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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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十六話

ソルフロート島、闘技場


愛理達は円形となっている闘技場の西側の席に座った、そして今から試合が始まるようである。


「さぁ始まるぜぇ!今日の第2試合!赤コーナー!ドドイと、青コーナー!ナガラの真剣勝負だぁ!」


大音量の選手紹介を聞きつつ愛理が、入り口で貰ったパンフレットを見ると、試合は一試合ずつ、報酬は勝利数が多くなればなるほど増えて行くようだ、最初の賞金は百万ゴールド、100勝すれば一億ゴールドとなる。


試合ルールは相手を殺しさえしなければ何でもありのガチンコ勝負だ、武器も防具も魔法も召喚術も何でも自由に使って戦って良いらしい。


「試合開始!」


そして試合が始まる、赤コーナのドドイは斧、青コーナーのナガラは槍を使うようだ。


「行くぜ!」


「かかって来やがれ!」


ドドイは斧を振り上げ直線的にナガラに向けて突っ込む、ナガラはバックステップをして後ろに下がりつつドドイの隙を伺う。


バックステップを取るナガラの背中が壁にぶつかった、それを見て好機だと判断したドドイは振り上げた斧を振り下ろす。


「フン」


ナガラは斧を横に飛んで躱した、今更振り下ろした斧を止めれないドドイは斧を壁に埋めてしまった、そしてドドイの横を取ったナガラは突きを放つ。


「ちぃぃ!」


ドドイは突きを躱し、槍の棒の部分を脇で挟むとそのまま体を後ろに引きナガラから槍を奪い取った。


「頂いたぜ!」


ドドイは頭上で槍を回し勢いを付けてから、槍を奪われ硬直しているナガラの脇に向けて叩き付けた、強烈な一撃を喰らったナガラは倒れる。


「勝者!ドドイ!」


この試合の勝者はドドイ、敗者のナガラは自分で立ち上がるとドドイに槍を返して貰ってから肩を落とし、闘技場を後にする、ドドイも壁に突き刺さった斧を回収してから出て行く。


「愛理!凄い試合でしたね!って愛理?」


ラフォリアは愛理と今見た試合の感想を言い合おうとした、しかしその愛理が何処にも居ない、ラフォリアはすぐに明日奈とケーニに愛理が居ない事を話し、三人は愛理を探し始める。




数分後


「さぁ!始まるぜ!今日の第三試合!赤コーナー!サラバと、青コーナー!愛理の試合だぁ!」


「愛理!?」


明日奈達が愛理を探し始めて数分後、この日の第三試合の選手紹介が聞こえて来て、呼ばれた名前を聞いた明日奈達は青コーナーの方を見る、するとそこに居たのは確かに愛理だった。


青コーナーに立つ愛理は明らかにワクワクウキウキした様子で、これから行う試合が楽しみで楽しみで仕方ないと言った様子である、恐らく先程の試合を見て自分も出てみたいと思い、試合参加の応募をしたのだろう。


「あの子ったらもう・・・」


明日奈はワクワクした表情をした愛理を見て仕方ないわねと溜息を吐く、そして愛理の心配はしない、自分が鍛え上げた愛理なら余程の事が無ければ負けないと明日奈は信じているからだ。


「試合開始だぁ!」


そして試合が始まった、剣を抜いた愛理と、同じく剣士のサラバは近づいて行き、互いの剣を合わせる。


「よろしくね?お兄さん」


「こちらこそ、よろしく」


試合前の挨拶を交わし合った2人は一度離れ十分に距離を取り合った後、先に仕掛けたのはサラバだった、身を低くし駆け出した短時間での決着を狙う、サラバは愛理に向けて一気に近付く、対する愛理は剣を下に構え動かない。


「ウォォ!」


至近距離にまで愛理に迫ったサラバは上から剣を振り下ろした、対する愛理は上から振り下ろされるサラバの剣を最小限の動きで躱し、サラバの胸部アーマーを下から斬り上げた。


「くっ!」


サラバの胸部アーマーに大きな斬り傷が出来る、研ぎ澄まされた愛理の斬撃は一撃で鉄のアーマーを斬り裂いたのだ、愛理はこれはまずいと後ろに下がるサラバを追い掛け前進する。


「くっ!」


後ろに下がるサラバは愛理の足を止めようと横振りに剣を振るう、愛理は腕に付けている籠手で剣をパリィする、剣をパリィされたサラバは足を止め突きを放つが、愛理はしゃがんで躱しサラバの剣を下から斬り上げる。


