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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
五章、聖遺物を巡る戦いと九尾
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十五話

ゾルドラーグ帝都、地下


ブラックウルフェンの構成員は愛理達と反対側に進んで行った、彼の足元に銃口を向けていた愛理は、銃口を逸らした。


愛理達は何故彼等がここに居るのかと疑問に思いつつも、城に入り込み情報を得れば分かる事だと判断し、地下通路を進む。


「待って、罠よ」


潜入のプロな麗蘭は足元にワイヤートラップを発見する、麗蘭はそれにゆっくりと近付き、ワイヤーが繋がっている先を探してみると、ワイヤーは鐘に繋がっていた、侵入者が引っかかればあの鐘が鳴り、侵入者の居場所が分かると言う仕組みのようだ。


愛理達は鐘を鳴らさないように、ワイヤーを跨ぎ、再び先に進む。


「・・・何か来る」


愛理と明日奈の耳がピクリと反応する、二人が聞いた音それはプロペラの音だ。


「サーチ・・・、これは魔導ドローン、こう言う場所を監視するのに良く扱われる物です、発見されれば、敵を呼ばれます、急いで隠れて下さい!」


「了解!」


魔導ドローンが来ると聞いた愛理達は脇道に入り、どんどんと先に進み曲がり角の先で止まり、先程までいた場所を覗く、すると魔導ドローンが愛理達が先程までいた場所を通って行く、もしホワイトローズの警告がなければ愛理達は見つかっていただろう。


「危なかったです、もう少しで見つかっていました」


「明日奈さんのホワイトローズ様々ね」


愛理達は活躍したホワイトローズを労いながら、先程の通路に戻り更に先を目指して進んでいく。



ホワイトローズの道案内に従い、通路を進み愛理達は城の下までやって来た、そして城への侵入口を見つけたのだが、敵が見張っている、あの見張りの敵をすり抜けて先に進まなければならない。


「レオの能力を使うよ、みんな掴まって」


愛理はレオを召喚し、彼の透明化能力を施して貰う、透明になった愛理達は音を立てないように、兵士達の側を通り抜けた。


「やったわね」


「うん」


まだレオの透明化能力は発動している、愛理達は透明化が終わる前に階段を登っていく。




ゾルドラーグ帝都、城内部


愛理達は豪華な装飾が成された、ゾルドラーグ帝都の城内部への道潜入を果たした、後はこの城で情報を得て、この国の内情を調べるだけである。


「最初は資料室を地図を手に入れる、ホワイトローズは大体の部屋の場所を把握してるけど、なんの部屋かは分からないからね」


そうホワイトローズは建物の内部構造を把握出来ても、なんの部屋かは把握出来ない、その為地図に書き記されたこの城の部屋の場所と、ホワイトローズがサーチした情報と照らし合わせる必要があるのだ、その為まずは地図を手に入れる必要がある。


「近くの部屋に入ってみましょう、置いてあるかもしれないわ」


「だね」


愛理達は左右を確認し、敵がいないのを確認してから通路に出る、フカフカの絨毯の上を少しだけ歩き、誰もいないのを確認してから近くの部屋の扉を開けた。


「この部屋はハズレですね・・・」


開けた扉の先はこの国の兵士が着る服の保管室だった、大小様々な制服が、綺麗に畳まれて保管されている。


「いいえ?、ラフォリア、ハズレじゃないわ、アタリよ、この服があればこの国の兵士に変装出来る、変装したらどうなるかしら?、言ってみなさい」


「私達の正体がバレにくくなります、・・・確かにアタリですね」


「でしょう?」


愛理達は部屋に入り鍵を閉めると、それぞれピッタリのサイズの服を選び、着替えていく、これまで着ていた服は、勿体無いが魔法で燃やして処分し、兵士の服を着た愛理達は再び通路に出た。


