママ、これからもずっとずっと、大好き!」


「ふふふ、私も大好きだよ、灯理」




誰かに想いを伝えようとするから人は想いを伝える事が出来るのだと私は思う、そして、誰かに想いを伝えようとしなければやがて誤解が生じ争いになる、それは私も経験した事がある。


だからこそ私は、みんながみんな、素直に想いを伝える事が出来る世界にこの世界を変えてみせる、それが私の役目だと思うから。


私の名は久城愛理、この素晴らしい世界で私はこれからも生きて行く。




「師匠、まだ準備、終わらないの?」


茶色い髪を持った少女が愛理を呼んでいる、その声に反応し耳をピン!と立てた愛理は、椅子から立ち上がると剣をその手に持ち、弟子の元に向かう。


「終わったよ、それじゃ修行を始めようか、アリシア」


「うん!」


to be continued...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