久城明日奈と久城愛理
森の中の家
私の名は久城明日奈、元時の神で現在は蒼と白金の勇者、それが私の通り名だ。
「・・・お婆ちゃん?、空見て何独り言言ってるの?」
若干引いた感じで私を見て来る肩に小さな妖狐、久城蓮を乗せているこの女性は私の自慢の孫、久城愛理だ、私は世界を壊そうとする者と戦う事しか出来ず世界を変えることは出来なかった、でも愛理は魔族として魔王としての立場から世界を変えようとしている、本当に本当に尊敬している、だって私には出来なかった事ですもの。
「だ、だからどうしたの、お婆ちゃん?」
私の尊敬した眼差しを気持ち悪そうに見つめるなんて失礼ね、・・・、蓮にも引かれてる・・・。
「なんでもないわ、そんな事よりクッキー焼いておいたの、食べる?」
うちの孫達はみんな私のクッキーが好きだ、今は亡き私の夫である彼の血が影響しているのだと思う。
「ふっふっふ〜、もう食べてるよ!、明日奈お婆ちゃん!」
そう言って背後に隠していたクッキーを入れた袋を私に見せて来る蓮、もう食べてました・・・、このぉ・・・、やんちゃでイタズラが好きな所、愛理によーく似てるわね。
「・・・、ねぇ愛理、一勝負しない?」
「良いよ、本気でね」
「勿論」
愛理はゼロフォームに変身した、その瞬間にこちらに伝わって来る圧倒的な魔力、よくぞここまで高めたと素直に思う。
「お婆ちゃんも変身してよ、レーヴァモードにさ」
「良いわよ、なってあげる!、行くわよ!ホワイトローズ、レーヴァモード!」
『変身!』
私の掛け声と共にホワイトローズがレーヴァテインを起動させ蒼い光が放たれ、私はレーヴァモードになった、これが現在の私の最強の姿だ。
「蓮、見てな!、ママが勝つ所をね!」
「うん!、頑張ってね!、ママ!」
「あら何よ、今回勝つのは私よ?、ねぇ蓮?」
「う、うん!、お婆ちゃんも頑張って!」
何故言葉に詰まるのかしら・・・、まぁ良いわ、それじゃ行くわよ!、愛理!。
かつて世界を救った一人の女性、久城明日奈と、世界を救い世界を変えようとしている一人の女性、久城愛理は、互いに互いを高める為、本気で勝負をする、その様子を小さな妖狐が尻尾を振り楽しそうに見つめていた。




