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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
四章、十二宮の勇者の覚醒
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聖霊王愛奈との再会

この世界のどこか


目を閉じれば愛理の魔力を感じる、以前よりも遥かに大きくなった愛理の魔力を感じ明日奈は・・・。


「目覚めたのね」


愛理が勇者の力に目覚めたのだと確信し、安心する、これでもし闇の者が復活したとしても、勇者が少なくとも二人いる、これなら打ち勝つことが出来るだろう。


「愛理ちゃん凄いね、私に並ぶ強さだよ」


明日奈は旅の相棒としてメリアを呼び出していた、メリアは隠居生活していたが、久し振りに明日奈に旅に誘われノリノリで明日奈のお供を引き受けた。


「ふふん、私には及ばないわ」


「うわ・・・、すごいドヤ顔・・・」


愛理の魔力を自身の全力であるレーヴァモードと比較した明日奈はまだまだ負けていないとドヤ顔をする、メリアは同じ神様仲間のドヤ顔に呆れる。


「さて、そろそろ下に降りましょうか」


「りょーかい」


現在明日奈はメリアに背負って貰って飛行中である、そして下に島が見えたのでメリアに降りようと言った、インフェルノモードに変身中のメリアは明日奈の言葉に頷くと島に降り立った。


「さぁて、この島はどうかしら?」


「どうだろうねー」


島に降り立つと明日奈は早速目を閉じて島の魔力を探る、今、明日奈が何をしているのか、それは島に聖霊界に続く次元の亀裂がないか探しているのだ。


明日奈は愛理と別れた後、愛理が聖霊界に迷い込んだ場所にもう一度行ってみて良く調べている、そこで塞がっていたが、次元の亀裂のような物を感じたので、現在はこの世界でメリアと共に次元の亀裂を探している。


「ないわね」


「みたいだね、残念」


明日奈とメリアは魔力を探ってみたが次元の亀裂は見つからなかった、亀裂を見つけれなかった二人はガックリと肩を落とし、次の島に向かおうとする。


「・・・、!?」


その時だ、明日奈とメリアは背後に大きな魔力反応を感じた、感じた方向を見ると次元の亀裂が現れていた。


「ビックリしたぁ、いきなり現れるんだもん」


「そうね、驚いたわ」


二人は現れた次元の亀裂を吸い込まれない位置から眺める、そして飛び込もうか迷う、次元の亀裂の先が聖霊界ではない可能性もある、その為次元の亀裂に飛び込むのは勇気がいる。


「行くわよ、メリア」


「うん、行こうか」


親友同士頷き合うと二人は次元の亀裂に飛び込んだ、次元の亀裂は二人を吸い込むと、跡形もなく消え去った。




聖霊界


次元の亀裂を通り抜けるとそこは緑豊かな聖霊界だった、明日奈とメリアは地面に降り立つと周囲を見渡す。


「・・・、!」


明日奈は大きな木の根元に座るとある女性を見付けると口に手を当てて涙を流す、メリアは涙を流す明日奈の背中をそっと押した、メリアに背中を押された明日奈はゆっくりと、木の根元に座る女性に近付いて行く。


「久し振りね、明日奈」


明日奈が女性の後ろに立つと振り返らずに明日奈に声をかける。


「うん、久し振りね?、愛奈」


明日奈も声をかけ返す。


「ふふふ、また泣いてるのね、相変わらず泣き虫なんだから、もう良い歳なんだから、しっかりしなさいな」


明日奈の声を聞いて振り返った、聖霊王愛奈は、立ち上がるとその涙を拭き笑いかける。


「ううー」


しかし愛奈が拭いても拭いても明日奈の涙は止まらない、愛奈は変わらない明日奈の様子に安心しながら、彼女を抱き締めた。


「ずっと会いたかったわ、明日奈」


「私もよ、愛奈」


「沢山、話をしましょう、長い間出来なかったから」


「そうね」


そして明日奈は、幼馴染であり親友である愛奈と、沢山の話をした、話をしているうちに流れていた明日奈の涙はいつのまにか止まっていた。




明日奈との話を終えた愛奈は、ベリクリオスと話すメリアに近付いていく。


「久し振りね、メリア」


「ひ、久し振り」


愛奈に声をかけられたメリアは目を逸らしながら返事を返す、アダムに操られていたとは言え、メリアは愛奈を殺している、目を合わせれる訳がない。


「私を一度殺した事を気にしているのなら気にする事はないわ、だってこうして人間じゃないけど、復活してるんですもの、それとも、許すわ、とでも言えばいい?」


「・・・、はい、もう気にしません」


愛奈のマシンガントークに負け、しかも殺した相手自身に許されたメリアは、どこか救われた気がした、愛奈を殺した事、それはメリアにとってずっと痛みとなっていた、それが今なくなったのだ。


「あらあらあなたも泣き虫ねぇ」


「だってぇー」


愛奈は涙を流すメリアを見て仕方ないわねとため息を吐くと、メリアを抱き締めた。




「それで?、あなた、これからどうするの?」


愛奈は泣き止んだメリアを話し、明日奈にこれからどうするのか聞く。


「そうね、ここで愛理を待つわ、あの子は絶対にここに来る、あの子がここに来る事が出来た日、その日がまた私とあの子が一緒に旅を始める日よ」


「そう、分かった、それならあの子を待ちましょう、私の名を一文字受け継いだ、泣き虫なあなたにそっくりな女の子をね」


明日奈と愛奈、そしてメリアは愛理をこの聖霊界で待つ、必ず彼女がこの世界に訪れる事を信じて。

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