十五話
ワールドセイバー地球支部、訓練場
ワールドセイバーの訓練場で、愛理とセシリアの激しすぎる模擬戦が行われようとしていた。
「行っきますよぉ!、先輩!」
ミョルニルを装着し、愛理と向き合うセシリアは愛理に向けて駆け出した。
「来なさい、セシリア君」
対するスピリットフォーム、アクエリアス(ペットボトルの水で少し無理矢理に変身)に変身している愛理はセシリアのハンマーをエクスカリバーで止めた。
「・・・」
ハンマーを受け止めた後、愛理はセシリアの足を蹴り転倒させる、そして顔に剣を突き付ける。
「私の勝ち、さぁ次、やろうか」
セシリアは今の一瞬の戦いで理解する、例えアーマーデバイスが使えるようになったとしても、愛理と自分には大きな経験の差がありまだまだ追い付けないのだと、だからこそセシリアは愛理に追いつく為にもっともっと努力しようと思う。
「はい!」
セシリアは立ち上がり、ミョルニルをしっかりと握ると愛理に一気に近付く、そして下からハンマーを振り上げる。
「ていっ!」
愛理は手のひらに魔力を纏わせるとハンマーを手で止めた、そして彼女をそのまま上に放り投げる。
「こん、のぉ!」
セシリアは天井に体を反転させて着地すると、天井を蹴り愛理との距離を一気に詰めてハンマーを振るう、愛理はそれを剣で受け流し、セシリアの体を蹴った、蹴られたセシリアは尻餅を着く。
「立って、次、やるよ」
かつて自分の師匠達がしてくれたようにセシリアを鍛え上げるつもりの愛理は、すぐにセシリアに立つように言う、強くなる為には休んでいる暇はない。
「分かっています、次お願いします!」
地球支部、屋上
「はい、水」
「ありがとうございますぅ」
愛理は先程まで行っていた訓練で疲れ果てたセシリアに水を渡す、セシリアはゆっくりとペットボトルに手を伸ばし蓋を開けるとグビグビ飲む。
「最後、いい感じだったよ」
「えへへ、そうですかぁ?」
セシリアは最後の戦いで愛理の手を跳ね上げた、今までは受け流されてばっかりだったのにだ、すぐさま愛理は立て直しセシリアに衝波を当てて転倒させられたのだが、それでも攻撃を当てる為の隙を作りかけた、これは大きな前進だ。
「ん?、お婆ちゃんからだ、逃げてる犯人が居るから捕まえて来いだって、行って来るわ、セシリアは休んでな」
「良いんですか?、私、行けますよ?」
「大丈夫」
愛理は行けると言うセシリアの肩を叩き、任務に向かう。
第26世界インラーシダ、ラースダ市
愛理は尻尾をフリフリ揺らし、犯人を探す、どうやら他のエージェントが捕らえきれなかった犯人達が、この街を走り回り逃げているらしい、愛理が捕まえるのはラースダ市の西の方に逃げたと言う者だ。
「居た、あんなに必死に逃げてると目立つなぁ」
フリフリ振っている尻尾を止めて、犯人を見つけた愛理はビルから飛び降りる、室外機などを辿り地面に降りた愛理は、全力疾走犯人を追う。
「よっと!」
自慢の走力で犯人に追い付いた愛理は彼の前に回り込み銃を構えた。
「くそっ!、ワールドセイバーか!」
「はい、ワールドセイバーです、お縄について下さいな」
「断る!」
男も銃を抜き撃って来た、愛理は横に飛んでかわし、足を狙って撃つ、男は物陰に飛び込んで愛理の弾を避けた。
「喰らえ!」
物陰から銃だけを出し男は銃を撃って来る、愛理は弾を避けながら男の銃を撃ち抜き男の手から奪った、そして物陰に隠れる男を放り投げると拘束する。
「はい逮捕、地球支部行きね」
「くそぉ!」
愛理は男を問答無用で地球支部に送り、任務は完了した、後は他のエージェント達が他の逃げている犯罪者を捕まえている筈だ、後はもう帰っても大丈夫だろう、愛理は転移し地球支部に戻って行った。




