十話
ソリビカ王都
愛理と明日奈はソリビカ王都に戻って来ていた。
「さーて、王室に行くわよ」
「了解です、リーダー!」
「ふざけないの」
「えへへ」
王都のギルド前に現れた愛理と明日奈は王城に向けて歩いて行った。
王城
「待っていたよ、本当にアーマーデバイスを用意するとは驚いた、しかしこれで戦力的には十分だ!」
既にワールドセイバーのアーマーデバイサー達は王と話をしているらしい、王は彼等の協力を取り付けた愛理と明日奈を喜んで出迎えた。
「・・・、所で君が愛理君のお婆さんかな?、随分と若いのだな・・・」
愛理から視線を移し、明日奈を見た王は、明日奈の祖母かどうか聞いて来た。
「そうよ、私が、若い、愛理の祖母、明日奈です、以後お見知り置きを」
「うむ、君が愛理君の祖母だと言うのなら勿論その実力も高いのだろう、頼りにさせてもらう」
「任せなさい」
王に頼りにされた明日奈は見事なガッツポーズをし、王はそれを見て信頼した様子で頷いた。
「それでは・・・」
王が明日奈と愛理と話をしようと口を開いた所で、ドアが開き一人の兵士が入って来た。
「聖遺物が見つかりました!、そして聖遺物が保管されている遺跡には既に黒の空賊団が居る模様です!」
「なんだと!?」
兵が知らせたのは聖遺物が見つかったとの知らせと、そこに黒の空賊団が居るとの知らせだった。
「くっ!、このままでは聖遺物が奪われる!、愛理君!、明日奈君!、急いで向かってくれないか!?」
王が言う通り、このままでは黒の空賊団に聖遺物が渡り、彼等は強力な力を手に入れてしまうだろう、それを許す訳にはいかない。
「ホワイトローズ、プラチナモード」
『了解です、マスター』
「ソリビカ王、私達がこれから向かいます、私は幸い飛べるので、愛理?、みんなを呼びに行ってる暇はないわ、分かっているわね?」
「うん、分かってる、行こうお婆ちゃん」
今まさに敵が聖遺物を手に入れてしまうかもしれない状況である為、仲間を呼びに行く時間すら惜しい、その為、聖遺物が見つかった遺跡には愛理と明日奈だけで向かう。
「そこのあなた、遺跡の方角を教えて」
「ここから南に二百キロほど行った、火山がある島です!」
「了解!」
遺跡がある場所が南だと聞いた明日奈はフォトンウィングを広げ、そして愛理を抱きかかえると南の遺跡へと全力で飛んだ。
「頼んだぞ・・・」
王は一瞬でその姿が見えなくなった二人が無事聖遺物を手に入れて戻って来る事を信じ、空に祈る。
ミーナ島
空を行く明日奈は聖遺物が存在する遺跡があると言うミーナ島に僅か十分で辿り着いていた、そして上空から遺跡を発見する。
「見つけた、あの遺跡ね!」
「うん!、降ろして!、お婆ちゃん!」
「ええ!」
降ろしてと愛理に言われた明日奈は遺跡の入り口付近に向けて、愛理を放り投げた。
「行くよ!、聖霊のみんな!、スピリットフォーム、ライブラ!」
落ちる愛理はスピリットフォームライブラに変身すると重力を操り、地面に着地すると、驚いた様子で自分を見ている黒の空賊団の団員達を纏めて空に放り投げた、放り投げられた彼等は地面に落ちて意識を失う。
「あらまぁ」
遺跡前を守る黒の空賊団の団員の数はかなり多かった、その為、全員倒すまでにかなりの時間がかかると思っていた明日奈はホッとする、これならすぐに遺跡の中に入れる。
「久城特務官!」
愛理と明日奈は頷き合い遺跡の中に入ろうとしたが、明日奈を呼ぶ声がしたので振り返る、そこには三人のアーマーデバイサーが居た。
「あら、あなた達も来てくれたのね」
「はい!」
「それなら、遺跡の裏口から攻めてくれないかしら、敵を挟み撃ちにしたいのよ」
