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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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七話

サトゥー高原


ここはサトゥー高原、愛理は全長100メートルのメサイヤが着陸出来そうな場所を探し、丁度良い平らな場所を見付けたので、メサイヤをここに着陸させた。


「悪いわね、愛理、外の空気吸って来る!」


「私もです!」


顔を青くしている二人は慌てた様子で外に向けて走って行った、ホワイトローズは明日奈の胸ポケットから出て愛理の頭の上に降り立つ。


「愛理、先程のインストールの影響で脳に障害が出ていないか確認しますね?」


「うん、お願い」


愛理の了承を得たホワイトローズは愛理の頭に手を触れメディカルチェックを始める、愛理はただ座って結果を待つのも暇なので、コクピットから離れメサイヤの各部を見て回る事にした。


「ここがベッドルームか、・・・ちょっと硬そうなベッドだね」


コクピットから出た愛理は通路を歩き、まずはベッドルームに入る、ベッドはコクピットに備え付けられている八つの椅子と同数だけ置かれており、触ってみると硬い。


宿のベッドもそこそこ柔らかく、硬いベッドで寝た事が無い愛理は、体が痛くなってしまいそうだと不安に思った。


「そしてここが居住区画」


次に愛理がやって来たのは居住区画、洋風の部屋で床はフローリング、奥にはキッチンが見え沢山の家具が置かれている、この部屋は愛理の脳にインストールされた情報によると、飛行中は出入りが出来なくなるが飛行中のメサイヤの動きと並行して部屋が上下左右と様々な方向に動く為、飛行の度に物が散乱する事はない。


「次は倉庫」


次に愛理は、メサイヤの中心部にある倉庫にやって来た、今は何も無いが沢山の物を置けそうだ、この部屋も居住区画と同じ構造の為、運び込んだ物が散乱する事は無い。


「最後にドックか」


最後にメサイヤの後部に存在するドックに愛理はやって来た、ここにはカタパルトが設備されており小型飛空艇の発艦が出来そうだ、この部屋は他の部屋のようには動かない為、小型飛空艇をロックするアームが天井と床に見える。


「かっこいい!」


カタパルトを見て興奮した愛理はドックの制御室に行き、後部ドアを開けてからカタパルトの射出スイッチを押す、するとカタパルトは高速でスライドし、レールの先まで行くと戻って来る。


「愛理、メディカルチェック終了、インストールの結果で脳に悪影響は出ていないようです」


「そっか、よかったぁ」


メサイヤを手に入れたのは良いが、それで脳にダメージを受けていては元も子もない、その為愛理はホワイトローズから脳に悪影響は何も出ていないと聞いて安心する。


「それじゃ外に行こっか」


「Yes」


愛理とホワイトローズは後部ドアから、外に出て明日奈達の元に向かう。




外に出ると明日奈とラフォリアはケロリとした様子でサトゥー高原を眺めていた、どうやら酔いは醒めたらしい。


「二人共もう大丈夫なの?」


「ええ」


「はい、大丈夫です」


言葉で二人はもう大丈夫だと聞いた愛理は安心する。


「なら船の中に行こうよ!ホント!凄いんだよ?」


船の中の案内をしたい愛理は、尻尾を嬉しそうに揺らしながら二人にメサイヤの中に行こうと誘う。


「そんなにメサイヤの中が凄いのなら見たいわね、行きましょう」


「はい、私も見たいです!」


愛理達はメサイヤの中に戻る、そして愛理は嬉しそうな表情で、明日奈とラフォリアに飛空艇内部を案内した。




メサイヤ、リビング


「それで、これからどうしたら良いんだろ?ラフォリア知ってる?」


飛空艇を手に入れたのなら次にする事は騎空団の立ち上げだ、しかし愛理は騎空団登録の仕方を知らないので、明日奈とラフォリアのメサイヤ内部の案内を終えた愛理は、登録方法を知っていそうなラフォリアに聞く。


「とりあえず、先程の船着場に戻りましょう、あそこに騎空団のギルドがある筈なので、そこで新規騎空団の登録が出来るはずです」


「そう、ならさっきの船着場に戻りましょう」


「うん!」


次の目的地を決めた愛理は部屋を出て行く、明日奈達は部屋に残る、まだ操縦が不慣れである愛理の操縦は荒い、その為確実にまた酔う、また酔う位なら本当に機能するか怪しいこの部屋の姿勢制御を信じた方がマシなのである。


『それじゃ飛ぶよー!』


スピーカーから愛理の声が聞こえ、エンジン音が大きくなった、どうやら飛ぶらしい、明日奈とラフォリアは部屋の姿勢制御が動かなかった場合に備えて、床に固定されている、机をしっかりと持つ。


