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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
五章、聖遺物を巡る戦いと九尾
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九話

地球支部、五十三階


懐かしいアメリカの雰囲気にキョロキョロしている愛理とその様子を微笑ましげに見守る明日奈を乗せたエレベーターは、地球支部の五十三階で止まった、ここには明日奈の孫であり、愛理の祖母でもある、久城来羽がいる。


「ねっ?、お婆ちゃん?ここに誰がいるの?」


「もうちょっとだけ待ちなさい」


明日奈は愛理を引き連れて、 技術部に入り、来羽の姿を探し見つけた、愛理もその姿を見つけたようで、満面の笑みを浮かべて、来羽の元に駆けた。


「来羽お婆ちゃん!」


「わっ!?」


技術部の職員達と何かを話していた来羽は抱き着いて来た者の姿を見ると驚いた顔から、嬉しそうな顔に変わる、仕事中とは言え、愛する孫に会えて嬉しいのだ。


「ふふふ、私の可愛い孫はここに何しに来たのかしらぁ?」


そして来羽は嬉しそうにニコニコと笑いながら愛理の頭を撫でつつ、技術部に愛理が何をしに来たのか聞いた。


「ふふふ、あなた愛理に会いたいって嘆いてたでしょ?、だから連れて来てあげたのよ」


技術部主任の来羽は多忙であり技術部で寝泊まりする事が多く、家族に会えるのは年末くらいだ、その為、孫である愛理には滅多に会えず、明日奈がホワイトローズのメンテをして貰いに来る度に愛理に会いたいと嘆いていたのだ。


「そっかぁ、ありがと、お婆ちゃん」


愛理をぎゅーと抱き締めている来羽は気を使ってくれた明日奈に感謝しつつ、愛理を更に強く抱き締める。




「さーて、存分に可愛い孫を堪能したし、仕事に戻りますかぁ、またね?、愛理」


「うん、また」


大人しく抱き締められ続けようやく離してもらった愛理は、来羽に笑顔で手を振りつつ、明日奈と共に再びエレベーターに乗った。





地球支部、支部長室


「久し振りね、ケインズ支部長」


明日奈は愛理を連れて、支部長室に入った、明日奈の姿を見たケインズ支部長は慌てて立ち上がり頭を下げる。


「明日奈さん、今日はどう言ったご用件で?」


顔を上げたケインズは早速明日奈に何用か聞いた。


「私が今、438世界で、闇の者を追ってるのは知ってるわよね?」


「勿論です、何かありましたか?」


今でも明日奈は地球支部のエージェントだ、支部長であるケインズは勿論その動向を知っている。


「ええ、その闇の者の力を持つ、聖遺物か聖属性の魔力を持つ者しか攻撃が通じない奴が現れてね、だから、聖遺物に近い能力を持つアーマーデバイスを貸してもらうか、アーマーデバイサーを貸して欲しいのよ」


「そう言う事ですか、分かりました、流石に438世界のアーマーデバイスは貸せませんが、デバイサーは貸しましょう」


明日奈がケインズに頼み事をすると、ケインズはあっさりとアーマーデバイサーを貸してくれた。


「ありがと、でもえらく簡単に貸してくれるのね?」


「ふふ、あなたの功績を考えての事です、それで指揮権は?」


「あなたが指名する、リーダーに任せるわ」


「分かりました」


明日奈の言葉を聞いたケインズは端末に触れて操作する、明日奈の話を元にアーマーデバイサー達の厳選と任務の作成を行なっているのだ。


「ケインズ、もう一つ頼ませてくれない?」


「なんでしょう?」


もう一つ頼み事があるとの明日奈の言葉を聞いたケインズは顔を上げる。


「うちの孫をワールドセイバーに入れて欲しいの、私がスカウトしたって扱いでね」


「そう言う事ですか、了解です」


明日奈の言葉を聞いたケインズは本部に愛理のワールドセイバー入りをメールで打診した。


「ねっ?、お婆ちゃん、ワールドセイバーに入るのは良いけど、私、あっちの世界でやる事いっぱいあるから任務は出来ないよ?」


「問題ないわ、私の部下って事で、闇の者の調査任務を発行させるから、それで闇の者を倒すまでは自由に動けるはずよ」


「そっ、なら安心」


愛理は任務をやる必要はないと聞いて安心する、まだまだ438世界でやる事は沢山ある、それが終わるまで他の仕事などやっている暇などないのだ。


「アーマーデバイサーの厳選と任務の発行が完了しました、早速ソリビカ王都に向かわせています、ついでにソリビカ王の命令も聞くように指令を出しておきました」


「ありがと、流石優秀ね、ケインズ」


「それ程でもないですよ、あっ、愛理ちゃんのワールドセイバー入りも許可されました」


アーマーデバイサーの厳選と任務の発行は終わり、彼等はソリビカ王都に向かったようだ、そして愛理のワールドセイバー入りも無事、受理されたようである。


「愛理ちゃん、君はこれからエージェント7216だ、君の活躍を期待しているよ」


「はい!」


ワールドセイバーのエージェントとなった愛理は元気よく敬礼し、ワールドセイバーに入れた事を喜ぶのだった。




地球支部、備品倉庫


ケインズに許可を貰い、明日奈は愛理にワールドセイバーの端末とあまり着ることはないが必要なワールドセイバーの制服、そして犯罪者をこの地球支部に送る為に必要な手錠を愛理に渡す為、備品倉庫に来た。