「了解です」
明日奈の言葉を聞いた三人のアーマーデバイサー達は空を飛んで、プラチナローズがあると明日奈に伝えていた遺跡の裏口に向かう。
「お婆ちゃんの役職って特務官って言うんだね」
「まぁね、さっ、中に入るわよ」
愛理と明日奈は今度こそ、遺跡の内部に入った。
遺跡内部
遺跡内部にも沢山の敵が居た、愛理と明日奈は彼等を薙ぎ倒しながら先に進む。
「スピリットフォーム、ジェミニ!」
「いっくよぉ!」
愛理は自分がもう一人増やす事が出来る為、複数の敵を相手するのに有利な、スピリットフォームジェミニに変身すると、自分同士完璧に息が合った連携で敵を倒して行く。
「プラチナローズ、モードツインブラスター」
『Yes、ツインブラスターモード』
明日奈も複数の敵を相手するのに有利な新モードでもある、ツインブラスターモードに変身し、前衛を担当する愛理をサポートする。
「敵が強すぎて止めれません!」
「全く、情けないなぁ!」
「だよね、情けないわ」
メーレとサーレは迫る敵に怯える団員達と情けないと笑い、迫る敵を迎え撃つ為に前に出た。
「「退け!」」
そんな二人に二人の愛理は一気に迫り、ハンマーで殴り吹っ飛ばした、しかし双子の姉妹はそれをシールドで防いでいる。
「ファイア!」
「アイス!」
そして姉妹お得意のファイアの魔法と、アイスの魔法を放って来る。
「双子の聖霊の!」
「ユニゾンレイド!」
二人の愛理は迫る魔法を見て手を合わせあうと、完全に魔力を出力を合わせ放つ砲撃魔法、双子の聖霊のユニゾンレイドを放った、二人の愛理の手のひらからはピンクと黄色の魔力砲が発射され合わさり合うと、双子の少女に命中し、サーレとメーレは倒れた。
「行こう!、お婆ちゃん!」
「ええ!」
サーレとメーレを倒した愛理は、明日奈と共に遺跡の更に奥に進む。
「これ以上は行かせねぇぜ!」
遺跡の奥の方まで突き進んで来た愛理と明日奈の真上から一人の男が迫り攻撃を仕掛けて来た、その男の名はベルガ、愛理がこの世界で初めて相手にした黒の空賊団の幹部だ。
「愛理、時間がない、私がこいつを相手にするから先に行きなさい」
「分かった」
明日奈の言葉を聞いた愛理はベルガの脇を抜けて先に行った。
「追わないのね?」
「おう」
(この余裕、気になるわね・・・、気を付けてね?、愛理)
明日奈は余裕な態度を見せるベルガを見て不安になりつつも、彼との戦闘を開始する。
「プラチナローズ、ソードモード」
『Yes、ソードモードにモードチェンジします』
「敵わねぇのは分かってる!、でも時間稼ぎはさせて貰うぜぇ!」
明日奈とベルガの戦いが始まる。
遺跡、最奥地
「遅かったわね?」
遺跡の最奥地に辿り着いた愛理を出迎えたのはラベンダだった、その手には・・・。
「それはまさか、聖遺物・・・」
「ふふふ、当たりよ、我々黒の空賊団は遂に聖遺物を手に入れた、そしてこの聖遺物の力を生意気な小娘!、お前に見せてあげるわ!」
聖遺物があった、鞭の聖遺物を手に持つラベンダは聖遺物の力を解放し変身をした。
「聖遺物クイーン、そしてこれがローズクイーンモード、この力で小娘、お前を殺してあげるわ!」
聖遺物クイーンを手に入れ、ローズクイーンモードに変身したラベンダと愛理の戦いが始まる。
???
とある遺跡でアルファルドは闇の書と対面していた、しかし・・・。
「グハッ!?」
もう少しで闇の書をその手に収めると言った所でアルファルドの心臓を闇の書から現れた触手が貫いていた、心臓を貫かれたアルファルドは倒れる。
『・・・、お前を我の二人目の眷属としてやろう』
そして闇の書は死したアルファルドに闇の気を注入する。
 




