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金色の九尾lll  作者: ブレイブ
第一部、一章冒険の始まりと三尾
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九話、召喚士愛理

センプーの洞窟


「ッ!」


「くっ!」


愛理とラフォリアは蜘蛛が飛ばした糸を左右に分かれ躱した。


「ストライクランス!」


ラフォリアは槍を構え青き閃光を纏うと青き一筋の光となり蜘蛛に突撃した、ラフォリアの攻撃を喰らった蜘蛛の足が一本吹き飛んだ。


(おおー凄い!、私も負けてらんないね!)


ラフォリアの活躍を見た愛理は、自分も負けてはいられないと思い、魔力を解放する。


「来い!炎の精霊、イフリート!」


愛理の特殊能力、それは精霊の召喚能力だ、神の血が流れている為、高いレベルで魔法を扱う事が出来る愛理は、15歳と言う年齢ながら7体の精霊と誓約を交わしている。


「イフリート!突っ込め!」


「ウォォォ!」


召喚され、愛理の命を受けたイフリートは蜘蛛に向けて突っ込む、ただの体当たりだがかなりの威力があるようで、蜘蛛は吹き飛び天井に激突した。


「驚きました、その歳でそこまで、精霊に言う事を聞かせるなんて・・・」


「えへへ」


ラフォリアに褒められた愛理は、頭の後ろを掻き照れる。


「キシャァァァァ!」


しかしイフリートに吹き飛ばされた彼はまだ死んでいないようだ、再び雄叫びをあげると、紫色の液体を飛ばして来た。


「ストライクフィールド!」


それをみたラフォリアは青き閃光を球状に変異させ球状のシールドを作る、ラフォリアのシールドは、蜘蛛の紫色の液体を防いだ。


「ありがとね!ラフォリア!」


愛理は自分を守ってくれた彼女に感謝しつつ、蜘蛛に向けて走る。


「イフリート!力を貸して!」


蜘蛛に向けて走る愛理はイフリートに力を貸せと言う、主人の言葉を聞いたイフリートは頷き、手をかざす、すると愛理の剣が紅く燃え盛った。


「紅き巨人の一撃!」


蜘蛛は迫る愛理を迎え入れるかのように足を振り上げる、愛理はそこに潜り込み、剣を下手に構えると、紅の一撃を振るった。


「キシャァァァァ!」


燃え盛る愛理の剣を迎え撃つかのように蜘蛛は愛理の剣に自分の足をぶつけた。


「ハァァ!」


愛理は蜘蛛の足を真っ二つに斬り裂く。


「ストライクランス!」


愛理に足を斬り裂かれた事で蜘蛛は大きく怯んだ、その隙を見たラフォリアは蜘蛛の顔に青き閃光の槍を突き刺した。


「キシャァァァァ!」


顔に強烈な一撃を喰らった蜘蛛は叫び声を上げもがくが、ラフォリアは気にせず、槍を押し込んで行く。


「もう一撃!」


蜘蛛の上に飛び乗った愛理は剣を逆手に持ち、紅の剣を蜘蛛の背中に突き刺した。


「・・・」


愛理とラフォリア、二人の攻撃を喰らった蜘蛛は遂に絶命し、その巨大な体を地面に横たえた。


「やったね!勝ったよ!ラフォリア!」


「はい!」


巨大蜘蛛に勝利した愛理とラフォリアは、抱き合い、勝利を喜ぶのだった、イフリートは二人の姿を見てウンウンと頷いていた。




「あのぉ愛理?その人はいつまで居るのですか?」


「うーん、この子が納得するまでかなぁ」


蜘蛛を倒した愛理とラフォリアは残りのジューシーキノコを探していた、イフリートと共に。


「そうなのですか・・・」


イフリートの顔は物凄く厳つい、正直その顔が怖いラフォリアは出来れば帰って欲しいのだが、納得するまで帰らないと言うのなら、一緒に戦った仲だ我慢する。


「ん?どしたの?イフリート」


洞窟の中を流れる川のせせらぎを尻尾を揺らし見ていた愛理は、イフリートがこっちこっちと呼んでいるので駆け寄る。


「わぁ!見て見て!ラフォリア!ジューシーキノコがいっぱいあるよ!」


イフリートが愛理をこっちこっちと呼んでいた理由、それはジューシーキノコを沢山見付けたかららしい、どうやら精霊界で愛理とラフォリアの話を聞いており、主人の役に立とうとキノコを探していてくれたようだ。


「本当ですね!ありがとう!イフリート!」


沢山のジューシーキノコを見たラフォリアは、この精霊は顔は怖いけど良い人だと思い、感謝する、ラフォリアの言葉を聞いたイフリートは頷くと、愛理の後ろに立つ、主人の役に立ったがまだ帰るつもりは無いらしい。


「これいっぱい報酬が貰えるんじゃないかな?」


「はい、多分ですけど」


採集依頼は、目標採取数を越えると追加報酬が出る、目の前のジューシーキノコを数えてみた所、四十個ほどあるので、先程倒した蜘蛛の討伐証拠と合わせ、7250ゴールドよりも多い報酬を得る事が出来そうだ。


