二十八話
クラフトデビルズ本拠地
ワールドセイバーは街道37号線近くに存在する敵本拠地の近くに陣を取っていた、これより攻撃を開始する。
「攻撃開始!」
攻撃命令が下った、地球支部の面々は森の中に存在する敵本陣に向けて一斉に乗り込んで行く。
「みんな、敵のリーダーの姿はまだ確認されていないわ、それに幹部はまだ二人いる、油断しないでね」
「うん」
そう敵のリーダーの姿はまだ確認されておらず謎だ、謎だからこそ強者だと言う可能性も考えられる、愛理はその事を念頭に置きながら、自分のチームを率いて基地内部に侵入した。
基地内部では組織の一般兵とエージェント達の戦闘が既に始まっていた、愛理達も武器を抜き戦闘に参加する。
「来てイフリート!」
愛理はイフリートを呼び適当に暴れさせる、そして自分も近付いてくる兵士たちを無力化して行く。
「グレネードをたっぷりとあげるわ!」
「そぉれー」
ティナがグレネードを投げ、レアリが羽を使ってグレネードの飛距離を伸ばす、飛距離が伸びたグレネードはこの広い広場に入って来た敵を纏めて戦闘不能にする。
「洗脳してくれやがった借り、たっぷりと返してやるよ!」
洗脳されていた事にへの怒りに燃えるレイズは、槍を構えて駆け回り、敵を跳ね飛ばして行く、跳ね飛ばされた敵は地面に落ちるとゴロゴロと転がってから気絶する。
「喰らえ!」
兵士は愛理達に向けて爆弾を放り投げて来た、先程のティナの攻撃のお返しのつもりなのだろう、セシリアは爆弾をキャッチすると、慌てず投げ返した、兵士は帰って来た爆弾を見て慌てて逃げようとするが遅い、爆弾を放り投げて来た者達は全員爆発に巻き込まれ倒れた。
「みんな流石だね!、私も負けてらんない!」
仲間達に負けるつもりなどない愛理は、己の剣術、そして体術を活かし敵をなぎ倒して行く。
「来た」
愛理は迫る強い魔力を感じてカプリコーンフォームに変身する。
「やっほー、決着を付けようか」
「望む所さ!」
愛理に迫って来た強い魔力の持ち主はノアだった、近くには水月もいる、彼女に相対するのは・・・。
「私が相手よ」
「フン、接近戦が不得意な貴様では絶対に私には勝てん、変身」
「そんなのやってみないと分からないでしょ!、行くわ!インフィニティ!、変身!」
ティナは変身し、水月との戦闘に入る。
「はぁ!」
迫り来るノアの左ストレート、愛理はエクスカリバーが変形したガントレットの左手の手甲部分で受け止め、右ストレートをノアの顔に命中させる。
「チッ、そらぁ!」
顔を殴られたノアはすぐにフラついた体を立て直し、愛理に頭突きを打ち込む、今度は愛理は体勢を崩すが、愛理は負けじと腹に拳を打ち込む。
「山羊の格闘家の撃拳!」
腹を殴られたノアの体はくの字に曲がる、それを見た愛理はガゼルパンチの要領で打ち込む、山羊の格闘家の撃拳を放った。
「ッ!」
顎に拳が当たるすんでの所でなんとか立ち直ったノアは愛理の拳を躱し、すぐ近くにいる愛理に手から衝撃波を放ち無理矢理に引き離す。
「ッー!」
衝撃波を喰らい地面を滑って行く愛理にノアは一気に迫り回し蹴りを放つ、攻撃を受け止める準備が出来なかった愛理はまともに喰らい全身を地面に叩きつけられる。
「くっはぁ・・・、ッ!、まだまだぁ!」
地面に叩きつけられた衝撃でクラクラしつつも愛理は地面に着いた手を起点にし回転しながら足払いをし、今度はノアがない倒れた、愛理は倒れたノアに馬乗りになると拳を振り上げる。
「喰らえ!」
「やらせるか!」
馬乗りになる愛理と馬乗りされているノアの拳が交差し、交差した拳は同時に互いの顔に命中する、少女同士、それもどちらも一級品の容姿を持つ二人が殴り合う様子を見て回りの男達は敵も味方も明らかに引いているが、二人は構わず殴り合う、これは我慢比べ先に引いた方が負けなのだ。
「あぁー!」
ノアは声を荒げながら愛理の肩を掴むと地面に押し付け今度は自分が上を取る、そして全力で腕を振り被り愛理の顔を殴った。
「このぉ!」
愛理は手痛い一撃を喰らってもまだまだ引かない、こちらも声を荒げながら相手の鼻先に頭突きを放ち、頭突きを喰らったノアの顔が後ろに仰け反る、愛理は隙ありと左拳を顔に向けて放つがノアは手首を掴む事で止め、愛理の左手を地面に押さえ付けると何度も顔を殴る。
「ぐっ、くはっ・・・」
(このままじゃ負ける・・・、どうする!)
愛理は右手だけでなんとか捌ける攻撃は捌きながらこの状況をどうにかする方法を考える。
(そうだ!)
「ほうらぁ!」
愛理は魔力を籠めて右手を振り上げ地面を思いっきり殴った、その衝撃で二人の体は浮かび、愛理はノアの拘束から抜け出した、先に地面に立ったノアはスマッシュの体勢で愛理を迎え撃とうとする、それを見た愛理は縮地で地面を蹴った。
「わざわざ近付いてくるなんてね!、終わりだよ!」
愛理の横顔に迫るスマッシュ、しかしその攻撃は愛理の鼻先を掠めただけだった。
「なにっ!?」
スマッシュを躱されたノアは慌てて状況を確認する、すると愛理は足を踏ん張る事で縮地で付けた勢いを止めて無理矢理に急停止し、ノアの攻撃を躱したようだった、つまり縮地での加速はノアに攻撃を打たせる為の囮だったのだ。
「トドメ!、山羊の格闘家の連撃拳!」
ノアの懐に入った愛理はガゼルパンチの要領で放つ一撃でノアの顎を殴り上げ、次に左ストレートを放つと見せかけノアにガードを取らせるとリバーブローを横っ腹に叩き込む、それにより大きく体勢が崩れガードが崩れたノアの顔に全力で振り被った右ストレートを叩き込んだ。
「うっ・・・、あっ・・・」
許容範囲以上のダメージを喰らったノアは白目を剥き倒れた、愛理は今の戦闘でダメージを喰らいすぎた為フラつきながらもノアに近付くと手首に手錠をかけてワールドセイバーに送る。
「はぁぁ・・・、逮捕出来たぁ、やったぁ」
愛理はノアに勝てた事を喜びながらセラピーを呼び怪我の治療をしてもらった。




