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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部二章、黒いアーマーデバイスと九尾
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十話

ザラマドール国


ザラマドール国は砂漠の国、灼熱の日光がサンサンと降り注いでいる。


「あつー」


妖狐は暑さに弱い、愛理もその例に漏れず早速へばっている。


「しっかりしなさい、これからあなたの力が必要になるのだから」


ザラマドール国に存在すると言う黒いアーマーデバイスはこの国の反乱軍が所有している、恐らく彼等は黒いアーマーデバイスで王を討ち、自分達が国を支配するつもりなのだろう。


「あいー」


「鈴奈、諦めろ、愛理が暑い場所に来たらこうなるのはいつもの事だろう」


「はぁ、それもそうね」


鈴奈はダレダレな愛理の手を掴むと反乱軍の砦へと堂々と向かって行く、これから堂々と反乱軍に喧嘩を売り、黒いアーマーデバイサーをおびき出すつもりなのだ(勇者である愛理がいるからこそ出来る大胆な作戦である、リリーナと鈴奈、二人で来ていた場合はこんな作戦は取らない)。


「止まれ!、何者だ!」


「ガマラ王国のリリーナだ!」


シーン、いきなりガマラ王国の王女だと名乗られた兵士は固まる、鈴奈は彼が固まっている間に爆弾矢をつがえ門に向けて撃ち込んだ、爆弾矢を撃ち込まれた門は見事に吹っ飛ぶ。


(鈴奈は派手だなぁ)


愛理は爆弾矢を撃ち込まれ慌てる反乱軍の面々を眺めながら武器を抜く、正直暑さでフラフラするが、変身すれば大丈夫だ、多分。


「良くも我等の砦の門を!」


迫る反乱軍の兵士、門を吹っ飛ばされて相当ご立腹らしい、怒りの形相を浮かべている、愛理は振り下ろされた彼の剣を躱し、足を引っ掛けると転ばせ顔を蹴る、顔を蹴られた彼は気絶した。


「流石の手際ね!、その調子で前衛をお願いね!」


(と言うか、前衛私しかいないじゃん!)


愛理は内心で鈴奈の言葉にツッコミを入れつつ、イフリートを召喚する、この様な少数対多数の戦いでは、その大きな図体を活かして敵を薙ぎ払うイフリートは非常に便利である、その為愛理はイフリートを召喚した。


「後でお酒飲ませてあげるねー」


「!!」


酒と聞いてイフリートのテンションはMAXになる、物凄い速さで次々と反乱軍の兵士を殴ったり放り投げたりして行く。


「私も何もしない訳にはいかん!」


リリーナはアヴァロンのビームを散弾で発射し、同時に複数の敵を倒す、そして敵が倒れた事により出来た道に高出力のビームを撃ち込んだ、ビームが進む先は砦の中心に存在する建物の扉だ。


「ナイス!」


愛理は破壊された扉から建物の中に入り込もうとするが、建物の中から黒い影が飛び出して来たので立ち止まる、黒い影は愛理に向けて大剣を振り下ろして来た。


「黒いアーマーデバイサー!」


黒い影の正体は黒いアーマーデバイサーだった、愛理は彼の剣を受け止め、変身する。


「悪いけどこっちも暑さで余裕がないの!、だから圧倒させてもらうよ!、モード精霊王!」


愛理は白いドレスを身に纏う姿、精霊王モードに変身する(同時に複数召喚扱いとなる為、イフリートが消える)、そして遥かに向上したパワーで彼の大剣を押し切り、腹に一撃、蹴りを叩き込んだ。


「こちらも行く!、変身!」


リリーナはアヴァロンモードに変身するのと同時に無数のビームを放ち、周りの兵士を纏めて倒す、鈴奈は正確な狙撃で兵士の肩や足を撃ち抜き戦闘不能にして行った。


「!」


黒いアーマーデバイサーの彼は回転斬りを放って来た、愛理はその剣を左手で掴み、彼を持ち上げると地面に叩き付ける。


「エクスブレイカー!」


愛理は彼が立ち上がる前に頭上に剣を掲げ、エクスブレイカーを叩き込んだ、エクスブレイカーに巻き込まれた彼は意識を保ち切れず気絶し、変身が解けた、主人が気絶した事により分離した黒いアーマーデバイスが地面を転がり割れた。


