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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
四章、十二宮の勇者の覚醒
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九話

ソリビカ同盟本部


麗蘭とドロボーした日の次の日、愛理は仲間達と共にソリビカ同盟本部に訪れた、ケーニの話によると同盟員騎空団は理事長に挨拶をした方が良いらしい、その為愛理達はまず本部の最上階に向かった。


「ここ?」


「そう」


「緊張する・・・」


理事長が居る部屋の前に来た愛理は深呼吸をしてからノックをする、すると中から入れと聞こえて来たので、愛理達は部屋に入った。




理事長室


「お前達が、グラブが言っていた期待の新人、フォックステイルの者達か、俺はソリビカ同盟の理事長のゼレクと言う、よろしくな」


部屋に入るなり理事長ゼレクが声をかけて来た。


「初めまして、私はフォックステイルの団長、愛理です、これからよろしくお願いします、そして後ろにいるのは私の団の団員、ラフォリア、ケーニ、レベン、蒼狐です」


愛理も自己紹介をし、ペコリと一度頭を下げてから、次に仲間の紹介をした。


「おう!、よろしくな!」


愛理の自己紹介と仲間の紹介に、ゼレクはニカッとした笑顔で答えた。


「これで、顔見せは終わりだが、お前ら、団の本拠地は持ってんのか?」


「ええっと、持ってないです・・・」


団の本拠地は愛理の欲しい物だ、しかしお金が足りない。


「ほぅ、ちょっと待ってろ」


愛理達が本拠地を持っていないと聞いたゼレクは、部屋から出て行った、愛理達は彼は何しに外に出て行ったのか不思議に思う。


「待たせたな!」


数分後、ゼレクは戻って来て手に持った紙をパン!と机に置いた。


「俺の知り合いの業者が売り出してる格安物件だ!、本拠地が今すぐ欲しいならこの中から実際に見に行って選びな!」


「・・・」


格安と言う言葉に釣られた愛理達は、ゼレクが置いた、三枚の紙を見る。


「三軒とも二階建て、しかもそこそこの広さで、全部五百万ゴールド、理事長、良いんすか?、こんな格安で・・・」


家の基本的な相場を知るケーニは理事長二階建てで本当にこんなに格安で一軒家を買っても良いのか聞く。


愛理は現在の財布の中身を見て、こっそりと依頼などに行きコツコツと貯めていた、千七百万ゴールドを見て買えそうだと、買っても問題なさそうだと、内心喜ぶ。


「問題ねぇさ、うちの同盟に恩がある業者だからな」


「そうすか・・・」


「ま、まぁ、安く買えるなら良いよ!、見に行ってみよう!」


ゼレクが浮かべる実感怪しい笑みに、何かこちらには関係ない裏があるなと愛理とケーニは思いつつ、三軒の家を見に行くのだった。



一軒目


一軒目は、王都の商店街の近くにあった、ここならすぐに買い物に来れそうで良さそうだ。


「家具は揃ってるんですね・・・」


「うん・・・」


何故か中華風な内装のこの物件の家具は全て揃っている、まるで少し前まで誰かが住んでいたかのように。


「まぁ気にしないでおこう、良い家だな」


レベンの言う通り気にしない方が良さそうだと判断した愛理達は、家を見て回る、するとリビングに中華風なテーブルを見つけたり、やたら大きな風呂、豊富な収納、七つの寝室を見つけたりした。