「はい、なくさないでね」


「うん」


明日奈からエージェントとして必要な物を受け取った愛理は、それぞれを嬉しそうに眺める、特に嬉しいのはワールドセイバーの端末だ、小さい頃から明日奈がこの端末を取り出し連絡し、任務に行く姿に愛理は憧れていた、これからは憧れていた姿は自分となる、それが嬉しいのだ。


「愛理?、アーマーデバイスの準備は出来たし、ちょっと時間があるわ、家に帰る?」


「・・・、いい、まだ帰らない」


「そう、分かった」


愛理は自宅に帰るのは、本当に帰りたいと思った時に帰るつもりでいる、今はアーマーデバイスの準備をする為に地球に帰って来ただけでまだ家に帰るつもりはないのだ。


「ねっ、お婆ちゃん、さっきは普通の任務はまだやらなくていいって言ってたけどさ、時間あるし、一つだけ任務やってみようよ、今の私の実力を見せるのにも良いだろうし」


「そうね、やってみましょうか、ちょっと待ってなさい」


愛理に任務をやってみようと言われた明日奈は、ケインズに端末で連絡をし、何か受けれる任務はないか聞いた。




第791世界ノノム、ズーンの都市


「さて、愛理君、一斉検挙と行くわよ!」


「了解です、隊長!」


「リーダーと呼びなさい!」


「はい!、リーダー!」


仲の良い二人は元気良く掛け合いをしつつ、これから逮捕する者達が隠れる倉庫を見ている、彼等は世界を股にかけて麻薬を売買している犯罪集団で、これ以上薬を売る前に確保する必要がある。


「どうしますか!、リーダー!」


「勿論、真っ向勝負よ!」


「いやその・・・、もっと慎重にやるべきでは・・・?」


「正面から侵入よ!」


鞘入りのホワイトローズを手に持った明日奈は、慎重にやるべきと言う愛理の言葉を無視してうおーと、倉庫正面のトビラに向けて走って行く。


「お婆ちゃん、強いからアレでも問題ないんだろうけど、なんだかなぁ・・・」


こう言う仕事は地下から敵地に侵入したり、敵を眠らせたりして、無力化したりするものだと思っていた愛理は、いつもと大して変わらない明日奈に夢を壊されたと落ち込みつつ、以前よりも近付いたように感じる、金色の九尾の背中を追いかける。


「おりゃー」


何故だか気の抜けた掛け声と共に明日奈は倉庫の扉を蹴り飛ばして吹っ飛ばした、そして蹴りのポーズのまま、倉庫の中に入って行く、倉庫の中からは突然の襲撃に驚いた男達の声が聞こえてくる。


「よっと!」


中に入ると既に明日奈が三人ほどの敵を倒していた、そんな明日奈の背中を銃で狙う男が一人、愛理は彼の元に向かい、首を叩いて気絶させる。


「ありがとね、愛理!」


「お婆ちゃん!、お礼よりも後ろ!」


「分かってる!」


明日奈は背後から迫る男を尻尾で殴っては吹っ飛ばして倒すと、鞘に入ったホワイトローズで更に二人の男の意識を奪う。


(お婆ちゃんはやっぱり凄い・・・、でも私もいつまでも負けてられない!)


愛理がいる位置に両サイドから迫る敵、愛理はもう少しで攻撃が当たると言う所で上に飛んだすると彼等は仲間同士でぶつかり倒れる。


「ハイ!」


そして倒れて重なっている彼等の上から衝破を浴びせ纏めて倒す。


「あと五人か」


愛理は通路から飛び降りつつ敵の数を確認する、飛び降りてる間に明日奈が二人倒し、残る敵は三人となった、愛理は身を低くして近くの女の側に迫ると、近くの箱を蹴り飛ばして命中される事で意識を奪い、もう一人のこちらに銃を向けている男は、縮地で宙を蹴り一気に加速する事で一気に距離を詰めると、銃を斬ってから意識を奪う。


「ふぅ、終わったわね」


『Yes、敵の反応なし』


愛理が二人倒している間に一人を倒していた明日奈は汗を拭きながら近付いてきた、そしてホワイトローズのサーチによるともう敵は残っていないらしい。


「やったぁ!、任務初成功!」


「ふふふ、さっ、こいつらを支部に送って、438世界に帰りましょう」


「うん」


任務を無事成功させた愛理と明日奈は、倒れた彼等を地球支部に送ってから、438世界に戻った。

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