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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
二章、島と島を巡る旅と三尾
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一話

宿、マナマナ荘


朝、愛理は視線を感じたので目を開けるすると。


「おはようございます、愛理」


ニコニコと満面の笑みを浮かべているラフォリアがドアップで視界に映った、その奥では明日奈がニコニコしている、愛理は明日奈のあの顔の意味をなんとなく理解する、あれは随分と仲良くなったのね〜良かったわね〜といった顔だ。


「おはよ、なんで私のベッドの横に座ってニコニコしてるの?」


身を起こした愛理は自分が寝ている間にラフォリアに何をしていたのか聞いた。


「部屋に入ったら可愛い狐さんが寝ていたので、寝顔を見ていたのです」


ラフォリアは愛理とパーティを組んだ日からこの宿で寝泊りをしている、そして彼女はどうやら愛理の寝顔を見ていたようだ。


「寝顔見ないでよぉ、恥ずかしい」


「うふふ、本当に可愛い天使さんでしたよ?」


「う〜」


寝顔を見られて恥ずかしい愛理は尻尾を膨らませて抗議し、ラフォリアは恥ずかしがる愛理をかわかう、明日奈は二人の様子を見て頬に手を当ててあらあらまぁまぁしている。


「着替えるから離れて」


「手伝いますよ?」


愛理が着替えると言うとラフォリアは手をワキワキさせながら手伝うと言って来た、やたらと滑らかに動く手を見た愛理は思わずさっと身を隠す。


「・・・そうやって目の前で体を隠されると本当に触りたくなりますね・・・」


鼻をフンフンさせるラフォリアはそう言うと愛理に近付いていく。


「いーや!来ないで!」


愛理は尻尾の毛を逆立たせ、ラフォリアから背を向け逃げる、そんな愛理を見たラフォリアは逃げる愛理を見て追い掛けたくなったのか、鼻をフーンフーンさせながら明日奈を追い掛ける。


この後愛理は結局、ラフォリアに捕まり、ラフォリアに素っ裸にされ、ラフォリアにお着替えさせられた、ラフォリアは愛理とパーティを組んだ日から何かが変わった、愛理にとって迷惑な方向へ・・・。




クーラの町


宿を出た愛理達はこの日で見納めとなる、クーラの町を歩く、このクーラの町から東にあるベレー島の船着場に向かい次の島へと向かう予定だ。


「あっ!おねーちゃん!」


噴水広場を抜けて町の東側の門に向かっていると、愛理がリボンをあげた少女シリカと出会った。


「よっ!シリカちゃん!」


愛理はシリカの側に行くと、自分よりも背が低いシリカの顔の位置に身を屈めてから、手を上げて挨拶する。


「うん!おねーちゃん、これから何処に行くの?」


シリカは愛理に何処に向かうのか聞いて来た。


「別の島だよ、ごめんね?シリカちゃん、多分暫く会えなくなるの」


「えー・・・」


愛理が別の島に行くと聞いたシリカは残念そうな表情を見せる、そんな彼女の顔を見た愛理はシリカの頭を撫でてから口を開く。


「暫くは会えなくなるよ?でもね?必ずまた会いに来る、だから待っててくれるかな?シリカちゃん」


「・・・うん」


シリカは幼いながらも理解しているのだろう、冒険者が長い間、一つの町に留まることが無いと言う事を、だからシリカは悲しそうな表情を浮かべつつも、頷いた。


「それじゃまたね?シリカちゃん」


「うん、またね?おねーちゃん」


そして愛理は幼い少女、シリカと別れの挨拶をする、愛理は最後にシリカの頬に尻尾を優しく当てると、明日奈とラフォリアと共にクーラの町を後にした。




ソウフーの森


ここはソウフーの森、常にヒューヒューと強い風が吹き抜けている森で、この先に島と島を繋ぐ飛空船の船着場がある。


「ひゃっ!?」


森に入るなり油断していたらしいラフォリアのスカートが捲れあがった、ラフォリアは慌ててスカートを抑える、ちなみに愛理はスカートだがスパッツを履いてるので捲れ上がっても心理的なダメージは少なく、明日奈はズボン着用である。


「不覚でした・・・」


「まぁまぁ」


幸いここには同性の愛理と明日奈しか居ないとはいえ、スカートが捲れ上ると言う事は、女の子にとっては恥ずかしい物である為、ラフォリアは肩をガックリと落として落ち込む、愛理はそんなラフォリアの肩を叩き慰める。


「油断は禁物ってやつね」


「はい・・・愛理のお婆様」


明日奈も肩を叩き、ラフォリアに油断は禁物だと伝える、ラフォリアは明日奈の言葉を聞いて頷く、そしてラフォリアは明日奈が愛理の祖母だと愛理から聞いている、このまま隠していても面倒臭いだけだと愛理に言われた明日奈が、ラフォリアに自分から伝えたのだ。


「!」


「!」


そしてラフォリアスカート捲り上がり事件を終えた愛理達が歩を進め始めると、愛理と明日奈の耳がピコーンと立った。


「お二人共、どう致しましたか?」


二人の耳のピコーン具合を見たラフォリアは二人が何か音を聞きつけたのだろうと思い質問する。


「何かいる、よね?お婆ちゃん」


「ええ、居るわ、二人共?戦闘準備」


愛理と明日奈は何かが葉が掠れる僅かな音を、よく効く狐の耳で捉えたのだ、音を聞きつけた明日奈は二人に戦闘準備をするように言い、愛理とラフォリアは武器を抜き構える。


「グヘヘ、ニンゲンダ、マチヲデタバカリノニンゲンダ」


「マチヲデタバカリノニンゲン、タクサンノショウクリョウ、モッテル、オレタチソレヲイタダク」


森の茂みの中から出て来たのは五体のゴブリンだった、どうやら愛理達の食料を狙っているらしい。


「あげないよーだ」


愛理はゴブリン達にあっかんべーしつつ、食料は渡さないと彼等に伝えた。


「ソンナコトハ、イワレナクテモ、ワカッテル」


「ソウダ、オレタチハ、ムリヤリ、オマエタチカラ、ショウクリョウウバウ!」


そしてゴブリン達は棍棒を構え飛び掛かってきた。


「戦闘開始よ!怪我しないように!」


「はい!」


「了解!」


愛理達は飛び掛かって来たゴブリン達を迎え撃つ。




まず愛理がゴブリンを迎え撃った、愛理は振り下ろされる棍棒を力で無理矢理に弾くと、狐火をゴブリンニンゲンダ浴びせた、愛理に燃やされたゴブリンは熱さにもがき苦しむ。


「ストライクランス!」


ラフォリアは槍を横に振るい、二体目のゴブリンの足を止めてから、突きを放った、ラフォリアの突きは的確にゴブリンの心臓を貫いており、心臓を失ったゴブリンは崩れ落ちる。


「よいしょ!」


愛理は明日奈が居る方に向けてゴブリンを蹴り飛ばした、飛んで来るゴブリンを見た明日奈は一閃、ゴブリンを斬り裂いた。


「ホワイトローズ、ガンモード」


『Yes』


そして明日奈はホワイトローズをガンモードにし、ゴブリンを撃ち抜いた。


「こいつで最後!」


光の剣、ホーリーソードを発動させた愛理は先にタックルを放ち、ゴブリンの体勢を崩してから、ゴブリンを斬り裂き、仕留めた。


「ふぅ、終わりましたね」


「うん」


戦闘を終えた愛理達は武器を仕舞い、森を歩く。

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