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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部一章、愛理とワールドセイバー
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十二話

チーム72


「おはー、・・・ってどったのお婆ちゃん?」


愛理が変な朝の挨拶をしつつチーム72の部屋に入って来ると、明日奈が何か悩んでいる様子であった、愛理は気になったので質問してみる。


「ラバルとミーヤが帰ってこないのよ、今日の朝、潜入任務を終えて帰って来る筈だったんだけどね・・・」


ラバルとミーヤとはチーム72のチームメンバーで、愛理とセシリアと同じくコンビを組んでいる。


「・・・、何かあったのかな?」


潜入任務から帰って来ないと言う事は潜入先でワールドセイバーのエージェントだとバレたか、潜入先から何か帰って来れない事情があると言う事だ、その場合チームリーダーの判断で別のコンビを確認に向かわせる事がある。


「分からない・・・、だからこそ、確認に行ってもらえるかしら?、愛理」


「分かった、行くよ、セシリア」


「了解です」


愛理はセシリアと共に仲間の安否の確認に向かう。



第536世界、王都リリミザ


ここは王都リリミザ、ラバルとミーヤはこの国が黒いアーマーデバイスを手に入れたとの情報を得た為、使用される前に回収する為にこの国に潜入していた、しかし任務の成功失敗に関わらずこの日に帰還する予定だったのだが、帰って来ない為、愛理とセシリアがこの国に安否の確認にやって来た訳だ。


「いるとしたらあの王城ですけど、なんですかあの警戒態勢・・・」


「簡単には入れないね・・・」


やはりラバルとミーヤの正体がバレてしまったのだろうか?、その影響なのかは分からないが、入り口や塀の上など至る所に兵士が立っており、かなり厳重な警戒態勢となっている、これは簡単に中に入れそうにない。


そして入り口の門には何か魔力を感じる、もし姿消しの魔法を打ち消す魔法が施されていた場合、侵入しようとしている姿が丸見えになるだろう、その為安易にレオの能力を使いあの門を通るべきではない。


「・・・」


王城への入り方を悩む愛理はジーと王城に向かって行くこの国の紋章らしきマークが入った馬車を見る、兵士達は荷台の中の確認をし、怪しい所がないと判断すると中に通している。


「ねっ、あれを使おうか」


「そう言うと思いました、まずは馬車を捕まえましょう」


愛理とセシリアは馬車を捕まえる為、一度王都から出た。



平原


愛理とセシリアは街道近くの木に登りあの紋章が入った馬車が通るのを待つ。


「来た、セシリア?、サポートをお願い、もし荷台から何か出て来たら対処して」


「分かりました」


愛理は近付いてくる馬車が木の真下に入った所で飛び降りる、ドン!、とわざと派手に着地音を鳴らして馬車の上に降り立った愛理、馬車の御者は着地音を聞いて振り返る。


「だ、誰だ!」


御者は馬車の上に降り立った筈の何者かに向けて叫ぶが、馬車の上には誰もいない。


「死にたくなければ手を上げろ、ちょっとでも怪しい動きをすれば殺す」


わざと派手に着地音を鳴らす事で御者を振り返らせた愛理は、御者の真後ろに早い動きで回り込み、後ろから首筋に剣を突き付け脅迫する。


「わ、分かった何もしない、何をして欲しいんだ?」


御者は愛理の動きから只者ではないと判断し、降参し手を上げる、そしてこちらの目的を聞いて来た。


「私達は王城に入りたいの、協力して、報酬は(ワールドセイバーが)沢山出すよ」


「報酬は沢山・・・、分かった、協力する、それで?、何をすれば良い?」


「ただ運転してくれれば良いよ、私達は荷台の荷物の陰にでも隠れておくから」


「バレた場合責任は持たないぜ?」


「分かってる、バレた時はあなたが逃げる為の時間稼ぎとして派手に暴れてあげる、あなたはその間に遠くに逃げて」


具体的には迫る兵士達を殴り倒し蹴り倒すつもりである。


「了解だ、それじゃ行こうか」


「うん」


御者は馬の手綱を持つ、愛理は御者の肩を叩いてから、セシリアが様子を伺っている荷台に向かう。


「中はどう?」


「荷物は箱に詰められた麦の束のようです、中に入れば見つからないかもしれないですよ」


「うーん、兵士に掻き分けられて調べられたら終わりだけど、この中に入るしかないね」


「ですね」


愛理とセシリアは既に進み始め揺れる荷台の中で麦の束が入った箱の中に入り身を隠す。



王都


場所は再び王都、馬車は徐々に検問に近付いていく。


「止まれ、中を確認する」


「どうぞ」


御者の声が聞こえ、兵士が荷台に上がり込んで来た音が聞こえた、愛理とセシリアは冷や汗を流しながらバレないように祈る。


「・・・、異常なし、良いぞ入れ」


兵士は箱の中身の確認はせずチェックを終えると荷台から降りて行った、バレるのではないかと尻尾の毛を逆立てて警戒していた愛理はホッと安心する。


検問を通り抜けた馬車は、目的地である食料庫へと進んで行く。

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