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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
四章、十二宮の勇者の覚醒
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二十一話

ソリビカ王国王城、王室


愛理は国王にこの国から暫く離れる事を伝える為に王室に来て、王に妖狐の里に向かうと伝えていた。


「話は分かった、以前言ったように聖遺物が見つかった時は魔導通信で連絡する、その時は聖遺物の確保に向かってくれ」


「はい、任せて下さい」


「して、愛理よ、君がこの国から旅立つ前に一つだけ頼みたい事があるのだ」


愛理がこの国から旅立つ前に王は愛理に頼みたい事があるようだ、王は愛理に頼みたい事を話す為口を開く。


「私には娘が居てな、しかし姫と言う立場の為、同じ年の者達と触れ合う機会がなく、友がいない、だからお前に娘の友となって欲しいのだ、頼めるか?」


王の頼み事とは、彼の娘と愛理が友達になって欲しいと言った物だった、それを聞いた愛理は・・・?。


「分かりました、お姫様の友達はもう一人居ますしね、引き受けます」


王の頼みを引き受けた。


「そうか!、ありがとう!、早速紹介する付いて来てくれ」


「はい」


愛理は王に案内され、姫の部屋に向かった。




姫の部屋


愛理は王に案内され姫の部屋に来た、その部屋はとても綺麗な部屋で、まさにお姫様が住む部屋と言った感じだった、その証拠として部屋の真ん中に大きなベッドがある。


そして部屋に備え付けられているテラスに一人の少女がいる、姫は愛理と同じく綺麗な金色の髪を持った少女であり、後ろ姿ですら気品を感じた。


「リリティーア」


王が少女の名、リリティーアと呼ぶと、リリティーアは振り返りこちらを見た。


「御機嫌よう、お父様、そちらのお方は?」


美しい姫、リリティーアは父の隣にいる見知らぬ人物を見て、その正体を聞く。


「この者の名は愛理、この名はお前も知っているな?」


「はい!、わぁ!、まさか勇者様に会えるなんて!」


「わっ、わっ」


リリティーアはどうやら愛理の名を知っており勇者である事も知っていたらしい、愛理の名を聞いたリリティーアは、愛理に駆け寄ると手を取り嬉しそうに上下にブンブン振る。


「初めまして、愛理、私はこの国の王女、リリティーアと申します、よろしくね?」


「こちらこそ初めまして、私の名は久城愛理、騎空団の団長をやってます」


リリティーアは愛理の手をブンブン振りながら自己紹介した、愛理はリリティーアに振られて上下しつつ、自己紹介をし返す。


「勇者様なだけでなく、団長さんもやっているのですね!、出来ればあなたがこれまで体験して来た出来事を話してくれませんか?、私、外の世界の事を知りたいんです!」


「分かった!、たっくさん、話してあげる!」


愛理は外の世界に興味を持つ、この城から殆ど外に出た事が無い少女に、これまでの旅の思い出を話して聞かせた。




「それでねぇ?、お婆ちゃんったら酷いんだよ?、ご飯食べたかったら、私に一太刀入れてみなさいってさぁ、あの頃の私はまだ九歳だったのにさぁ」


沢山の話をするうちに愛理とリリティーアは打ち解けていた、今は愛理の幼い頃の話を彼女に聞かせている所だ。


「それで、幼い頃の愛理は、どうしたのです?」


愛理の話に興味津々なリリティーアは、話の続きを早く早くと急かす。


「その時ね?、丁度お婆ちゃんの頭の上に木の実が見えたんだ、だからそれを狙ってねぇ」


「ね、狙って?」


「近くの石を投げたの、そしたら木の実が落ちてお婆ちゃんの頭に命中、こうして幼い頃の私はお婆ちゃんに一太刀入れてご飯を食べる権利を得たのです!」


「へぇー!、凄いです!」


何処かの狐がクシャミ・・・。


「クシュン!」


をしそうな思い出話を、お姫様に聞かせた愛理は、その話の後の事を思い出す、確かに夕食は貰えたのだが、その後恥ずかしい負け方をした明日奈にたっぷりとしごかれたのだ、それはそれは数日筋肉痛になるくらい、愛理はこの部分は話せないなと思い黙っておく。


「愛理!、愛理!、もっとお話し聞きたいです!」


すっかり愛理の話に夢中な、リリティーアは愛理に次の話を急かす。


「よーし、なら次はねー、私にはもう一人師匠が居て・・・」


「愛理、そろそろ昼を回るが、この島から出るのではなかったか?」


リリティーアのリクエストを受け愛理は次の話をしようとしたが、王の声が遮る、その声を聞いた愛理は時計を見ると確かに十二時を回っている、そろそろ家に戻らなければ、ラフォリアにいつまで待たせるんだと怒られそうだ。


