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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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二話

ソウフーの森


愛理達はソウフーの森を進んでいる。


「・・・」


愛理は見た油断したラフォリアのスカートがまた捲れ上がるのを、その中の白いパンツを見てしまったが、見なかった事にしてあげて前を見て愛理は歩く。


「もう!嫌です!この森!早く抜けましょう!」


何度もパンツを晒しプリプリと怒っているラフォリアは、愛理と明日奈の前に出てズンズンと進んで行く。


「あっ」


「あら」


そんなラフォリアのスカートがまた捲れ上がり、ラフォリアは顔を真っ赤にして走って言った、そんな彼女の恥ずかしい気持ちを理解する愛理と明日奈は、彼女に同情しつつ、走って彼女を追い掛ける。




ベレー島、船着場


ソウフーの森を出ると目の前にベレー島の船着場が見えた、ここから愛理達は飛空船に乗り、別の島に向かうのだ。


「・・・」


「あはは・・・大丈夫?ラフォリア?」


ようやく立ち止まったラフォリアに追い付いた愛理は、彼女の顔を覗き込み心配した声で声を掛ける。


「あの森、いつか燃やします・・・」


森の風にパンツを何度も大公開させられたラフォリアは、どうやらソウフーの森をいつか燃やすつもりのようだ。


「いやいや、それ大犯罪だからね?やっちゃダメだからね?」


愛理はそんな彼女にそれは大犯罪だとツッコミを入れる。


「・・・冗談です、行きましょう」


明らかに冗談を言っているように愛理には見えなかったのだが、ラフォリアは船着場の中に入って行く、愛理と明日奈は大丈夫かしらと思いつつも何も言わず彼女に着いて行く。


船着場の中に入ると沢山の船、そして飛空艇が見えた、飛空船の前には沢山の乗客らしき集団、飛空艇の前には冒険者のような格好をした集団がいる。


「ねっラフォリア、あの飛空艇の前にいる人達って冒険者?」


飛空艇の前にいる人物達の事が気になった愛理は、彼等についてこの世界出身のラフォリアに質問する。


「ん?あぁ、あれは騎空団の方々です」


「騎空団って?」


「騎空団とは、いわゆる空の冒険者です、未開の島に上陸して宝を手に入れたり、町や騎空団協会の依頼により、空賊団の逮捕なども行う、空の警察ですね」


「ふーん!」


ラフォリアから騎空団に関しての説明を受けた愛理は目をキラキラとさせ尻尾を膨らませる、どうやら騎空団に興味を持ったようである。


「それに騎空団の方々は彼等の後ろに見えている、飛空艇を個人所有する事を許されます、飛空艇の所持は彼等のような騎空団か、軍にしか許されてない特権で、空賊団は飛空艇を違法所有しているのです」


「あんな船を自分で?良いなぁ!」


騎空団ならば飛空艇の個人所有を許されると聞いた愛理は遂には尻尾を振り始める。


「私、ちょっと話を聞いて来る!」


騎空団に興味を持った愛理は、少し興奮した様子で近くにいる騎空団の元に走って行った。


「ふふふ、興味を持った事には一直線なんだから、ああ言う所、小さい頃から変わらないわね」


明日奈は騎空団の団員達と楽しそうに話す愛理を、優しい表情で見守る、明日奈はなんでも良い愛理に夢を持って欲しい、それが騎空団だったとすれば、その夢を愛理に叶えて欲しい、それが明日奈の愛理の祖母としての願いだ。


「さて、ラフォリア、飛空船のチケットを買っておきましょうか」


「はい」


そして明日奈とラフォリアは飛空船のチケットを買いにチケット売り場に向かう、愛理の楽しそうな声に耳を傾けながら。




「またねー!」


「うむ!また会ったら話をしてやるぞ!」


「うん!」


30分後、騎空団の団長との話を終えた愛理が和かに明日奈とラフォリアの元に戻って来た。


「ふふふ、楽しんだみたいね?」


「うん、いっぱい楽しい話をしてくれたよ!サバッチ島の大蛇退治の話とかすっごく面白かった!」


「そう、ふふふ、良かったわね」


明日奈は嬉しそうな愛理の頭を撫でる、愛理は照れた様子で耳をヘニャリとさせながら、明日奈に頭を撫でられて嬉しそうな顔をする。


「そんな楽しい話なら、私も聞けば良かったです」


楽しそうな愛理を見たラフォリアが、自分も話を聞けば良かったと拗ねる。


「後で船の中で話してあげる!」


「本当ですか?ありがとうございます!」


「うん!」


愛理から騎空団の話を聞けると聞いたラフォリアは、拗ねた表情から一転、嬉しそうな表情となった。


「さぁ、二人とも?船に乗りましょうか?」


「はい!」


「うん」


明日奈の誘いに答えた二人の少女は、金色の九尾と共に、飛空船に乗り込んで行った。



飛空船、デッキ


ここは飛空船のデッキ、愛理が飛空船が飛び立つ瞬間をデッキから見たいと言ったので、ここに見に来たのだ、そして愛理がデッキの手すりに手を触れ下を見た所でブーと汽笛が鳴る、飛空船が出航するのだ。


「わぁ!凄い!」


一瞬の浮遊感と共にエンジン音が響き飛空船は空の大南原へと出航した、船が上昇するにつれどんどんと小さくなって行くベレー島、この世界で初めて訪れた町、クーラの町の姿を見る事が出来た。


愛理は空を見渡し、目をキラキラと輝かせる、広い広い無限の空の大南原、遠くには小さく別の島が見え、別の飛空船や飛空艇が空を飛ぶ姿も見る事が出来る、愛理は思う、小さく見えているあの島には何があるのだろうと。


「!、何か来るわ!」


愛理と明日奈の狐の耳がピーンと立つ、何かの音を聞きつけた明日奈がそれを声に出して指摘すると、愛理達が乗る飛空船の下を覆う白い雲を突き抜け、巨大な生物が現れる。


「ドラゴンです!」


雲を突き抜け現れたのは巨大なドラゴンだ、飛空船の横を通り抜け空に向かって行くドラゴンは空で静止すると、愛理を見た。


「・・・」


愛理は一瞬、彼を怖いと感じたがドラゴンと目を合わせた、その瞬間。


「グォォォォ!」


ドラゴンは盛大な咆哮を上げ、もう一度愛理を見つめてから飛び去って行った。


「凄かったね!ねっ!ラフォリア!」


「はい!」


愛理とラフォリアは飛び去って行くドラゴンを見送り、凄かったとはしゃぐ、しかし明日奈は。


(彼は愛理に目を合わせ、愛理を祝福するかの様に咆哮を上げた、それにまるで愛理が空に歩を踏み出すのを待っていた、そんな気がする、何故?愛理が勇者となるべき存在だから?)


ドラゴンが愛理と目を合わせ、咆哮を上げた意味を考えていた。

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