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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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五話

ドリー島、モチーの森


昼食を済ませた愛理達はモチーの森を歩く、カタログの記事によるとこの先に古代の飛空艇が眠る遺跡があるようだ。


「・・・ねぇ?お婆ちゃん、アレ餅だよね?」


「・・・そうね、餅ね」


「餅ってなんですか?」


モチーの森を歩く愛理達の周囲を、餅に手足を生やしたような外見の餅らしき物が歩いている、モチッモチッした彼等はモチモチ歩いているだけのようで、愛理達に攻撃を仕掛けて来ない。


「おりャー!モッチ狩りだぜぇ!」


どうやら周囲を歩く餅らしき生物はモッチと言う生物のようだ、他の冒険者達はモッチを嬉々として狩っている、美味しいのだろうか?。


「みんな、餅っぽいのを嬉しそうに狩ってるね、美味しいのかな?」


「あんな嬉しそうな顔を見ると食べてみたくなるわね、あの餅っぽいの狩ってみましょうか」


「うん!」


「だから、餅ってなんなんです!?」


愛理と明日奈は餅について質問するラフォリアをスルーしつつ、モッチに斬りかかり仕留めた、何故かモッチは抵抗しないのだ、その為周囲の冒険者達はどんどんと狩って行っている、あれ程狩られて何故絶滅しないのか不思議である。


「モッチは何故か勝手に増えるから食い放題で良いよな!」


「だな!」


どうやらモッチは何故か勝手に増えるようだ。


「さて食べてみましょうか?」


「でも、ちょっと硬いよ?焼いてみよーよ」


「そうね」


「・・・」


スルーされて拗ねるラフォリアを他所に愛理と明日奈は木の枝を集めて来て、触った感じまだまだ硬いモッチの死体を枝の束の上に乗せ、愛理がイフリートを召喚し火を付けた、後は焼き上がるのを待つだけである。


「あいつら、何してんだ?」


「さぁ?」


周囲の声によるとどうやらモッチを焼くと言う行為は、今まで誰もやった事が無いようだ、モッチを焼く愛理達を見た冒険者達が集まってその様子を見る。


「おー!やっぱり膨らんだ!」


「ええ!餅はこうじゃないとね!」


「「!?」」


数分モッチの死体を焼くと通常の餅と同じくプクーと膨らみ始めた、こう言う所も餅と同じようだ、そして焼くと言う行為で膨らんだモッチを見て周囲の冒険者達に驚きが走る、彼等はこんな調理法を知らなかった、まさに食の革命である。


「頂きまーす!」


「まーす!」


明日奈は鞄から箸を取り出し、愛理とラフォリアにも渡し、手をパチンと合わせ頂きまーすしてから、焼きモッチのパリパリとなった外殻を割り、中の白い肉を引き伸ばし千切る、そして口に運んだ、愛理も同じく一口食べる、ラフォリアは箸の使い方が分からず戸惑う。


「おいしー!」


「うん!味も餅だね!」


「あ、あの!これどうやって使うんですか!?」


伸びるモッチの肉、そしてそれを食べる愛理達の幸せそうな表情、冒険者達はそれを見て涎を垂らす、モッチを食べ慣れた彼等から見ても、愛理達が見せた焼きモッチは美味しそうなのである。


「お、俺らも真似するぞ!」


「おう!」


我慢出来なくなった冒険者達はこぞって愛理達の真似をし始める、愛理達はそんな彼等を他所に愛理がラフォリアに箸の使い方を教えつつ、焼きモッチを平らげた。


この後、謎のフードアーティストとして二人の妖狐について噂になり、焼きモッチはこの島の名物の一つとなる。




モチー平原


ここはモチー地方、モチー平原、沢山の動物や魔物が住む、豊かな自然を誇る平原である、モッチは居ない。


「あの、山に遺跡はあるんだって」


「ならあの山を目指しましょう」


愛理が手に持つカタログによると遺跡は山に存在し、その方向は南側である、愛理達は南を目指し進み始める。


「リザードマンですね」


「あっちには、ゴブリン、リザードマンと睨み合ってる?」


遠くの方に、ゴブリンとリザードマンが睨み合っている様子が見える、どうやら縄張り争いが始まろうとしているようだ。


「あらら、戦い始めた」


愛理達が目的地に向かいつつ、二者の様子を眺めていると戦いが始まった、互いに互い木の武器をぶつけ合い、大きなダメージを受けた者から倒れて行く、恐らくは最後まで立っている者がいた方が勝利であり、縄張りを獲得するのだろう。


「終わりましたね」


「うん」


縄張り争いは終わり、最後まで立っていたのはゴブリンだった、縄張り争いに負けたリザードマン達は傷付いた違いの体を庇いつつ、引いて行く、縄張りを獲得したゴブリン達は、縄張りを獲得し拍手喝采喜び合っている。


「ああやって縄張りを獲得するのねー」


「自然の摂理ってやつ?」


「そう言う感じでしょう」


縄張り争いを見終わった愛理達は、平原を歩き遺跡がある山に向けて進んで行く。




「セェイ!」


愛理達は先程とは違う別のリザードマン達との戦闘を行なっていた、リザードマンの数は5、楽に勝てる数だ。


1匹、斬り捨てた愛理は2匹目に斬りかかるが、爪で防がれた、愛理の剣を爪で防いだリザードマンは愛理の首に尻尾を絡めた。


「グっ!くっ!」


愛理は首に巻き付く尻尾を掴み引き剥がそうとするが、締め付けが強く剥がせない、それを見たラフォリアが愛理のカバーに入り、尻尾を槍で斬り裂いた。


「ゲホッ!ゲホッ!ごめん・・・ありがとう、ラフォリア」


尻尾を斬り裂かれたリザードマンは、尻尾を斬られた痛みを堪えすぐに爪で斬りかかってきた、それを見たラフォリアは槍でリザードマンを突き刺し、仕留めた。


「ハッ!」


明日奈は三体固まるリザードマンを左右に蹴り飛ばし、一体にすると、斬り倒した、愛理とラフォリアが左右に蹴り飛ばされ、地面に倒れるリザードマンを倒し、戦闘は終わった。


「さて、先に進みましょうか」


「はい」


戦闘を終えた愛理達は武器を仕舞い、遺跡を目指し平原を進む。

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