「ごめんね?、リリティーア、私、そろそろ行かなきゃ」


「そうですか・・・、残念です、でも次、あなたがこの島に戻って来たら、またお話し聞かせてくれますよね?」


「もっちろん!」


「なら良いです、待ってますね?、愛理」


「うん、近いうちに必ず帰ってくる、待ってて」


「はい!」


こうして友となった愛理とリリティーアは、一度手を繋いでから別れた、愛理は部屋から出る時リリティーアに手を振り続け、リリティーアも少し寂しそうに愛理に手を振り返し続けた。


「お父様、ありがとうございます、彼女を連れて来てくれて、お陰で大切な友達が出来ました」


「良い、お前の為だ」




ソリビカ王国〜妖狐の里


家に戻るなりラフォリアに遅い!と、怒られた愛理は拗ね口を作りながら、だってだってと、遅くなった理由を話した、愛理が遅くなった理由を聞いたラフォリアは、同じ姫だった者としてリリティーアの気持ちが分かるのか、すぐに許してくれた。


「今度、私もリリティーアに会わさせて下さい、同じ姫として楽しく話せそうです」


ラフォリアは最後に私はまぁ元姫ですけどね、と付け加えつつ、リリティーアに会いたいと愛理に伝えた。


「良いよ、リリティーアにはたっくさん友達を作ってあげたいから、みんなで会いに行こう!」


「はい!」


フォックステイル全員でリリティーアの友となると決めた愛理達を乗せるメサイヤは空を行く、目的地は妖狐の里だ。




無人島


夜、暗くなった為、愛理はメサイヤを無人島に着陸させ休んでいる、仲間達はバーベキューの準備をしているようだ。


「愛理ちゃーん!、イフリート貸してくださーい!」


「良いよー」


何に使うのか知らないが、イフリートが必要らしいので愛理は召喚して蒼狐の元に向かうように伝えた。


「・・・」


愛理は見た、蒼狐が何処からともなくジューシーモーモを取り出したのを、どうやら牛の解体に力が必要な為、イフリートを所望したようだ、愛理は肉を一から作るのかい、とか、そもそも何処から取り出したのだ、とか疑問に思ったのだが、まぁ蒼狐だからと気にしない事にする。


「愛理」


野菜の切り出しを行なっていたラフォリアがエプロンを揺らし近付いてきた。


「なぁに」


「あなたのお友達で、私達の団の新しい団員の麗蘭さんは何処に行ったのかな?、と思いまして」


「んー?、そういや居ないね・・・、何処いった・・・」


麗蘭は愛理の頼みで一緒に妖狐の里に行く事になったのだが、この島に着陸した時点では居たが今はいない。


「愛ちゃん、呼んだ?」


シュン!、と言う音と共に忍者な彼女は愛理達の真後ろに現れた、愛理とラフォリアはいきなり現れた麗蘭に驚いた表情を見せる。


「びっくりしたぁ、麗ちゃん、今まで、何処に行ってたの?」


「ん?、ちょっとこの島の安全確認にね、一応伝えておくと、怪しい奴は居なかったわ」


「そっか、ありがと」


どうやら忍者な麗蘭はこの島の安全確認をしていてくれたらしい、愛理にとってそれは有難い事なので、感謝する。


「・・・、どったの?、ラフォリア」


愛理は自分と麗蘭を交互に見てモジモジするラフォリアを見て、どったの?と、質問する。


「そ、その、麗蘭さんが愛理を呼ぶ時に言う、愛ちゃんって良いなって思いまして・・・」


「うんうん、それで?」


「私も、愛理の事を・・・、そ、その、愛ちゃんと、呼んでも良いですか?」


「勿論!、なら私はラフォリアの事を、うーん・・・、リアちゃんって呼ぶね?」


「はい、え、えと、愛ちゃん!」


「うん、リアちゃん」


互いをあだ名で呼び合う二人、何となく恥ずかしくなったのか、互いに顔を真っ赤にして視線を逸らす。


「仲良いわね、あんた達」


「まぁね」


麗蘭にラフォリアと仲が良いと言われた愛理は、嬉しそうな顔でラフォリアの肩に手を回す、ラフォリアも嬉しそうに愛理と肩を組んだ。


「えへへ〜」


「ふふふ」


そして愛理とラフォリアは嬉しそうに微笑み合う、麗蘭はそんな二人の様子を微笑ましげに見守る。


「お肉焼けましたよー!」


「野菜もな」


そうしているうちに肉と野菜が焼けたようだ、愛理とラフォリアはもう一度笑い合った後、麗蘭と共にバーベキューを食べに向かった。

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