「つぇぇ・・・なんだあの子」


「しらねぇぜ?あんな子」


愛理の動きを見て観客席の客がザワザワと騒ぎ始める、その試合の様子をレイリとシバも見ていた。


「思っていた以上だねぇシバ」


「そうじゃな!ますます期待が高まるわい!」


隙を伺い右方向に動くサラバの進行方向に足止めの狐火を放った愛理は、サラバの懐に潜り込む。


「8の陣、衝波!」


愛理はサラバの胸部アーマーに手を合わせ、白花に教わった戦闘用陰陽術の一つ、魔力の衝撃波を放ち敵を吹き飛ばす技、衝波を放った、衝波を喰らったサラバは吹き飛ぶ。


「くっそぉ!」


吹き飛ばされるサラバは吹き飛ばされつつ、愛理の足元に魔法陣を発動させる。


「ファイア!」


サラバが放つは火の魔法ファイア、彼が放ったファイアは火柱となり愛理を火の海の中に封じ込めた。


「やったぜ、なにぃ!?」


愛理を火の海の中に封じ込めたサラバは勝利を確信するが、すぐに驚愕の表情を見せる。


「ありがとね?イフリート」


愛理はイフリートを召喚し、ファイアを全て彼に吸収させたのだ、そして愛理はイフリートを精霊界に帰すと、サラバに向けて駆ける。


「くっそ!ファイア!サンダー!」


近付いてくる愛理に向けてサラバは次々と魔法を放つ、それを見た愛理は。


「ホーリーブレイド!」


最強の属性である光属性の斬撃で、魔法を斬り裂き消し去った。


「こうなったら!」


手が無くなったサラバは最後の賭けとして、剣に炎を纏わせると迫る愛理を迎え撃つかのように駆け出した。


「セェイ!」


「ウォォ!」


愛理のホーリーブレイドとサラバのファイアブレイドがぶつかり合い激しい金属音を会場に響かせる、そして。


「くっ・・・」


サラバが打ち負け彼の剣は折れた、愛理はすかさず彼の首に剣を突き付ける。


「どうする?まだやる?」


「いいや、完敗だ、降参するよ」


愛理は明日奈に教わった通り最後まで油断せず左手に衝波の準備をしつつ、彼にまだやるかと聞く、サラバは手を上げヒラヒラとさせつつ降参した。


「勝者、愛理!」


「うぉぉぉぉ!」


サラバの降参のポーズを見た審判が愛理の勝利をコールし、会場に歓声が巻き起こった。


「君は強いな、またやろうぜ?」


「うん!」


愛理とサラバは握手をする、そして2人は離れ闘技場を後にした。




闘技場エントランス


「それでは今回の勝者の愛理さんには今回が初の出場で初勝利なので報酬百万ゴールドをお渡しします!おめでとうございます!」


「えへへ、ありがとう」


試合後青コーナー側の受け付けで報酬を受け渡しが行われる、この報酬は愛理が自分の力で勝ち取った報酬である、愛理は嬉しそうな顔でそれを受け取った。


「愛理」


嬉しそうに報酬を見つめる愛理に明日奈が後ろから話しかけた。


「お、お婆ちゃん・・・」


試合に勝ったとは言え、試合に明日奈に言わず参加してしまった愛理は、明日奈に怒られると思い目を閉じる、しかし。


「良くやったわね、良い試合だったわ」


頭にいつもの明日奈の手の感触を感じ、目を開けると明日奈は嬉しそうな顔で愛理を褒めた。


「お、怒らないの?」


「別に?アイツに負けたら怒ったけど、勝ったのなら怒らないわ、でも次からはちゃんと試合に出るって私達に言いなさい、良いわね?」


「う、うん」


明日奈に褒めてもらった愛理は嬉しそうに微笑む、そんな愛理にラフォリアとケーニが駆け寄って来て試合の事を聞いて来る、愛理は楽しそうに実際に闘技場で試合をした感想を2人に話すのだった。




ソリビカ同盟ソルフロート島支店、二階


闘技場を後にした明日奈達はソリビカ同盟の支店に戻って来た、そしてまずは三階に向かい夕食を食べてから、部屋に戻った。


「ふぅー気持ちー」


そして愛理は現在お風呂に入っている、備え付けられている鏡には金色の髪と耳と尻尾を持ち青い瞳をした少女が写っている。


「ん?」


髪も体も尻尾も洗い終えた頃、愛理を呼ぶ声がした。


「駄目だよ?アクエリアス、ここは狭すぎるよ」


お風呂好きな愛理の二体目の召喚獣アクエリアスが愛理の頭に直接、お風呂に入りたいと語りかけて来たのだ、愛理はここのお風呂は狭ずぎるとアクエリアスを止める、すると彼女は残念そうに愛理との通信を切った。


「うーん、次は広い温泉がある島にでも行ってみようかな」


アクエリアスの残念そうな気持ちを感じた愛理は、後でそう言う島があるのかケーニに聞いてみようと思いつつ、湯船に浸かる。

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