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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
四章、十二宮の勇者の覚醒
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十二話

ヘゴラ遺跡


愛理は自分の力で眠った仲間達を起こしてからヘゴラ遺跡に入った、中に入ると入り口で警護をしていたらしい、ブラックウルフェンの兵士がスヤスヤと眠っている。


「・・・」


眠る敵の兵士を見た蒼狐は愛理に近付くと・・・?。


「愛理ちゃん、愛理ちゃん、ペンとか持ってません?」


ペンを持ってないか聞いて来た。


「あるけど、何に使うの?」


蒼狐にペンを要求された愛理は、一応地球から持って来ていた、マジックペンを取り出し蒼狐に渡す。


「ありがとー」


愛理からマジックペンを受け取った蒼狐は上機嫌で敵に近付いていく。


「何をするつもりなのか読めるのが辛いです・・・」


「だな、敵だけど同情するぜ・・・」


ラフォリアとケーニが蒼狐に呆れた視線を送るなら、蒼狐は一人の敵に近付くと、マジックペンの蓋をキャポッっと言う音と共に開けた。


「ぷっくくく」


そしてニヤニヤしながら顔に落書きして行く、嬉しそうに楽しそうに。


「・・・」


「何故ペンを取り出す?」


「・・・」


楽しそうな蒼狐を見て自分も・・・、と思った愛理はレベンの言葉を聞き、そっとペンを鞄に戻し、ナンデモナイヨと彼の手に尻尾を触れされた。




遺跡を歩いていると見事に敵が全滅していた、至る所に敵が倒れており、本当に気持ち良さそうに眠っている、蒼狐はその一人一人に落書きをして行く。


「こりゃ歌が聞こえた範囲の敵は全員眠ってるっぽいな」


「そう考えるのが、妥当だな」


「私、凄い?」


自分の歌の効き目の凄さを見た愛理は、尻尾を誇らしげに立て仲間達に凄い?と聞いてみる。


「うーん、味方を眠らせないように出来れば凄いと言えますねー」


誇らしげな愛理の尻尾を見て揶揄いたくなったラフォリアは、少し意地悪をする。


「努力します・・・」


ラフォリアの言葉を聞いた愛理の尻尾はすごすごと股の間に入って行き、愛理は仲間達に歌の力をコントロール出来るように、努力すると伝えた。




遺跡の中を更に進むと広い広場が見えて来た、そこに歌が聞こえなかったらしく起きている大勢の敵が、集まって何かをしているのが確認出来た。


「扉に爆弾を付けています、あの扉を破壊しようとしているのでしょうね」


ブラックウルフェンの構成員達は、広場の奥に見える扉を爆弾で破壊しようとしているらしい、彼等には閉じられた扉の謎を解いて開けると言う考えはないようだ。


「どうするよ?、このままじゃ奴等は扉を爆破して聖遺物を俺達より先に手に入れちゃうぜ?」


「勿論、ここで大人しく見守るつもりなんてないよケーニ、みんな戦闘準備!、敵が爆弾を爆破する前にあの扉に辿り着くよ!」


愛理は大人しく敵が聖遺物を手に入れる様子を見守るつもりなどない、エクスカリバーを引き抜くと、愛理は仲間達に戦闘準備を取るように号令をかけた。


「了解だ」


「任せて下さい」


仲間達は愛理の号令を受けて、武器を構える。


「良し!、みんな行くよ!」


愛理は仲間達と共に、大勢いる敵に向けて駆け出した。




「て、敵襲!」


走る愛理達はすぐに敵に見付かる、敵襲との仲間の声を聞いたブラックウルフェンの兵達は、慌てて戦闘準備を取り、愛理達に向かって行く。


「あ、アルファルド様、敵が居ては後退が出来ません、これでは扉の爆破が・・・」


「ええい!、以前のクーラの町への襲撃の時もそうだったが邪魔な奴等だ!、先に奴等を撃破するぞ!」


ブラックウルフェンは爆弾を設置した後、後退してから爆弾を爆破する予定だったが、愛理達が現れた為、後退が出来なくなった、その為どうしても愛理達と戦わなくてはならなくなった。


愛理の顔とラフォリアの顔を覚えていたアルファルドは、その顔に怒りの表情を見せると、二人に接近する。


「麻痺弾装填!、ファイア!」


ケーニは麻痺効果のある魔法弾を装填すると、敵に向けてばら撒く、すると弾に命中した敵は痺れてバタバタと倒れて行く。


「たーまやー!」


蒼狐は大砲を取り出すと敵に向ける、蒼狐の大砲を見た敵は慌てて反転するが、蒼狐反転問答無用で発射した。


「チェーンバインド!」


レベンは鎖状のバインドを地面から召喚し、敵を纏めて拘束して行く、そして動けなくなった敵に纏めて、魔弾を命中させ意識を奪って行く。


「ハァァ!」


「ヤァァ!」


愛理とラフォリアは強烈な突破力で、一直線に敵の群れを突破し、扉に近付いて行く。


「行かせんぞ!」


敵を突破し続ける愛理とラフォリアの前にアルファルドが立ち塞がる、今回は手にレーザー砲のような物を持っており、レーザー砲は既に臨界状態て射撃が可能なようだ。


「・・・!、あなたは!」


アルファルドの顔を見たラフォリアは、父と母と国の仇である男の顔を見て怒りの表情を見せると、一気に彼に向けて接近する。


「俺に怒りを感じるか、しかしそれは俺も同じ!、俺も貴様らに敗北し屈辱を味わったのだからな!」


アルファルドは頭に血が登っているらしく一直線に彼に近付いて行くラフォリアに、レーザーを放つ。


「セェイ!」


スピリットフォーム、イフリートモードに変身した愛理は、ラフォリアに攻撃が当たる前に彼女の前に入り込むと、レーザーを拳で受け止め魔力で相殺した。


「ラフォリア、あいつはあなたのお父さんとお母さんを殺した相手、だから顔を見ただけで怒るのは分かる、でも怒りを感じた状態で戦うのは死に繋がるの、落ち着いて」


レーザーを相殺した愛理はスピリットフォームを解きながら、死んで欲しくないからこそ、ラフォリアを落ち着くように言った。


「・・・、ごめんなさい」


愛理の言葉を聞いて反省し、息を一度吐いて心を落ち着かせたラフォリアは、自分を思って言葉をかけてくれた愛理に謝る。


「うん、さぁ、あいつを倒そうか!」


「はい!」


愛理とラフォリアは拳を合わせ合うと、アルファルドに向けて駆け出した。

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