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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部四章、エクスティナと九尾
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二十八話闘技大会編3

現実世界


「まさか、存在しておくだけで良いって言う時の神である私が動かなきゃいけないなんてね、何者かしらあなたは」


明日奈は時の神としての直感が教えてくれた、時の歪みが現れた場所に転移して来ていた、そして白い煙の中にいる人物に声をかける。


「!?、愛理!?」


煙が晴れ現れた者を見た明日奈は驚く、その外見が愛理にそして自分によく似ていたからだ。


「いいえ、私は久城愛理ではありません、ご先祖様、私の名は久城灯理、未来から来た久城愛理の娘です」


愛理の娘だと名乗る少女、灯理の話を聞いて明日奈は灯理の魔力を探る、すると確かに彼女の魔力が愛理の物に良く似ているのを感じた、明日奈の肩の上に乗るホワイトローズも頷いている為間違いなさそうだ。


「その魔力・・・、信じるわ、灯理、あなたが愛理の娘だってね、でも何をしに来たの?、過去に来なければいけなかった理由を話してくれないかしら」


「分かりましたご先祖様、私が過去に来た理由を話します」


過去に来た理由を明日奈に聞かれた灯理はその理由を明日奈に話して聞かせた。




病院


灯理の話を聞いた明日奈は母との思い出がないと言う灯理を愛理が眠る病室に連れて来た、灯理の顔を見た明日葉が驚いた顔をするが、明日奈が彼女の正体を明日葉に話し落ち着かせる。


初めて見る祖母、そして先祖である明日奈の話を聞きながら、灯理は初めて見る母の元に行く、灯理が初めて見る母の顔は眠り顔だった。


「初めまして、お母さん、私は久城灯理、あなたの娘です」


灯理は眠る愛理の手を取りギュッと握ると母に言葉をかけた、しかし母の反応はない、それでも灯理は母に初めて触れられた事が嬉しくて涙を流す。



闘技大会会場


「どうしたの?、airi?」


二日目の第1試合に参加する為準備をしていた愛理は、何故か分からないが急に涙を流す、それを見ていたサラがその理由を尋ねた。


「分かんない、でも凄く嬉しくて・・・、なんでだろう」


愛理の涙の理由は灯理の魔力を感じたからだ、しかし現実世界での出来事を知る事が出来ない愛理にはまだ理解できない事だ。


「嬉し涙ってやつ?、・・・なんで?」


「だから分かんないよぉ、ふぅ、それじゃ試合に行ってくる」


涙を流す愛理は一度目を瞑り涙を止めると、いつもの強い目に戻り、サラに手を振ってから試合会場に入って行った。





「それでは二日目の第1試合を開始する!、両者前へ!」


今回の審判は厳格な騎士のような格好をした男だ、愛理と、試合相手の少女マーブは近付き握手をする。


「よろしい、ならば試合開始!」


この審判は握手が終われば即試合を始めるようだ、この距離ではお互いに不味い、そう判断した両者は一度距離を取り武器を構える。


「私の名はマーブ!、魔弾使い、私の弾幕を簡単に打ち破れるとは思わないでね!」


自身を魔弾使いだと名乗ったマーブは名乗った通りに自身の周囲に魔弾を浮かべると、愛理に向けて飛ばして来た。


愛理は体を反転させマーブから背を向けると、魔弾の動きを見ながら走り始める。


「おお!、避けるね!でも!」


愛理は確実に魔弾を避け、魔弾は地面にぶつかり消滅する、愛理の動きの速さに舌を巻いたマーブは愛理の目の前に魔弾を出現させると撃ち出した。


「挟み撃ちか!、ならこうだ!」


目の前から迫る魔弾を愛理は限界まで引き付けてから上に飛んだ、すると前後から迫っていた魔弾がぶつかり合い消滅する、愛理はぶつかり合う魔弾を見ながら降下し、マーブへ接近戦を仕掛ける為走り出した。


「近付けさせない!」


マーブは大量に魔弾を出現させると愛理に向けて撃ち出す、愛理は前方から迫る魔弾を避けながら走るがやがて避けきれなくなり被弾し、更に何発もの魔弾を喰らい無理矢理に後退させられた。


「ふふん!、私に接近戦を挑める距離にまで近付けた人は居ないのさ!、だから最強プレイヤーのairiさん?、あなたはここで負けるの!」


愛理が被弾したのを見てドヤ顔を見せているマーブは、自信ありげな表情で更に魔弾を撃ち出した。


(これって斬れるのかな?)


迫る魔弾を避けながら、魔弾が斬れるのかなどうか気になった愛理は、剣を振るい魔弾を斬ってみた、すると・・・?。


「ええー!?、なにそれぇ!」


魔弾は真っ二つに斬れ消滅した。


(これって・・・、あいつとの戦いに使えるかも!)


愛理は今の出来事でレックス戦へのヒントを得る事が出来たような気がした、その事に喜びながら、身を低くし剣を後方に構える、自身の基本動作をすると前にへと駆け出した。


「わ、わ、わ、!来るなぁ!」


マーブは迫る愛理を見て焦って魔弾を放つ、しかし対抗策を理解した愛理は、魔弾を斬り飛ばしながら、マーブとの距離を完全に詰めた。


「い、いやぁ!、降参!、降参するぅ!」


物凄い速さで迫って来た愛理に完全に身が竦んでいるマーブは降参をする、しかし・・・。


「あっ・・・」


勢いが付き過ぎており、しかも既に剣を振る動作に入っていた愛理は、降参したマーブを斬ってしまった。


「うわーん!、降参したのにぃ!」


「あはは・・・、ごめんごめん」


降参したのに愛理に斬られたマーブは泣き叫ぶ、愛理はそんなマーブをバツが悪そうに慰めるのだった。




アメリカ、愛理の家


明日奈に灯理を任された明日葉は、車で灯理を家に連れて来ていた。


「ここが、お母さんの、そしてお婆ちゃんの家なんだ」


「そうよ、あなたのママはここで育ったの、ほーんとあの子はヤンチャで困ったのよ?」


そう言った明日葉は幼い頃の愛理を思い浮かべ懐かしそうにする、その顔を見て、これが母が子を思う顔なのだと、灯理は少し母が羨ましくなった。


「さぁ、中に入りましょう、あなたに家を案内してあげるわ」


「うん」


灯理は明日葉と共に家の中に入って行った。


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