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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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十九話黒の空賊団の襲撃3

ソルフロート島、西地区


愛理と黒髪の少女はラベンダに向けて迫る、ラフォリアとケーニはどうやらケーニの拘束から抜け出したサーレと再び戦っているようだ。


「セェイ!」


「はぁぁ!」


愛理と黒髪の少女は同時に剣を振るう、しかしラベンダは躱し、2人に向けて鞭を放つ。


「ふふ」


ビルの上から愛理とラベンダの戦いを見ていた少女はラベンダの鞭の動きを見切っていた、その為魔力を纏わせた手でラベンダの鞭を掴み、愛理の方に向けて放り投げる。


「わっ!わっ!」


愛理はこちらに向けて飛んで来るラベンダを取り敢えず蹴り飛ばした、愛理に蹴り飛ばされたラベンダは地面を数メートル滑ってから立ち上がる。


「やってくれたわねぇ」


まだまだ余裕を崩さないラベンダは2人に向けて手を向ける、すると地面から突然蛇が現れる、2人は地中から現れた蛇を斬り伏せ倒す。


「やるわねぇ、蛇使いの私の蛇をあっさりと倒すなんて、ならこの数ならどうかしらぁ!」


ラベンダは地面を鞭で叩き無数の蛇を出現させる、そして蛇達は愛理と少女に向けて殺到する。


「アクエリアス!」


愛理はアクエリアスに声をかける、愛理の声を聞いたアクエリアスは激しい水流で蛇達を押し流した、ラベンダはビルの上に逃げており無事だ。


「行け!」


少女はラベンダに向けて短剣を投げる、ラベンダは下に降りて躱す、するとラベンダの真下に愛理が待っていた。


「蒼き人魚の一撃!」


愛理は蒼き人魚の一撃を放つ、ラベンダは愛理の技により上空に跳ね飛ばされた。


「はぁぁ!」


ビルを僅かな段差を蹴り上がりラベンダを追いかけて来た少女は跳ね飛ばされたラベンダを蹴り落とす、ラベンダはビルの屋上に落ちた。


「これで!」


アクエリアスにビルの上まで連れて来てもらった愛理は剣を逆手に持ち、ラベンダに剣を突き刺そうとするが、ラベンダは転がって躱し、愛理の足に鞭を絡ませ、愛理を転ばせる。


「行け!蛇達!」


ラベンダは転けた愛理に向けて蛇を放つ、それを少女が蛇を斬り伏せる事で守り、蛇を放つ事で隙が出来たラベンダの懐に愛理が潜った。


「衝波!」


剣を鞘に収納した愛理は右手で衝波を放つ、衝波を喰らったラベンダの体は浮かび、大きな隙が出来る。


「喰らって!ホーリーストライク!」


「喰らえ!」


愛理と少女はラベンダの顔を狙い強烈な右ストレートと左ストレートを浴びせた。


「くぅぅ!」


2人の攻撃を喰らったラベンダの顔から遂に余裕がなくなる、余裕が無くなったラベンダは巨大な蛇を召喚した。


「喰い殺せ!」


巨大な蛇は愛理と少女に向けて巨大な口を開けつつ迫る。


「まずい!引くわよ!」


少女は愛理の方を見て引こうと言った、しかし愛理は動かず、愛理の髪は蒼に染まっていた、それにアクエリアスが消えている。


「・・・その姿は?」


「・・・」


少女は愛理に声をかける、しかし瞳に光がない愛理は答えず、剣に手を触れ居合斬りの体勢に入る。


「!」


少女は感じた愛理の魔力が爆発的に膨れ上がったのを、次の瞬間愛理は居合斬りを放ち、横一線に蒼い斬撃が放たれた、蒼き斬撃は巨大な蛇を真っ二つに斬り裂き、雲を斬り裂いた。