変装した愛理達の目の前から兵士が歩いて来る、愛理達を見た彼は敬礼をした、愛理達も敬礼をし返すと彼は頷き去って行く。


「変装は大成功なようです」


「みたいね」


変装が上手く行っている事に安心しつつ、再び近くの部屋の扉を開けると、仮眠室だった、壁に地図が貼られている。


「地図発見、ホワイトローズ、記憶して」


「了解」


ホワイトローズがこの城の部屋の名前を把握しているうちに、愛理と麗蘭とラフォリアも、地図を眺める。


「国家機密室、ここに何かありそうだね」


「そうね、まずはそこに行ってみましょう」


愛理達はホワイトローズの情報収集が終わってから部屋を出て、最初の目的地、国家機密室に向かう。




国家機密室


国家機密室はシーンと静かだ、一切誰もいないが、外からいきなり人が入って来る可能性もある、麗蘭の特技である鍵開けスキルで開けた扉の鍵を再び閉めてから、機密室内部の捜索を始めた。


国家機密室捜索の愛理の相棒はラフォリアだ、麗蘭は明日奈と共に資料室を調べている、二人はまず近くの本棚を見てみる。


「これ・・・、協力空賊団リスト・・・」


愛理とラフォリアはいきなり当たりの資料を見つける、内部を見てみると、この国が資金援助している空賊団の名前がリストアップされていた、愛理達はカメラを使いそれを写真に収めて行く。


「武器密輸リストに、薬の密輸、とんだ犯罪国家ですね、そう言えば私の国が存在した時点でも、お父様はこの国はいけ好かない国だと言っていました、お父様の勘は当たっていたのですね」


様々な資料によるとこの国の取り引き相手は空賊団だけではない、各国のギャング組織とも関係し、彼等に薬を売る事で金を稼いでいるようだ。


「こんな物もあったわ、ほら見てみなさい」


明日奈が愛理とラフォリアに見せて来た資料、それには各空賊団の本部の所在地が記されていた。


「でも、ブラックウルフェンの本拠地は・・・」


「載ってないんだ・・・」


ブラックウルフェンの本拠地は移動しており光学迷彩付きだ、そもそも資料に居場所を記せないのだろう。


「でも、耳寄りな情報も書いてある、どうやらこの国の皇帝はブラックウルフェンの本拠地の居場所の探し方を知っているようね」


「本当ね、なら皇帝の執務室を調べてみなきゃ」


ゾルドラーグ帝都が空賊団と関係しているとの情報を得た愛理達は、さらなる情報、ブラックウルフェンの本拠地の居場所の把握方法を知る為、その情報があると言う、皇帝の執務室に向かった。



ゾルドラーグ帝都、皇帝の執務室


愛理が再びレオの能力を使い、愛理達は皇帝の寝室を通り過ぎて二十メートルほど歩いた場所にある皇帝の部屋に入った、早速部屋の中を物色する。


「ここを調べたら転移で宿に向かうわ、良いわね?」


「分かってる」


城への侵入は、城内部の写真や絵すら図書館に無かった為、イメージが出来ず転移出来ない為、地下通路を通って侵入しなくてはならなかったが、帰りは愛理達が見て記憶している宿に転移出来る為、一瞬で逃げ果せる事が出来る、宿に帰った後は友好国に停泊しているメサイヤに戻り、この国自体から離れる予定だ。


「何か見つけた?」


「まだ何も・・・」


音を立てないように、しかし迅速に手袋をはめた愛理達は部屋の内部を調べる。


「にゃ!?」


愛理が本棚を調べ、一つの本に触れると本が引っ込み、本棚がくるりと回転した、その奥には金庫がある。


「大手柄よ、愛理」


明日奈は金庫を見つけた愛理を褒めつつ、金庫を開ける、その中には・・・?。


「あったわ」


ブラックウルフェンの本拠地の居場所の特定の仕方を記した紙があった、その内容は、光学迷彩は姿を打ち消す事が出来ても、熱量を消す事は出来ない、本拠地を見つけたいのであれば、熱量を探れ、一見何もないところに熱量が集まった場所があるはずだ、と言った物だった。


「熱量か・・・、盲点ね、日理にこの情報を伝えましょう、方法が分かればあの子は優秀、数日以内に本拠地の居場所を見つけてくれるはずよ」


「そしてあのおばさんが奪った聖遺物を取り戻すんだね?」


「そうよ」


「そうと決まれば、まずはソリビカ王都に帰りましょう」


ブラックウルフェンの本拠地の見つけ方を知った愛理達は転移して宿に戻り、更に転移すると、メサイヤ内部へと戻り、そのままソリビカ王都への帰路に着いた。

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