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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第二部一章、愛理とワールドセイバー
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一話

ワールドセイバー、地球支部三十二階


「ハロー、愛理」


「ハロー」


愛理は一本だけ出している尻尾を揺らしながら、セシリアと共に自身のチーム、チーム72がある階を歩く、そして愛室をして来た別のエージェントに挨拶をし、チーム72の部屋に入った。


「あら、お帰り愛理」


チーム72の部屋に入ると、明日奈が椅子に座り、チーム72部長と書かれた札が置いてある机の上に広げられた資料の整理をしている場面に出くわした。


あんまり資料が溜まりすぎると明日奈は愛理に家族だから良いでしょと、資料整理の手伝いを頼んで来る、その為今の場面は速攻で逃げたい場面だ。


「何よその顔、この位一人で出来るわ、そんな事よりも任務が来たから行って頂戴」


どうやら今回の資料整理は一人で出来るらしい、明らかに嫌そうな顔をしている孫娘の顔を見て明日奈は拗ねつつも、今丁度来た任務の内容を愛理とセシリアのワールドセイバーの端末に送る。


「また、世界を股にかけてご活躍中の、麻薬の売人さんの逮捕かぁ、分かった、行って来る、行くよ?、セシリア」


「はいですぅ!、先輩!」


明日奈から任務を貰った愛理はセシリアと共に転移した。




第26世界インラーシダ、ラースダ市


ここは何かと犯罪が多い世界インラーシダ、愛理はセシリアを伴い、この世界のラースダ市に転移して来た。


愛理の今の仕事、ワールドセイバーのエージェントは、今愛理がしているように世界を股にかけて犯罪を犯す犯罪者の逮捕が主な目的である、世界の危機が訪れればそれの対応に向かうのがワールドセイバーの存在理由の一つでもあるが、一応は平和な現在は世界警察のような仕事が基本である。


「今回の売人さんの名はコールと言うらしいですぅ、この町の三番街に拠点があるみたいですよぉ」


「了解、そこに行ってみよう」


愛理はポニーテールと尻尾を揺らし、どこか荒んだ印象の街を歩く、少し路地裏を横目で見れば、貧困に喘ぐ者がジッとこちらを見ていた、愛理は知っているアレと目を合わせてはいけないと、愛理は彼を無視して、コールの拠点へと歩いて行く。



コールの拠点


「どうですぅ?、先輩?」


「うーん」


愛理は現在、エージェントとしてかなり有用な身体機能である、狐の耳を使ってコールの拠点の中の音を探っている、もし音がすればコールはあの家の中にいる、しなければコールは別の場所にいる、いなかった場合の調査場所も諜報部隊が調べている為、すぐにそっちに向かえるようになっている。


「音がする、いるよ、それと相手は一人だね」


微かな物音を感じた愛理は銃を抜き、周囲を見渡す、上に登れる所を探しているのだ。


「了解ですぅ、私はいつも通り正面から入りますねぇ」


「お願い」


愛理はセシリアと拳を合わせてから室外機などを辿り屋根の上に登った、そしてコールが息を殺して隠れている部屋の窓に視線を合わせると、屋根から飛んだ。


「なんだ!?」


パリン!と、窓が割れる音と共に愛理はコールが隠れる部屋に飛び込む、部屋の中のコールは驚き音がした方向を見て、愛理の姿を見るとその正体を察し、銃を構えた。


「ワールドセイバーのエージェントだろ?、俺も有名になったもんだな」


「うん、この通り私はワールドセイバーのエージェント、そしてあなたを複数の世界での麻薬の売買の容疑で逮捕します」


ワールドセイバーのエージェントかと聞かれた愛理は、端末の裏のワールドセイバーの紋章を見せてから、コールを逮捕すると宣言した。


「はっ!、捕まるかよ!」


捕まるつもりなどないコールはトリガーに指を掛けて引こうとするが・・・。


「はい、逮捕ですぅ」


こっそりとコールの真後ろに迫っていたセシリアに手錠をかけられ、地球支部に送られてお縄となった、この作戦まず愛理が大きな音を立てて敵の注意を引き、こっそりと犯罪者の後ろに迫ったセシリアが手錠をかけると言う、犯罪者が一人であった場合の二人の黄金パターンなのだ。


「ふふっ、上手く行ったね、セシリア」


「はい!」


愛理とセシリアは作戦の成功を喜び合う、そしてコールが薬を売り付ける先の場所を記した資料や、他のバイヤーの居場所を書いた紙を回収すると、二人共に地球へと転移して行った。



ワールドセイバー地球支部、チーム72


「ご苦労さん」


愛理とセシリアがチーム72の部屋に戻って来ると、既に任務の成功の知らせを受けた明日奈が、二人にご苦労さんと言って来た、部屋を見渡してみると残り三人いる他のエージェントは居ない、恐らく任務に出ているのだろう。


「はぁい、報告書書くねー」


「私も書きますぅ」


「はいはい」


明日奈は二人に報告書を書くための用紙を渡す、受け取った二人は自分の机に向かい椅子に座ると、報告書の作成に取り掛かる。




「ふぅ、終わりっと」


三十分後、愛理は報告書を書き終えた。


「えー、早いですよぉ、先輩、提出した後も待ってて下さいねぇ?、一緒に晩御飯食べましょう」


「ふふふ、はいはい」


セシリアを待つ事になった愛理は、明日奈に報告書を提出すると、ソファに座り机の上の籠に入れられていた、市販のクッキーをサクサク食べる。


「愛理、これも美味しいですよ」


机の上に座り、自分の頭程の大きさがあるチョコを彼女専用のナイフで切って食べていたホワイトローズは、愛理にチョコも美味しいと伝えて来た。


「んー?、それじゃ一つ」


ホワイトローズに言われチョコも食べたくなった愛理は、一つ手に取り口に含む、するとチョコの甘くて苦い味が、口の中に広がった。


「ふふ、美味しーよ、ホワイトローズ、教えてくれてありがと」


「いえいえ」


愛理がホワイトローズと戯れていると、資料を書き終えたらしいセシリアが近付いてきた。


「はぁー、終わりましたぁ、さぁご飯を食べに行きましょう」


「うん、行こっか」


愛理はソファから立ち上がると、明日奈に手を振ってからセシリアと共に部屋から出た。




アメリカ、愛理の部屋


ここは愛理が借りている部屋、ワールドセイバーのエージェントとして働くようになったのと同時に独り立ちした愛理は、現在アパートの一室を借りて一人暮らしをしている、このアパートはワールドセイバー地球支部から五分ほどにある物件で、一人で暮らすのに丁度良い広さである所を愛理は気に入っている。


「ただいまー」


部屋には誰も居ないが愛理は気分で部屋にただいまと告げる、そしてエクスカリバーが中に入っている鞄を机の上に置くとベットに飛び込んだ。


「ふー、やっぱり自分の部屋って落ち着くなぁ」


ある程度くつろぎ終わり、ベットから立ち上がった愛理は、着替えを手に取るとシャワールームに向かう。




シャワールーム


ジャーと降り注ぐお湯は成長した愛理の体を清めて行く。


「フンーフフーン」


お湯を止め鼻歌を歌いながら愛理は体を洗う、お湯に濡れる胸は二年と半年前よりも更に膨らみ明日奈に負けないくらいに成長し、足もスラリと伸びて長い、腰も程よく括れている。


髪も体も洗い終えた愛理はシャワールームから出て、体を拭き服を着てから洗面台で歯磨きをし部屋に戻ると、暫くテレビを見てから眠った。

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