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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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四話

飛空船、デッキ


愛理は迫る少女を魔力で創造した魔力剣で迎え撃つ、この魔力剣、創造するのが不慣れな為出力が不安定だ、純粋な鉄の短剣であるように見える少女の短剣とは長くは斬り合えないだろう、つまり早期の決着を愛理は付ける必要がある。


「狐火!」


愛理は出力の不安定な魔力剣の使用を控える為に狐火を少女に向けて放つ、少女はそれを手から魔力を撃ち出す事で打ち消すと、愛理の懐に潜り込んだ。


「ふっ!」


愛理の懐に潜り込んだ少女は一撃、愛理の腹を殴りつけた、腹を殴られた愛理は崩れ落ちそうになるが堪え、少女の背中を狙い剣を振るう。


「遅い!」


しかし少女は余裕で愛理の剣を受け止め、愛理と少女は鍔迫り合いに入った。


「見たところ、その魔力剣、創造するのが不慣れみたいね?魔力の流れにブレが見えるわ」


(バレてる!)


愛理は焦る少女に魔力剣の創造が不慣れだとバレた事を、そして、同時に思ったこの魔力剣を少し見ただけで創造が不慣れだと理解出来るこの少女は、確実に強いと。


「くっ!ホーリーソード!」


焦った愛理はホーリーソードを発動させ少女を無理矢理に押し切った、そして怯んだ少女に斬りかかる。


「ふふふ、不慣れな魔力剣如き、簡単に破壊出来るのよ?」


しかし少女は余裕の表情で愛理を迎え撃ち、愛理の斬撃を躱すと、愛理の魔力剣を狙い短剣を振るった。


「こんな風にね?」


「!?」


少女の斬撃により愛理の魔力剣は粉砕した、愛理の見立てでは後、十数回は斬り結べる筈だったのにだ。


「その顔、何故あなたの魔力剣が破壊されたのかと驚いているようね?答えは簡単、あなたの魔力剣の魔力のブレを読んでそこを斬っただけ、その結果あなたの魔力剣は破壊されたのよ」


(それをこの一瞬で・・・この子、強い)


少女の説明を聞いた愛理は不慣れな魔力剣では勝てないと判断し、拳を構える、これならば明日奈に戦い方を教わっている、そこそこ戦える筈だ。


「拳でねぇ?舐められた物ね!」


拳を構える愛理を見て舐められたと怒りを感じた少女は消えた、次の瞬間、愛理の背後に現れ愛理を背後から押し倒し拘束する。


「き、狐火!」


押し倒された愛理は手から狐火を放つが少女は首を捻って躱した。


「終わりね?」


狐火を躱した少女は短剣を逆手に持ち変えると振り下ろした。


「愛理!」


そこでホワイトローズの声がした、ホワイトローズは魔力反応を感じ、愛理が何者かに襲われていると感じ助けに来たのだ、愛理を助けに来たホワイトローズは少女の顔にタックルをし、少女の斬撃を止めた。


『愛理!私を使って下さい!私のサポートを授ける事は出来ませんが、剣としては使える筈です!』


そしてホワイトローズは剣となり愛理の手の上に落ちた、愛理はそれを握り。


「ハァァ!」


ホワイトローズにタックルされ怯む少女を無理矢理に体の上から押し退けると、横振りにホワイトローズを振るった。


「ッ!」


少女は愛理の斬撃を受け止める。


「へぇ、それが聖剣ホワイトローズ、蒼と白金の勇者、久城明日奈の剣」


(ホワイトローズの事も知っている、それに私の事も、この子は一体何者なの?)