「まさか私の1番の蛇を一撃で・・・くっ」


愛理の攻撃に恐れをなしたラベンダは引いて行く、光の無い瞳でそれを見ていた愛理は追いかけようとするが、ふと意識を失い倒れる、それを少女が受け止めた。


「あれ程の一撃・・・、あなたはやはり勇者なのね」


少女は愛理を地面に寝かせると去って行った。


この後ラベンダは黒の空賊団の船団を引かせ、ソルフロート島を後にした。



ソリビカ同盟支店、二階


愛理は自分達が取った部屋で目を覚ます、体を起こした愛理はボーとする。


「おはようございます!愛理、起きないから心配していたのですよ!」


「おはよ」


まだボーとした表情の愛理は抱き着いてきたラフォリアを抱き締め返す。


「あ、あの愛理?」


愛理に抱き締められるラフォリアは顔を真っ赤にして戸惑う。


「眠い、寝る」


愛理はラフォリアを離すと、彼女の膝の上に頭を乗せ再び眠り始めた。


「うーん、魔力の使い過ぎでまだ起きれないみたいね、暫く愛理を頼めるかしら?ラフォリア」


「勿論です!」


明日奈に愛理を任された何故かテンションMAXなラフォリアは、嬉々として愛理の面倒を頼まれた。




「うーんよく寝たぁ」


翌朝愛理は目を覚ます、そして自分がなにを枕にして眠っていたのか理解する。


「いつの間にラフォリアの膝に・・・」


ラフォリアの膝を枕にして眠っていた事に気付いた愛理は、こくりこくりとして眠っているラフォリアをベッドに寝かせ彼女に布団をかける。


「ごめんね?ラフォリア、そしてありがと」


そして今度は愛理がラフォリアを膝枕してあげた。




(何でしょうこの柔らかい感触は、とても柔らかくて気持ち良いです・・・)


数時間後薄っすらと目を覚ましたラフォリアは頭に感じる柔らかい感触を不思議に思う、そして目を開けると愛理の笑顔が瞳に飛び込んできた。


「おはよ、ラフォリア」


「!?!?」


目を覚ましたラフォリアは顔を真っ赤にして飛び起き、ベッドからも飛び降りる。


「ど、どったの?」


「い、いえ?何でも?」


いきなり動いたラフォリアに驚いた愛理は彼女にどうしたのか聞く、ラフォリアは顔を真っ赤にしつつ、鼻を押さえつつ俯き何でもないと答える。


「おー、起きたのか2人とも」


そこにケーニが入って来る。


「ってどうしたんだ?ラフォリア、そんなに顔を真っ赤にして、それにそれ鼻血か?」


「っ!」


鼻血を流している事をケーニに暴露されたラフォリアは枕を手に取るとケーニの顔に向けて放り投げた。


「な、なんでだ・・・」


顔に枕を喰らったケーニは地面に倒れる。


「大丈夫?ラフォリア、はい、ティッシュ」


「あ、ありがとうございます」


何故だか愛理の顔を直視出来ないラフォリアは愛理からティッシュを受け取ると、鼻血を止めるのに使った。



ソリビカ同盟一階


愛理達は部屋を出てソリビカ同盟の一階にやって来た。


「おはよう、三人共」


前日の戦いでメーレとおちょくりまくり最後に泣かせ、泣きながら逃げて行く彼女を良い笑顔で見送った明日奈は、降りて来た三人に挨拶する。


「おはよーお婆ちゃん」


愛理が明日奈に挨拶を返し駆け寄る。


「体は大丈夫?」


「うん」


明日奈に体は大丈夫かと聞かれた愛理は元気一杯に返事を返す。


「よし!、それじゃ今日はどうする?街は復興中であんまり開いてるお店はないみたいよ?」


「うーん」


開いてる店が少ないと聞いた愛理は悩む、新しい島に向かっても良いが、もう少しこの島を歩いてまわってみたいと言う気持ちもあるのだ。


「なら開いてる店を回ろうよ、私まだまだこの島を探検してみたいの」


「分かった、なら外に行きましょうか」


この日の目的を決めた愛理達はソリビカ同盟支店を出て街に向かう。

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