「良いけど、中華風って言うのが、肌に合わないなぁ」


「愛理ちゃん、中華風ってなんです?」


アメリカ人な愛理には中華風な内装の家は合わなかったようだ、この家は候補から外し、愛理は蒼狐に中華風とは何かと説明しつつ、次の物件に向かう。




二軒目


「和風・・・、ねっ?、ホワイトローズ、さっきの家を見た時も思ったんだけど、地球の人が建てた家じゃない?、これ・・・」


「さ、さぁ?」


先程の家も、この家も地球の者が建てた家ではないかと疑う愛理は、仲間達と和風な家に入る。


「師匠の家みたいだなぁ」


木の匂いがする長屋のこの家は、陰陽術や召喚術を教わっていた頃、寝泊まりしていた白花の家に似ており、懐かしい気持ちになる。


「落ち着きますぅ」


妖狐とは基本的に和を好む生き物である、アメリカ育ちな愛理はそこまでではないが、蒼狐はそうではないようで、縁側に行くと、気持ち良さそうに丸くなる。


「ふっ、犬ですか?、あなたは」


ラフォリアはそんな蒼狐に煽りを入れるが、和風を堪能している蒼狐は無視した。


「なっ!?、まさかの無視・・・」


蒼狐に無視されるのはそれはそれでショックなラフォリアはガックリと肩を落とした。


「・・・」


ケーニはトイレを見ていた、愛理も見に行ってみると、そのトイレはボットントイレだった。


「・・・、ねっ、ケーニこう言うトイレの掃除業者っている?」


「いねぇよ、この世界のトイレは大分前から、水洗トイレだ」


「そ、そう」


和風な家は確かに本能的に落ち着く、しかし業者がいないのであればボットントイレを自分達で掃除しなくてはならない、それは嫌だと思った愛理は、眠り始めた蒼狐を起こし次の家に向かう。




三軒目


三件目の家は洋風だった、住宅街の中に存在するこの家は他の家トイレは比べても浮いておらず、この町の一般的な家と言った感じだ。


玄関は二つあり、一つは他の家にもあった騎空団の事務所に出来そうな部屋に繋がっており、もう一つのドアは普通の住居部分に繋がっている。


「良い感じですね」


普通の住居部分はまさしく普通の家だった、リビングがあり、キッチンがあり、浴室があり、寝室がある、家具は他の家と同じくら備え付けられており、庭には鍵付きの倉庫もあり冒険に必要ない物の保管も出来そうだ。


「だね」


愛理は一通りこの家を見て回り気に入った、アメリカ育ちな愛理の感性にもあっているのだ。


「私、この家にしようと思うんだけど、どうかな?」


「良いと思うぞ」


「私もさっきの家ほどではありませんが、気に入りましたよー」


仲間達にどうかと聞いてみると、概ね良い反応を貰えた、愛理は少し考えた後、この家を購入する事に決める。


「良し!、ゼレクさんに話付けてくる!、みんな待ってて!」


「はい!」


この家を購入する事に決めた愛理は、家に仲間達を残し、ゼレクの元に戻った。




夕方


カンカンカン!、とケーニが梯子に乗り、トンカチを持ち、フォックステイルと書かれた看板を、事務所側の玄関の上に取り付けようとしていた。


「出来たぞ」


木の板を取り付け終わったケーニは梯子から降りて終わったと伝える。


「うん、ありがと」


愛理はケーニにお礼を言ってから、新たに本拠地となった家を見て嬉しく思う、ずっと欲しいと思っていた本拠地が、ようやく手に入ったのだ、嬉しくて嬉しくて仕方がない。


「さっ、入ろっか、私達の家に」


「はい」


愛理は仲間を誘い、新たに本拠地となった家に一番最初に入る、仲間達もそれに続き家の中に入った、こうして愛理は騎空団、フォックステイルの本拠地を手に入れた。




リビング


夕食を取り、お風呂にも入った愛理はソファに座り本を読んでいた、題名は世界に散らばる聖遺物達と書かれている。


「愛理ー?、ババ抜きしませんかー」


ケーニや蒼狐とババ抜きで遊び、一勝負付いた所で、ラフォリアは愛理も一緒に遊ばないかと誘う。


「うん、やる」


愛理は本をソファに置くと、三人の元に向かいババ抜きに混ざる、ババ抜き勝負は意外と白熱し、最後に勝利したのは蒼狐だった。


「ふふふん、宴会芸を司る私ならこんな物なのですよぉ、さてお風呂に入って来ます」


ババ抜き勝負の勝利を誇る蒼狐は、風呂上がりのレベンが部屋に入って来たのを見て、立ち上がるとそそくさと部屋から退室し勝ち逃げをした。


「くっそぉ、強えよ、あいつ・・・」


圧倒的な強さを誇る蒼狐に負けて悔しがる、ケーニは次こそ買ってやると意気込む、それは愛理も同じ、負けたままで終わらせたりなどしないのだ。


「ババ抜きか、楽しそうだ、私もやって良いか?」


「良いよー」


愛理達は今度はレベンを混ぜてババ抜きを開始した。

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