愛理は少女の正体を疑問に思いつつ、左ストレートを放つ、少女はそれを受け止め、蹴りを放ってくるが、愛理は足で受け止め、剣を引くと突きを放つ。


少女は突きを躱しつつ斬り上げた、それにより愛理の腕が跳ね上がり隙が出来る、少女はその隙を狙い斬りかかるが。


「イフリート!」


愛理は自身のとっておきであるイフリートを召喚した、イフリートは少女の短剣を掴んで止め、愛理は短剣を掴まれ動きの止まった少女に、斬撃を放つ。


「紅き巨人の一撃!」


愛理は燃え盛る炎の巨人の斬撃を少女に向けて放つ。


「ふふふ」


しかし、少女は周囲に魔力を発散させる事で愛理とイフリートを無理矢理に跳ね飛ばした、跳ね飛ばされた愛理は剣を地面に突き刺し、無理矢理に吹き飛びされた勢いを止める。


「やっぱり強い、簡単に倒せそうに無いね」


『Yes、長期戦を覚悟しましょう』


数分の戦いで少女の強さを身を持って理解した愛理は、姿勢を低くして剣を構える、これが一番の突進力を出しやすい、構えなのだ。


「ふふふ、残念だけど、おしまい、あなたのお婆ちゃんが来るみたいだからね?流石に蒼と白金の勇者を相手にしたく無いもの」


少女が口にした通り、愛理が開けたままにしている船内に続くドアから愛理とラフォリアが出て来た、それぞれ武器を構えており、明日奈は愛理の剣を持っている。


「ほら来た、それじゃあ、またね?久城愛理」


少女は愛理の側に来ると、頬にキスをして去って行った。


「なんだったのかなぁ?あの子・・・」


愛理は少女にキスをされた場所を袖で拭いつつ、少女の正体を探ろうとするが、そもそも少女は自身に関しての情報を何も言っていないなと思い、探るのを諦めた。


「愛理、彼女は?」


槍を背中に戻したラフォリアが愛理の側に来て、ハンカチで愛理の頬を拭きつつ、少女の正体を訪ねて来た。


「分かんない、でもお婆ちゃんと私の事を知ってた、それに私を殺すってさ」


「殺す、か・・・」


愛理を殺す、と聞いた明日奈は思う少女はこの世界にいると言う闇の存在の関係者では無いかと、勇者となるべき存在である愛理が、成長する前に叩こうとここにやって来たのではないかと。


「部屋に戻りましょう、愛理」


「うん」


剣と剣を交換した愛理と明日奈と、ラフォリアは少女の正体について話し合いつつ、部屋に戻って行った。




ドリー島、船着場


ドリー島、古代の遺跡が多数存在する島であり、ベレー島で経験を積んだ冒険者達の大体が次に訪れる島である、しかし初心者冒険者とは言えない実力の愛理達のこの島での目的は、古代の飛空艇の入手である。


「着いた!」


「はい!」


ドリー島に足を踏み入れた愛理とラフォリアはうーんと体を伸ばす、ベレー島は春のような温かな気候で、体を伸ばすと気持ちが良いのだ。


「さて、例の遺跡はこの船着場から西に進んだ場所にあると書かれているわ、取り敢えず西に行ってみましょうか」


飛空艇のカタログに載っていた記事の記述によると、古代の飛空艇が眠る場所はこの船着場から西に進んだ場所にあるそうだ、そのため明日奈は取り敢えず西に進もうと二人に提案した。


「うん」


「はい」


愛理とラフォリアは明日奈の提案に頷き、明日奈と共に、現在地点から見える、西の門に向けて歩いて行く、すると明日奈のお腹がグーとなった。


「と、取り敢えず、レストランに行きましょう!」


お腹が空いたらしい明日奈が顔を赤くしつつ、西に向かおうと提案した張本人なのにレストランに行こうと提案した。


「あー!また食いしん坊お婆ちゃんか出た!」


愛理は尻尾を意地悪そうにチクチクと動かし、お腹を鳴らした明日奈を揶揄う。


「コラ!お婆ちゃんを虐めるもんじゃ、ありません!」


「えへへ〜」


明日奈は自分を揶揄って来る愛理の頬を突く、頬を突かれる愛理はニヘラと笑う。


「・・・」


そんな仲の良い孫と祖母を他所にラフォリアもこっそりとお腹を鳴らし、一人顔を赤くしていた。

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