「だよね!やったぁ!」


「はい!」


沢山の報酬が貰えると喜ぶ愛理とラフォリアは、そそくさとジューシーキノコを集め、冒険者ギルドに戻る、イフリートは喜ぶ二人を見てフン!と胸を張っていた。




クーラの町、冒険者ギルド


いつも騒がしい冒険者ギルド、今回は別の意味で騒がしくなっていた、その原因はイフリートである。


「はい!採ってきたよ!」


「はい確かに、それとこれはビックスパイダーの角ですね、その分の報酬も出しましょう」


受け付けのお姉さんは厳つい顔をしているイフリートに怯みつつもそこはプロ、態度には出さず応対をする。


「計算した所、今回の報酬は100000ゴールドです、ギルドポイントは1263となります、ふふふ、頑張りましたね」


お姉さんはイフリートに怯みつつも今回の愛理とラフォリアの報酬の計算を行い、初心者ながらビックスパイダーの討伐を成し遂げた二人によく頑張ったと微笑みかけた。


「えへへ〜」


「ふふふ」


お姉さんに褒めてもらった二人は、嬉しそうに微笑みハイタッチする、そして今回の報酬を受け取ると50000ゴールドずつ半分こし、ギルドを後にした。




クーラの町


ここは、クーラの町の出店区間、沢山の料理店が立ち並び美味しそうな匂いが、周囲に漂っている。


多大な報酬を得た愛理とラフォリアは、ここで昼食を買い、今回上手く行った仕事の祝杯を挙げていた、イフリートは出店を見て、コレホシイとビールを所望したので愛理は仕方なく買ってあげた。


「ホント、やったね〜ラフォリア」


「ですね〜」


ほぼビックスパイダーの討伐代である多大な報酬を手に入れ喜ぶ二人は、美味しそうに料理を食べる、愛理が食べるのは焼きそばみたいな物と串焼き、ラフォリアはパスタとピザだ。


「にしても彼、物凄く酔っ払ってますけど、大丈夫ですか?」


「あーうん、酔い潰れたら眠って精霊界に帰るから大丈夫」


既に四杯ほどジョッキを空けているイフリートはウィーヒックと酔っている、その様子は完全に酔っ払ったおっさんだ。


「そうなんですか・・・おじさんみたいですね」


イフリートの様子を見てラフォリアもおっさんみたいだと思ったようだ。


「でしょ?でもこの子ね?私が初めて誓約した精霊なんだ、だからこの子が欲しいって言う物は出来るだけあげたいの、私が出来る範囲でだけどね」


イフリート、彼は愛理が初めて誓約した精霊だ、愛理の陰陽術の師白花は、愛理に魔法使いとしての職業の一つ、召喚士としての才能を感じ、愛理に学んでみる事を勧めた、師の勧めを聞いた愛理は召喚術を学んでみる事に決め、見事その才能を開花させ彼女の初めての精霊イフリートを召喚するに至ったのだ。


「ふふふ、彼も嬉しいと思ってくれている筈です」


ラフォリアは酔い潰れかけながらも、愛理に優しい視線を向ける、イフリートを見て彼の気持ちを代弁した。


「えへへ、そうかな?そうだと良いなぁ」


ラフォリアの言葉を聞いた愛理は、イフリートの顔を見る、すると彼は強烈に恐ろしい顔を浮かべた。


「わ、笑ってるのかな?」


「さ、さぁ?」


イフリートの顔を見て全力でビビった愛理は耳と尻尾を縮こませ、同じくビビったラフォリアは愛理の後ろに隠れる、そんな二人を見てショックを受けたらしいイフリートは、ビールをグイッと飲み、拗ねた様子で消えて行った。


「未だに表情が読めないのが問題なんだよね・・・」


「読めるようになると良いですね・・・」




宿、マナマナ荘


「あら?お帰り、愛理」


宿の部屋に戻って来ると明日奈が出迎えてくれた、大好きな祖母の姿を見た愛理は嬉しそうにその隣に座る。


「うふふ〜、お婆ちゃんに見せたいものが、あるのです!」


「あらあら?なぁに?」


愛理は早速今日の働きを明日奈に見せようとする、明日奈はニコニコしながら、孫が見せてくれる物を楽しそうに待つ。


「ジャジャーン!47650ゴールドも稼いだの!」


愛理は誇らしげに尻尾を立て、今日の成果を明日奈に見せた。


「あら!凄いじゃない!どんな仕事をしたの?」


「んーとね?今日は・・・」


愛理は今日一日の出来事を明日奈に面白可笑しく話すのだった。

召喚士


召喚士とは精霊や妖精と誓約を交わし召喚する者達の事を指す。


その戦い方は様々で、精霊や妖精に攻撃をさせて戦う者や、愛理のようにその力を武器に纏わせ戦う者などが居る。

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