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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部一章、愛理とワールドセイバー
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八話

ワールドセイバー地球支部、訓練所


朝、体は快調、元気に出勤した愛理は訓練所でうーんと体を伸ばしストレッチをしている、セシリアも一緒である。


「怪我しないためにも大事だからねー、真面目にやるんだよ?、セシリア」


「分かってますぅ」


若干面倒臭がり屋な所があるセシリアは愛理に言われてから真面目にストレッチをやり始める、愛理はそんなセシリアに微妙な視線を送りつつ立ち上がり、剣を抜くと素振りを始めた、このままトレーニングに移行するのだ。


「よーし、私も!」


真面目なストレッチを終え、セシリアもトレーニングを始める、ハンマーを扱う彼女は強靭な腕の筋肉が必要だ、体に重りを付けると腕立てを始める。


ワンセット三百回の素振りを五セット終えた愛理はスクワットを始める、しっかりと下に体を沈めてまた上に伸ばす、を繰り返し足に負荷を掛けていく。




「ふぅ、先輩、そろそろ走りましょう」


一通りのトレーニングを終えたセシリアは愛理に走ろうと伝える。


「了解」


ダンベルを持ち上げていた愛理はダンベルを下ろしセシリアの隣に立つ、これから行うのはただのランニングではない、体力の限界まで全力で走り続ける全力疾走トレーニングだ、これをするとかなり体力が付くので二人は毎回行なっている。


「位置についてー、ヨーイドン!」


愛理の掛け声と共に二人は全力疾走をする、二人の全力疾走はやはり愛理の方が速い、しかしセシリアは追い付けなくても引き離されても諦めず愛理に追い付こうと必死になって走る、愛理はセシリアが自分に必死になって追い付こうとしているのが分かっている為、手を抜かず全力で走る、簡単に追い付かせるつもりなど毛頭ないのだ。


「はぁっ!、もう限界・・・」


遂にセシリアの限界が来た、体力を限界まで使い切ったセシリアは両手を地面に着き肩で息をする。


「はぁはぁ・・・、よく頑張ったね、セシリア、前より全然走れるようになった」


こちらも限界まで走り切り、体力の限界である為ゆっくりとセシリアのところに来た愛理は、セシリアを褒める、最初の頃は十秒程度しか愛理の全力疾走に着いて行けなかったセシリアは現在は四十秒ほど着いて行けるようになった、これは大きな成長なのだ。


「まだまだです、先輩はあの速さで三分ほど走ってたじゃないですか、せめて一分半程度は着いて行けるようにならなきゃです」


愛理に追い付くつもりのセシリアはそう言うと笑いながらガッツポーズした、愛理は彼女のそんな様子を見て、そのうち追い抜かれそうだと思いつつ、セラピーを召喚し、疲れを癒してもらった。



第26世界インラーシダ、ラースダ市


何かと愛理や愛理の家族が犯罪者を捕まえる為に訪れる事の多い第26世界の都市の一つであるラースダ市、現在愛理はこのラースダ市で犯罪者を追っている、今回のターゲットはビーム兵器の密輸を行なっている、組織の取り締まりだ、これから直接乗り込んで、密輸犯達の逮捕と、ビーム兵器の確保を行う。


「ここですか?、どう見ても家ですよぉ?」


「みたいだよ?」


愛理とセシリアの目の前の家はどう見てもただの一軒家だ、少し庭が広い程度で倉庫などもない。


「まぁ、調べさせてもらうだけさ」


ワールドセイバーの諜報部がここと言ったのなら、この家にビーム兵器は隠されているのだろう、そう判断した愛理はドアをノックする、するとすぐに一人の男が顔を出した。


「はいはい、どちら様?」


「こう言う者ですぅ、ちょっとこちらの家に武器の密輸疑惑が掛かっていまして、調べさせてもらいますね」


「なっ!?、ワールドセイバー・・・、わ、分かった」


家主の男はワールドセイバーと聞いて驚いた顔をした、愛理はその顔を見てこの家には確実に物があると判断し、男にこの世界の取り調べ許可書を見せてから、家の中を捜査し始める。


「見た感じ、二階、一階はないですよね」


「うん、任務書によると大量の武器を密輸していると書いてた、この家の二階や一階の物入れや壁にはそんな大量には隠せない、あるとしたら屋根裏部屋か、地下室か、庭だね」


まず愛理とセシリアは二階に向かい、屋根裏部屋を探す、すると案の定あったので入ってみるが何もない、ここはハズレのようだ。


「ないか、次は下だね」


「はい、それと彼はどこかに連絡していました、仲間を呼んだのでしょう」


「ふふ、仲間があっちから来てくれるなら好都合だよ、わざわざ捕まえに行く必要がなくなるからね」


話しながら地下室に入った愛理は見た途端ここにはないと判断する、狭過ぎるのだこれでは任務書に書いてあるような大量の武器は保管できない。


「庭ですか・・・」


「うん、でもどう見ても普通の庭だったんだけどなぁ」


愛理とセシリアは最後の候補である庭を捜査する為、地下室を後にした。





「はっ!、どうだ?、何もねぇだろ!?、帰れよ!」


「うん、ここを調べて何もなかったら帰るよ、だからちょっと待ってて」


「くっ」


愛理に食い下がる男だが、愛理の言葉を聞いて引き下がる、取り調べ許可書がある時点で男に言える事は少ない、彼に出来る事と言ったら今のように二人を威圧する事くらいだ、しかしこの程度は慣れている二人は全く萎縮せず、庭の捜査を行う。


「と言っても、フツーの庭ですね・・・」


見渡して見てもただ綺麗な芝生が生えた庭が見えるだけ、一見何も隠せなさそうにしか見えない。


「そうだね・・・、来て!、ライブラ!」


「やぁ、愛理」


愛理は一見普通の庭に見える庭を調べる為にライブラを召喚する。


「ライブラ、この庭を調べてくれないかな?」


「分かった」


重力を司るライブラは、重力波を感じて地下空間の探索が出来る、愛理の庭の捜査を頼まれたライブラは早速重力波を感じて地下空間の探索を行った。


「ここだね」


何かを見つけたライブラは庭の左端に歩いて行くと指差す、愛理がそこに行き少し掘ってみるとスイッチが現れた。


「ふぅん、こう言う事か、お手柄だねライブラ、ありがと」


「良い、それじゃ」


仕事を終えたライブラは帰って行った、彼を見送った愛理は、現れたスイッチを押す、男は愛理がスイッチを押す様子を青い顔で見守っている、そしてスイッチを押して数秒もすると地面がスライドし階段が現れた、この下が武器の隠し場所だ。


「さぁ、証拠を見つけた、何か申し開きはあるかな?」


「ねぇよ、だがこのまま捕まったりしねぇ!、行くぞテメェら!」


男の掛け声と共に彼の仲間達、それも任務書の記載通りの人数が襲って来た、愛理とセシリアは彼等を余裕で拘束し逮捕するのだった。



地下空間


愛理とセシリアは武器の回収をする為地下空間に入る、そこには大量の武器が入った箱が積み上げられており、そのうちの一つをセシリアが手に取り確認してみたが、確かに本物だった。


「さぁ、送っちゃおう」


「はい」


二人は転送用のお札を箱に取り付け、次々とワールドセイバーの物資回収室に送るのだった。



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