「やったわね、愛理」


「うん、もう戦力は残ってないみたいだし、反乱軍の偉い人の逮捕はこの国の兵隊さん達に任せようか」


「うむ」


黒いアーマーデバイサーを倒した愛理達はこの国の兵隊にこの場を抑えさせる為、兵隊を呼びに行った。



ガマラ王都、王城


一仕事終えガマラ王都に戻った愛理は、リリーナの部屋のソファーの上でゴロゴロしていた。


「愛理、今日はここに泊まるのだろう?」


「うん」


「なら寝間着を用意しておいてやろう、リリーナも泊まるみたいだからな、久々にお泊まり会だぞ」


「良いねー」


メイド達に愛理とリリーナの寝間着を用意させるのだろう部屋から出て行く彼女を見送りながら、愛理はリリーナの飼い猫の頭を撫でる、彼の名前はタマ、命名理由は球の様に見えたからだとリリーナが言っていた。


「ニャー」


愛理に頭を撫でられるタマは愛理の手をペロペロと舐める、愛理は彼が立ち上がる舐めてくれる分、より心を込めて彼の頭を撫でてあげる、するとゴロゴロと喉を鳴らし始めた。


「あらあらゴロゴロ言っちゃってまぁ、そろそろ私にも触らせなさいよ」


愛理がタマにメロメロになっていると鈴奈が部屋に入って来てタマを触らせろと言った。


「やだよーだ、タマも私が良いよねー?」


「ニャー」


「ほら、私が良いってさー」


「こ、この薄情猫め!」


タマに拒否された鈴奈は拗ねた様子で、椅子に座り、机の上に置かれている雑誌を読み始めた。


「って、何これ、猫の服作り指南書?」


「だぁぁぁ!、何を読んでいる!」


部屋に戻って来た、愛理以上にタマにメロメロなリリーナは、鈴奈の手から猫の服作り指南書を引ったくる。


「あらあら、男勝りなあなたも可愛いところがあるのねぇ」


「くっ、わ、悪いか!?、私も女だ、可愛い物が好きなのだ!」


鈴奈にからかわれたリリーナは開き直り、可愛い物が好きだと宣言する。


「あぁ、そうだったわね、クローゼットの中もフリフリした女の子らしい服ばかりですものね」


「ああ!、そうさ!、フリフリした服ばかり持ってるさ!、悪いか!」


「いいえ〜?、可愛いと思うわよぉ〜?」


「っー!」


鈴奈にからかわれ顔を真っ赤にするリリーナの様子をタマと一緒に眺める愛理は、その平和な様子を見ていると眠くなって来た、タマが一度ペロリと頬を舐めて来たのを合図に目を閉じ、一眠りするのだった。



風呂場


昼寝から目覚め、夕食を取った愛理はリリーナと鈴奈と共に風呂に入っていた。


「デカイな」


「ええ、私達の中で一番成長したわね」


リリーナと鈴奈は愛理の胸の成長を確かめ大きくなったと評価する、胸をマジマジと見られる愛理は良いお湯を満喫しており、目を閉じている為、二人の視線には気付いていない。


「・・・」


「・・・」


完全に油断をしている愛理を見て二人はニヤリと笑い合う、そして静かに愛理に近付いていく。


「ひゃっ!?」


そして二人は同時に愛理の胸を鷲掴みにした、突然の出来事に愛理は悲鳴をあげる。


「な、なに?」


そして何事か自分の胸を鷲掴みにする二人に聞く。


「なんでもないわ、ただ触りたくなっただけ」


「うむ」


愛理の質問に答えた二人は愛理の胸を揉み始める。


「二人がそのつもりならこっちも反撃するからね!」


しかし愛理も大人しく揉まれたりなどしない、二人の胸に手を伸ばし反撃する。


「望むところだ!」


「かかって来なさい!」


この後風呂場で遊びすぎた結果、のぼせて湯船の上に浮かんでいる三人がメイドに見つかった。

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