『発進!』


愛理の発進の掛け声と共に上昇し宙に浮いたメサイヤは船着場に向けてフルスロットルで加速し向かって行く、0からのいきなりの猛加速、明日奈とラフォリアは部屋の中で吹っ飛んでもおかしくないのだが、吹っ飛ばなかった。


「無事よ?私達・・・」


「はい・・・」


吹っ飛ばずに済んだ二人は安堵し、談笑をしつつ、船着場への到着を待つ。



船着場、飛空艇ドック


『三番ドックにお入り下さい、ドック使用料は2500ゴールドです』


「はーい」


船着場の近くまで来て、船着場の飛空艇ドックは騎空団の者達しか使えないのではないかと愛理は不安に思ったが、使えるようで安心した愛理はメサイヤを三番ドックに着陸させる、すると機体固定用のアームが伸びて来て、メサイヤを固定した。


「着いたよー」


早く騎空団登録がしたくてソワソワしているのだろう、愛理は尻尾を上下に揺らしながら、リビングに顔を出した。


「ふふふ、そんなに焦らなくても行くわ?愛理」


「ふふ」


談笑を終えた明日奈とラフォリアは立ち上がり愛理の元に向かう。


「それじゃ行こー!」


二人と合流した愛理は騎空団登録を行う為に、騎空団ギルドにへと向かう。



騎空団ギルド


ここ騎空団ギルドは騎空団の為の依頼を管轄するギルドである、その主な依頼内容は、空賊団の取り締まり、騎空団の者達な誰でも所有する飛空艇を使った空路による運送、未開の島の調査依頼などだ。


大抵の騎空団の者達は冒険者ギルドで冒険者登録を行なっており、空だけではなく地上での依頼もこなし生計を立てている。


「ようこそ!騎空団ギルドへ!今日はどういった御用件でしょうか!」


ドック使用料を払い騎空団ギルドにやって来た愛理は、何故かキャビンアテンダントのような格好をした受け付けのお姉さんの愛想の良い挨拶を受けた。


「騎空団登録をしたいの」


愛理は早速騎空団登録をしたいと、お姉さんに言う。


「分かりました、あなたが所有する飛空艇はどちらのドックへ、入港なされましたか?」


「三番ドックだよ」


「分かりました」


愛理から三番ドックだと聞いたお姉さんは機械を操作する、三番ドックに停まるメサイヤの登録情報が、騎空団ギルドのデータベースに無いか確認しているのだろう、もしデータベースに飛空艇の情報が出て来れば持ち込まれた飛空艇は他人から盗んだ者、判明した時点で愛理は逮捕される。


「確かに未登録の飛空艇だと確認出来ました、それではあなたを団長として登録します、そのプレートに触れて下さい」


「はーい」


愛理はお姉さんに指定されたプレートに触れる、するとプレートは光りすぐにこのような情報が表示された。


『登録者名、久城愛理、飛空艇名、YN-35メサイヤ』


「こちらの情報で間違いありませんか?」


「うん」


「それでは、騎空団名を登録します、騎空団名をどうぞ」


登録騎空団名をどうぞ言われた愛理はすぐに答える。


「フォックステイルでお願いします」


「フォックステイル、分かりました、そのように騎空団名を登録します、それでは暫くお待ち下さい、騎空団カードを作成致します」


受け付けのお姉さんとの応対を終えた愛理は明日奈とラフォリアの元に向かう。


「何でフォックステイル?」


明日奈は側にやって来た愛理に何故、騎空団名をフォックステイルにしたのか聞く。


「うーん、私妖狐だし、尻尾の手入れ好きだし、団長が誰かすぐに分かった方が良いかなーって」


「・・・私も妖狐よ?愛理」


「はっ!?スリーフォックステイルにしようかな!?」


「私達妖狐の尻尾は増える可能性もあるのよ?」


「はっ!?」


自分の命名ミスに気付いた愛理は今後明日奈が団長だと勘違いされる可能性に今気付いたが、しかし他の命名案が思い付かない。


「久城愛理様、終わりました、こちらへ」


「・・・はい」


お姉さんに呼び出された愛理は受け付けに向かう、貫禄がある明日奈が確実に団長だと間違われるだろうが、自分が団長だと他人に思わせる事が出来る存在に自分がなれば良いのだ、と自分を納得させつつ。


「それでは、これがあなたの騎空団カードです、この騎空団カードには団員登録機能があります、登録方法は団員にしたい方にこの騎空団カードを触ってもらうだけですので、忘れないで下さいね?」


「うん!」


何にせよこれで愛理は騎空団の団長である、愛理は嬉しそうに騎空団カードを受け取り大事そうに抱き締める。


「ふふふ、それでは頑張って下さいね?」


「うん!頑張る!」


騎空団フォックステイルの団長となった愛理は、明日奈とラフォリアの元に戻り、二人を団員登録情報してから、騎空団としての初めての依頼を受ける為に掲示板に向かう。

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