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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部一章、愛理とワールドセイバー
153/422

二話

アメリカ、ニューヨーク


ヒューンと電気自動車が行き来する未来のニューヨークのとある道で、愛理はバイクに乗り信号待ち中だ。


やがて信号が青に変わり、愛理は目的地であるスーパーへとバイクを走らせる、朝、冷蔵庫の中を焼いたパンを咥えながら覗いてみると、食材を切らしていたので、出勤時間までに買い物を済ませておくつもりなのだ。


「着いたっと」


バイクを走らせ目的地のスーパーに辿り着いた愛理は、バイクを駐輪所に止め鍵を抜くとポケットの中に入れ、スーパーの店内へと向かうのだった。



ワールドセイバー地球支部


食材を買い終わり冷蔵庫に収めたワールドセイバーの制服を着た愛理は、尻尾をゆらゆら揺らしつつ、地球支部に入ったその足でそのままエレベーターに乗り込み上に向かう。


「おっ、これいーな」


エレベーターの壁に埋め込まれている液晶には異世界の通販番組の映像が流れている、今紹介している商品は、自動掃除機だ、なんでもスイッチを押し掃除して欲しい箇所を設定するとどこでもピカピカにしてくれるらしい、一人暮らしである愛理には魅力的な機械である。


「でも、今月もう、お金ないしなー」


まだ下っ端エージェントである愛理の給料はさして良いものではない、騎空団として働いていた頃の方が財布の中身が豊かだった程だ。


「まぁ、食べるのには困らないしねー、我慢我慢」


しかし少ないと言っても、衣食住に困る程ではなく、毎月ワールドセイバーで出来た友人と遊びに行く程度の余裕は有しており、たまに給料日前の夕食が少し寂しくなったりする程度である。


自動掃除機の購入を我慢した愛理はエレベーターから降りると、チーム72の部屋に向かう。





チーム72


ガチャバタン、と言う音と共に愛理はチーム72の部屋に入る、部屋を見渡すと他の同僚はいない、恐らく既に任務に出かけているのだろう。


「おはよう、愛理」


「おはよー」


挨拶をして来た明日奈に挨拶を返し、愛理はソファに座る、そして机の上に置かれている紙を読み始めると、セシリアが部屋に入って来た。


「おはようですぅ、先輩」


「おはよ」


愛理の相棒は挨拶を終えると愛理の隣に座り、愛理が読んでいる紙を読む、現在愛理が読んでいる紙は、他のチームが担当した犯罪組織本部の摘発について記した報告書だ。


「うわっ、こちらのエージェントが二人怪我してますよ」


「うん、レーザー兵器を使われたみたい」


いくら鍛え上げた体でもレーザー兵器は問答無用でその防御力を上回って来る、その為レーザー兵器は絶対に躱さなければならない武器の一つなのだが、担当したエージェント達は当たってしまったらしい、その点についての反省点も報告書には記されている。


「あなたも気を付けなさいよ?、愛理、あなたにも私にもあの武器は当たれば通用するわ」


「うん」


「でも急速に犯罪組織にレーザー兵器が広まりましたよねぇ、何かきな臭いですぅ」


そう、ここ最近急に犯罪組織にレーザー兵器が広まり出した、その前までは魔導銃や実弾、通常の剣などが多かったのにだ、明らかに怪しい広まり方を感じたワールドセイバーは既に探りを入れ始めているがまだ詳細は不明である。


「まっそのうち何か上から知らせが来るわ、そんな事よりも、し、資料の整理、手伝ってくれない?」


急に話を変えた明日奈、彼女の机の上には大量の紙が山のように置かれている。


「・・・」


それを聞いた愛理は仕方ないなとため息を吐きながら明日奈の机の側に椅子を持って行き、どっかりと座ると資料の整理を手伝い始める、ジーとセシリアに視線を送ってみるが逸らされた、どうやら彼女は手伝ってくれないらしい。


「ありがとぉー、手伝ってくれないホワイトローズと違って、天使よー最高の孫よぉ」


「はいはい」


抱き着いてくる明日奈を躱しつつ、愛理は大量の資料との戦いを始めるのであった。



「終わったぁ」


疲労困憊と言った様子の明日奈はぐったりと椅子に体重をかける、愛理は疲れた様子の祖母を労い、肩を揉んであげる。


「あーそこそこ、もっと強く・・・」


明日奈の注文通りに愛理は肩を揉んで行く、嬉しそうに明日奈の尻尾は揺れているので、本当に気持ちが良いのだろう。


「こうしているとあなたが小さい頃を思い出すわ・・・、あんな小さかった子がこんなに大きくなってね」


「・・・、どこ見てるのかな」


「なんでも〜」


前半は真面目だったのに後半はふざけて愛理の胸をガン見する明日奈の頬を愛理は引っ張ろうとするが、ヒラリと躱された、何度引っ張ろうとしてもヒラリヒラリと躱されるので諦め、肩を揉む作業に戻る事にする。





肩揉みを終えた後、三人でコーヒーを飲んでいると明日奈の端末がピロリと言う音を鳴らす、どうやら任務が来たようだ。


「第469世界で不審な集会、すぐさま向かい調査し、危険な集会だと判断出来た場合、集まっている者を全員逮捕せよだって、行ってくれるかしら?」


「行かせてもらいます、んじゃ、行こうか、相棒」


「はい、先輩」


愛理はセシリアを伴い、怪しい集会の調査任務へと向かった。

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