十五話
ソルフロート島、リマッチャ通り防具屋前
美味しいラーメンで腹を満たした愛理達はソリビカ同盟の支店を出て、武器、防具屋、飛空艇のパーツショップが集まる、リマッチャ通りにやって来た。
リマッチャ通りは様々な武器防具屋が集まる通りである為、沢山の騎空団の者達で通りは賑わっているようだ。
「わー!かっこいい!」
ショーウィンドウに飾られている、ヘルメットはモノアイ型、右肩にシールド、左肩にはスパイク、所々に動力チューブがついた魔導アーマーを見つつ尻尾を揺らす。
「ねっ、ラフォリア、入ってみよーよ」
「ふふふ、そうですね」
愛理はラフォリアを誘い、量産型っぽい魔導アーマーが置かれた店にケーニと共に入って行く。
「ねっ、ホワイトローズ、やっぱりこれ、ザ・・・」
「駄目ですよ、マスター」
愛理の後ろで顎に手を当てつつ魔導アーマーを見ていた、明日奈もホワイトローズのツッコミを受けつつ、愛理達を追って店に入って行く。
防具屋
「あそこね」
明日奈が店に入ると愛理達は胸部アーマーを見ていた。
「これ買うの?ラフォリア」
「はい、いつまでも防具無しで戦うのは不安ですので、胸部アーマーだけでも装備しようかと」
「ふぅん、私はどうしようかなぁ」
どうやらラフォリアが防具を買おうとしているらしい、そして愛理もラフォリアが買うと聞いて胸部アーマーだけでも買おうかと悩み始める。
「胸部だけなら動きの邪魔にはならないし買ったらどうだ?、俺も戦闘中は付けてるぜ?」
「うーん、なら買おっかなぁ」
ケーニにも買ったらどうだと背中を押された愛理は胸部アーマーを選び始める、愛理はとにかく近接戦を仕掛けるタイプだ、その為買うのなら軽いアーマーが良いと彼女は考える。
「これ軽そう」
愛理は一つの軽そうな銀色のアーマーを手に取る、そのアーマーの脇に書かれている商品説明文によると、ソルダル鉱石製の胸部アーマーらしく、耐久力があり、魔法にも耐性があるそうだ、お値段は16000ゴールド。
「どうせ買うなら、籠手も欲しいかな」
愛理は一緒に置かれている籠手も手に取る、これも同じくソルダル鉱石製で、説明文も同文で、お値段は5000ゴールド。
「ケーニは新しいの買わないの?」
「俺はこの前買ったばかりだから、いいや」
「そっ」
愛理はラフォリアと共に籠手と胸部アーマーを購入する為に、店主の元向かう。
「これ下さい!」
「はいよ、35000ゴールドだ」
愛理とラフォリアの防具代は合わせて35000ゴールド、二人は自分の分の防具代を店主に渡した。
「確かに35000ゴールド、ここで装備して行くか?」
「はい、付けていきます」
「私も!」
「はいよ」
愛理とラフォリアが購入した防具を付けて行くと聞いた店主は、試着室を指差す、二人にあそこで防具を付けろという事だろう、それを理解した二人は仲良く試着室に向かって行く。
ソルフロート島、リマッチャ通り
明日奈とケーニが店の外で愛理とラフォリアを待っていると、防具を装備した二人が店の中から出て来た、防具を装備した二人は先程までより心なしか力強く見える。
「似合ってるじゃない、二人とも」
「そうですか?」
「えへへ」
明日奈に似合っていると言われた二人は照れる。
「それでね?お婆ちゃん、今度は飛空艇のパーツショップに行きたいの、言ってもいい?」
このリマッチャ通りに入った時から目星を付けていた、飛空艇のパーツショップに行きたいと愛理は明日奈に伝えた。
「良いわよ、行ってみましょう」
愛理達は次に飛空艇のパーツショップに向かう。
飛空艇パーツショップ
飛空艇のパーツショップの店内は高出力のエンジンや、巨大なビーム砲、小型の飛空艇などが飾られており、メンテナンスグッズや、強化パーツなども売られている。
「わー!わー!凄いなぁ!」
