1-4「『神因性生命喪失』という名の手違い…って、オイ!?」
妙齢の女神様に死を断言された俺だったが、女神様の話はまだ続く。
「心臓発作というのは表向き、というかあくまで地球上の理屈ではそう判断されたという事じゃ」
「どうゆう意味です?」
「お主の正確な死因は『神因性生命喪失』。えぇー、その、なんと言うか……」
「手違いじゃな」
「オイ、ゴルァ!? 手違いってどうゆうこった!?」
思わぬ告白に、計らず巻き舌気味に突っ込んでしまった。
寿命で心臓発作なら諦めも付くが、まさかの手違い!?
それって、完全な無駄死にじゃね!?
「まぁ、ぶっちゃけ無駄死にじゃな」
「ホント、ぶっちゃけたな!? っつうか、さっきから何気に心読んでません!?」
「神の端くれなれば、読心くらい訳ないわい。基本的な心得じゃ」
「基本なの!? 知らないよ!? 神の心得なんて!?」
「そうカリカリするでない。短気は損気じゃよ」
「誰のせいだよ!?」
俺としてはツッコミ属性はないつもりだったのに、ひたすらにツッコミに回ってしまった。
深呼吸して、少し落ち着こう。クールダウン。
――OK。
「……ふぅー。…で? その神因性なんちゃらってのは何なんです?」
「『神因性生命喪失』。これは、儂ら神が世界を運営・管理する上で不利益を発生させる魂を創造神の権限においてその肉体を強制的に死亡させる処置の事じゃ。お主達、人間の受け取り方としては『天罰』というのが妥当かの」
「……俺、天罰受けるような生き方してないんですけど?」
「じゃから手違いと言うておる。尤も、単なる手違いと言うよりは……」
そう言いながら女神さまはチラリと視線を横にずらした。
俺も、それに釣られるように視線を向ける。
「そこで、存在感を消しておるアホの! 天使の居眠りがそもそもの原因なんじゃが、のッ!」ゴチン!
「痛ったぁいぃぃ! いい加減、私の頭がパックリ逝きますよー!?」
銀髪(以下略)改めアズエルの脳天に何度目かの拳骨が叩き込まれる。
――――ってか、今こいつ、逃げようとしてなかったか?