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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部二章、黒いアーマーデバイスと九尾
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二十三話

地下


感謝の印として愛理に抱き付いていた、レイズとレアリは満足したのか愛理から離れた。


「さて、二人が離れたし話すわね」


「うん」


「私は・・・」


ティナは自身の過去を語り始める。



十年前、ティナはとある孤児院で暮らしていた、レイズやレアリと共に、ある日黒服を着た者達が孤児院に訪れ、三人を買った、その組織が黒いアーマーデバイスを製造している組織だった。


「さっ、これに触れてみて?」


連れて来られた施設で孤児院にいた頃よりも良い生活をしていた三人、十日ほど経った日に研究員らしき女が三人に試作品のアーマーデバイスを渡した、組織が買う子供は黒いアーマーデバイスに適合可能な子供、三人も黒いアーマーデバイスに適合し初の変身をした、しかし試作品の黒いアーマーデバイスでは上手く変身出来ず、変身出来た時間は数秒であった。


「変身出来たのは数秒、それにかなりの負荷がかかったようです」


「ふむ・・・」


変身した三人は試作品の黒いアーマーデバイスの強すぎる負荷に耐え切れず気絶していた、数時間後目覚めた三人はこの施設は居てはいけない施設だと判断し、どうにか逃げ出す算段を相談し始めた、しかし施設の警備は厳重で、まだ幼かった三人には逃げ出す事など出来なかった。


それから七年が経ち、実験動物として黒いアーマーデバイスの変身実験に協力させられ続けていた三人は、同時に戦闘訓練も受けていた、その実力はS級冒険者に勝るとも劣らない程に鍛え上げられている。


「ねっ、二人とも、ここまで強くなったのなら行けそうじゃない?、逃げちゃいましょう」


「良いね、やろう」


「さんせーい」


強くなった三人は不満しかない組織から逃げる事にした、真夜中に作戦を決行し、寝泊まりしていた部屋から出て静かに通路を進む三人、もうすぐで施設から抜け出せると言う所で、黒いアーマーデバイスを持った少女達が現れる、少女達は変身し三人に向かって来た、三人は勝ち目がないと黒いアーマーデバイサー達から背を向け逃げ出したが、追い付かれレイズとレアリが捕まった。


「二人共!」


二人が捕まったのを見てティナは振り返る、しかし二人を捕らえたアーマーデバイサーの他に更なるアーマーデバイサーが後方から迫っていた、何があっても一人だけは逃げ出し、大きな組織の協力を受け組織を潰すと三人で決めていたティナは苦渋の思いでレイズとレアリを置いて、組織から逃げ出したのだった。




「そしてあなたと出会い、そして私はあなたを利用しようとした、勇者の力を持つあなたならみんなを助けるのに使えそうだと思ったから、ごめん・・・」


最初は愛理を利用するつもりだったティナは、愛理と友となった今、彼女を利用するつもりなどない、だから頭を下げてその事を謝った。


「ふふっ、良いよ」


愛理は謝るティナをすぐに許し肩を叩く、許されたティナは顔を上げ安心した様子で微笑む。


「ねっ、黒いアーマーデバイスを作ってる組織にいたのなら、組織の名前知ってるんじゃない?」


「・・・、私はただの実験動物だったから、実験動物にそんな事教えてくれなかったわ・・・、レイズとレアリはどう?」


「・・・、ごめんティー姉、ティー姉と別れた日以来の記憶が何もないんだ」


「うんー、凄く怖い事をしてたような気はするけどー」


愛理は三人の言葉を聞いて、この施設に何か手掛かりがないかと思い、探してみようと思った、それを四人に伝える。


「そっか、ならみんなでここを調べてみよう、ほらあそこに部屋があるし」


愛理が指差す先には大型の転移魔導陣を制御する為らしき部屋がある、あの部屋の中に何か手掛かりがあるかもしれない。


「了解です、先輩」


「まっかせな!、愛ねーさん!」


取り敢えず歳上にはニーサンやらネーサンと付けるらしいレイズと愛理達は、部屋に向けて歩いて行った。



転移魔導陣制御室


「ご丁寧に機械を壊してますね」


「使われたら、私達が転移して来ちゃうからねー、そりゃ潰すよ」


転移魔導陣の制御装置は魔法で徹底的に破壊されている、この様子だと修理は不可能だろう、愛理は転移魔導陣を使い敵基地に乗り込む作戦を諦め、部屋の捜索をする。


「組織の名前もそうだけど、あの転移陣の行き先が分かると良いのだけれど、私がいた施設はあの後行ってみたら、もぬけの殻になっていたわ」


転移の行き先が分かれば、車で向かう事が出来る、慌てて設備を破壊したこの部屋の様子を見るに資料を焼き払う余裕はなかった様子、五人は情報を得れる事を期待して部屋を調べて行く。


「・・・、これでしょうか、クラフトデビルズ?」


「黒いアーマーデバイスを作ってるからこの名前、なのかな?」


セシリアが見つけた資料に組織名が記されていた、組織名はクラフトデビルズと言うらしい。


「ティー姉、愛ねーさん、セーねーさん、これは?」


レイズが場所だけが書かれたメモを見つけた、何があるのかは分からないが行ってみる価値はありそうだ。


「良くやったわ、レイズ、何があるのかは分からないけど、ここを目的地にしましょう」


「うん、早速移動開始だ」


更に調べてみた結果、レイズが見つけたメモ以外何も見つからなかった為、愛理達は施設から出て車に戻り、移動を始めた。




モーテル


愛理達は休みを取る為、丁度見えたモーテルで部屋を取り休む事にした、現在はシャワールームで汗を流しているところだ。


「ふぅん、あなたスタイルいいのね」


「ティナは、その・・・残念だね!、イテテテテ!」


ふざけてティナの体を見たままの感想を言ってみた愛理は、頬を思いっきり抓られる、頬を抓られる愛理は涙目になる。


「何よ、こんな脂肪の塊、このっ!、このっ!」


怒るティナは愛理にはあって自分にないものを揉みしだく。


「あー!、やめてー!、誰か助けて!」


ティナに角に追い込まれている愛理は逃げ出せず、セシリア達に助けを求める。


「まぁまぁ、ティナ、許してあげてください」


「・・・」


そう言うセシリアの何かもプルンと揺れる、それを見たティナは標的をセシリアに移し揉みしだく。


「ティー姉のコンプレックスは相当・・・、ギャー!」


(何も言わない方が良さ・・・)


「あー!」


結局、ティナの魔の手に全員がやられ、四人共が床に倒れた所でティナは満足気な表情でシャワールームから出て行った。

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