様々なパーツを見て興奮する愛理は嬉しそうに商品達を見て行く、まず最初に愛理が興味を惹かれたのは、飛空艇の洗浄用のグッズだ。
「えへへ〜、いつも綺麗にしてあげたいからね〜」
そして洗浄用のグッズ、洗剤やブラシを手に取った愛理は、武装売り場に向かう、飛空艇の追加武装は機体の上部に付けるものか多く、愛理が見ているのは八連ミサイルランチャーだ。
「80000かぁ、80000かぁ・・・」
先程防具に使った代金を引いて今の愛理の手持ちは170000ゴールド、80000ゴールドのミサイルランチャーは買えはするが、もう少し色々見てから判断した方が良さそうだ。
「愛理、あのレールガンはどうでしょう?」
数々の巨大な武器を見て目をキラキラさせているホワイトローズは、愛理にレールガンはどうか?と聞く。
「・・・」
愛理はレールガンの値段を見る、そして固まる、明日奈も値段を見てからホワイトローズの頭を小突き、胸ポケットに戻した。
「百二十万って無理だよぉ〜」
「はい、ローンにでも入らないと・・・」
レールガンのお値段は百二十万ゴールドだった、これは流石にローンを組まないと買えないので却下である、ホワイトローズは愛理が諦めたのを胸ポケットの中で聞いて小さくチッと舌打ちする。
硬直から復帰した愛理は次にガトリングガンを見る、本体の下部に回転型の台座が取り付けられており、縦方向と横方向には自在な砲撃が行える、値段は二門で60000ゴールド。
「・・・」
値段を見た愛理は尻尾を激しく揺らしつつ買おうかどうか顎に手を当てて悩み始めた、しかしもう少し見て回ろうと考えたのか、一度離れ次はビームランチャーの前で立ち止まる。
「連射可能、高射程モード搭載、散弾モードも搭載か・・・」
このビームランチャー高機能である、ガトリングガンと同じく基部が回転するので射角も広い、しかし値段が高い、二門で十二万ゴールドもする。
「・・・」
「どうするんだ?愛理」
愛理は悩む、残金的には十二万は厳しい、ならばガトリングガンかミサイルランチャーを選ぶべきである、しかしビームランチャーは恐らく愛理の魔力だけでドライブ出来る為弾代を考えると結果的にこちらの方が安くなる。
「よし!ビームランチャーにする!」
愛理は弾代がタダであるビームランチャーを選んだ。
「すいません、このビームランチャー、欲しいんですけど」
愛理は店員に近付き、ビームランチャーを購入したいと持ち掛けた。
「分かりました、すぐにお取り付け致しますか?」
「分かりました、それではすぐにこちらに置かれているこの商品ではなく、倉庫から新品を持ち出し、あなたの飛空艇に装着致しましょう、あなたの飛空艇があるドック番号は何番でしょうか?」
「15番だよー」
「分かりました、それではお代金の方を」
「はい」
ビームランチャーの代金を求められた愛理は店員に一括で払う、店員は足りているか数えてから頷く。
「ありがとうございます!今すぐ取り付け作業を行いますので、暫くお待ち下さい!」
「はーい」
そして店員は愛理に頭を下げてから去って行った、愛理も洗浄グッズを購入する為、レジに向かう。
ソルフロート島、闘技場
ここはソルフロート島の闘技場、様々な騎空団の団長や団員達が、この闘技場でその実力を競い合っている。
愛理達はこの闘技場のチケット売り場にやって来ていた。
「観戦料、一人500ゴールドですって、どうする?見て行く?」
「うん!見る!」
愛理は見てみたかった他の騎空団の団員達がどれ程の強さを持っているのかと、それを手っ取り早く見れるここは愛理にとって丁度の良い場所である。
「分かったわ、4人分の観戦料払って来るから待ってなさい」
「おう」
明日奈は尻尾を揺らしながら闘技場の観戦券を買いに行った、愛理とラフォリアはどんな試合が観れるのだろうと、ワクワクドキドキと楽しみにする。




